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入院前後の記

不易流行を心掛けていたら、流行を取り入れすぎてしまい、約二週間の隔離生活を送る羽目になった。
一部始終を記録しておく。

某日(マイナス2日目)

同僚が発熱で休み、「厭な感じだなぁ・・・」と思っていたら、午後から悪寒。
状況次第では病院に行ってから出社する旨伝えて退勤。
帰宅後に夕飯(鶏鍋)ご飯一膳。
買って帰ったカップの味噌ラーメンに生姜チューブ半分、残り半分をアールグレイ500mlにスパイスドラムと共に入れて飲んで早めに就寝。

某日(マイナス1日目)

朝、起きられず。
大抵の風邪は初期の段階で葛根湯もしくはそれに類するものを摂取して、布団と毛布をあるだけ被って寝ればなんとかなるのに、寧ろ悪化している。
激しい頭痛と関節痛。 関節痛と言うか、打撲のように体中痛い。
文字通りの「枕が上がらない」状態。

会社には病院へ行く旨連絡して、掛かり付け医に電話。
発熱外来は対症療法的なことしか出来ず、心配なら区の保健所の相談窓口に電話するよう助言された。
区の相談窓口に電話をし、症状を伝えたところ、近隣病院での検査を薦められ、病院へ電話。

かなり込んでいて、何度かかけ直して漸くつながり、検査の予約を入れたが明日になるとの事。
暫くして折り返しの電話があり、午後二時半に調整できたとのこと。 そちらで予約を入れる。

公共交通機関の利用は不可との事で、自転車で向かう。
恩賜の十万円で買っておいて良かった(全部は突っ込んでいない。)

早めに着いたので、病院の前でしゃがんで時間をつぶし、指定時間にインターホンで来意を伝え、検査へ。
通院する患者との接触がなるべく少なくなるような動線になっており、秘密クラブの入り口みたいなところを入ると検査室。
陰圧の掛かったビニールハウスみたいなのの中に座る。

検温は36℃台。 37.5℃以上が発熱になるため、平熱扱いだったので、訝しがられたか、症状を説明し、ただならぬ状態にあることを伝える。
問診の後、細い竹の棒の先に綿の着いたものを鼻の奥に挿入して粘膜を採り、抗原検査。 結果次第で、陽性なら即アウト、陰性なら更にPCR検査とのこと。

抗原検査の結果はすぐ出た。陽性。
ご愁傷さまです的な表情の担当者から、今後の流れについて説明を受ける。

・その病院では検査は出来るが治療は出来ない。
・一旦帰宅して保健所の指示待つように。

待てど暮らせど保健所から連絡は来ず、「どうなりましたでしょうか?」的に問い合わせたら「確認します」とのこと。
待つこと暫し連絡が来て、翌日午後の入院が決定。 場所は調整中。
その旨会社には報告。

夕食は鶏鍋の残りとサラダ、シラス干しと鱈の子煎り。
ビタミンやらなにやら足りない気がして、ゼリー飲料、豆乳、野菜ジュースなど。

朝まで、寝たり起きたり。 咳をしては目覚め、頭痛が激しくなって目覚め、悪寒がして目覚め、体の痛みで目覚める。

悪寒は、これまでに経験したことの無いもので、毛布二枚に掛け布団を掛けて暖房をつけていても寒い。
日露戦争を見に行って、満州で馬賊の親玉と意気投合して何故かインドまで行って帰ってきたらマラリアで寝込んだという曾祖父の様子(言い伝え)を思い出す。

母は「濃厚接触者」と言うことになり、私とは別に保健所の指示待ち。

某日(入院当日)

会社のメールサーバーにリモートで繋いで客先からのメールをチェック、上のものと相談して返信。 年内の対応は難しい旨伝えた。
鶏鍋の残りととろろ、ご飯一膳、サラダ。

昼前に病院決定。 Wi-Fiは無いとのことで、PCは諦めてスマートフォンとポメラを鞄に。
(これはポメラで書いている。)
コロナ入院の先達に「持って行った方が良いもの」を伺い、荷造り。

民間救急車が迎えに来て病院へ。
サイレンが鳴らないのは良いが、割と目立つ。
人気の少ない時間の都内だからまだ目立たないが、郊外や農村だと人の口に戸は立てられないであろう。

担当医と看護師から、受診や検査の経緯や現在の体調などを詳しく聞かれ、体温、血液検査、血圧、心電図、レントゲン。
無意識に話にオチをつけようとする癖はよろしくないが、検査に至った経緯や体調を言語化出来ているのは道楽に邁進した賜であり、前半生に感謝したい。

一時間くらいで解放されて、これを書いている。
同室は、個室から大部屋に移ったおじいさん。
看護師「咳とかは大丈夫ですか?」
爺さん「だいじょうぶです。」
数分しないうちにこの世の終わりのような絶望的な咳が始まる。

部屋は陰圧に保たれていて、まぁ要するに隙間風吹きっぱなしと言うことであり、微妙に寒い。
薄い肌掛け布団一枚で、電気毛布的なものもなく、着て調整する他無い。
父が死の床で着ていた、縁起の悪い寝間着用の浴衣を持ってきたが、足元が冷えるのでお蔵入り。

七時過ぎに夕食

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茶飯(200g)
おでん
練りからし
のり和え
かぶの甘酢和え
フルーツ(オレンジがくし形に四切れ)
ほうじ茶的なものがつく。

残さずいただく。
思ったより、味は薄くない。

食後、歯磨き。

しばらく横になってうつらうつらしていると、検温。
ほぼ平熱だったのが、どーんと上がって38.5℃
解熱剤と氷枕が出た。

またしばらく横になる。
なにかしようと言う意欲がわかず、なんとか記録だけする。

21:34 就寝前の検温
38.0℃ 十時頃消灯とのこと。

体温
血圧
血中酸素濃度

これを記録しながらの経過観察。
咳や発熱、吐き気などに合わせて対症療法的に薬が出て、熱が高くなれば氷枕の貸与が行われる。
現状では解熱剤のみ。

「看ていてもらえる安心感」は実にありがたい。
十分単位で体調が変化し、その度に目が覚める。

向かいのベッドのおじいさんは糖尿らしく、こまめなケアが行われるが、私は定時の見回りのみ。
「それで済んでいる」のだと思う。

23:40
目が覚める、寒い。
一枚着る。

母はPCR検査を受けることになったとのこと。

夜半、救急車のサイレンが聞こえてきて、吸い込まれるように止まる。
このさなかにも、救急の受け入れは続いている。

「大阪で、足りなくなった医療技術者を大幅に規制を緩和して大量に雇用する施策が打ち出され、労組が立ち上がるニュース」・・・の夢を見る。

夢の中で、朝まで「普通の市民運動でーす」と言う顔をして潜り込んでくる極端な党派の影響力を排除して、如何に独立性を高めるか・維持するか腐心する作業が続く。

某日(入院二日目)

電気が点いて目覚める、六時。
夢が夢だったので、疲れ切っている。

その後は腰痛と頭痛に苦悶しながら朝の検温を待つ。

7:00 38.3℃。 解熱剤を処方される。
痛みを取る効果もあるとのこと。

7:50 朝食

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ごはん
味噌汁
生揚煮物
野菜ソテー
ふりかけ(梅)

白いご飯に梅ふりかけ。 「ゆかり」を作っている三島食品のものなのでおいしい。
野菜ソテーは「これぞ病院食」と言う感じの、ソテーと言うより「くたくた煮」。 キャベツとモヤシが全く歯ごたえ無く油で煮られている。 まずくはない。
味噌汁は大根の銀杏切りがヤケクソにはいっており、塩味は薄いが野菜のうまみがある。
量的にはなかなか厳しいが、そもそも食欲がないから辛くもない。
食欲はないが食べられなくもないと言う、微妙なバランス。
兎に角、良く噛んで食べる。

食事に付いてくる白十字のスティックタオルなるものが非常によくできていて、棒状なのだけれど、広げると28cm×25cmになり、使い出がある。

11:00 36.8℃
朝食後、まどろみっぱなし。
熱が下がった所為か、悪夢ではなくなった。
オーバー気味に撮った昔のカラーネガのような白っちゃけた風景。 トレーラーから外れたタイヤが転がっていって唖然としていたところを看護師に起こされる。

11:30 姉から差し入れが届く
箱ティッシュ、マスク、嗜好品(無糖紅茶とチョコレート)
不仲だがありがたいものはありがたい。
※チョコレートは口腔粘膜と喉の粘膜の水分を奪ってしまい咳を誘発するため、咳が出始めてからは手を付けられず。

12:00 回診
昨晩からの経過を話す。

12:20 昼食
「おそくなってすいません」
いえいえ。

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ロールパン(大きめ)二個
ジャム(アヲハタ マーマレード)
コーンクリームシチュー
サラダ
マヨネーズ(キューピー)
牛乳(タカナシ3.5)
ほうじ茶的ななにか

ロールパンは仄かに暖かく、ほかほかではないがふかふか。 ひとつはマーマレードを塗って、もう一つはシチューとともにいただく。
マーマレードは病院用なので皮が細かく刻まれて歯に触らない。
サラダは刻みレタスとアクセントに紫タマネギ。
マヨネーズが嫌いだとか贅沢は言えない。
コーンクリームシチューはジャガイモとにんじんと皮を取り去った鶏胸肉をやわらかく煮て、コーンが散らしてある。 薄味だがまずくはない。

熱が上がってきた感があり、おとなしく過ごす。

14:00 検温、再び38.3℃
看護師がまた来たら、解熱剤などをお願いすることにする。

15:00 見回りに来た看護師に発熱を伝える。
氷枕を持ってきて貰う。
そしてついに下痢。
体温あがって38.9℃

15:21
カロナール500mg  一錠服用。

15:30
上のものにチャットにて体調を報告。
いないなりに仕事は進んでいるらしい。

16:40
看護師巡回、体調を聞かれる。
悪いなりに落ち着いている。
便意とは別に尿意もきたので、下痢も深刻では無さそう。

室温の設定を見たら24℃だった。
寒い暑いはもっぱらこちらの体調に左右されているらしい。

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暫く使っていなかったポメラのノウハウをスマートフォンで調べる。
Ctrl + Alt + → で文末に行くことがわかった。

母からメール、悪寒がしたので計ったところ37.4℃とのこと。
既往症があるのでいやな感じ。

17:53 母のPCR検査は陰性とのこと。
ただ、その検査を受けるために寒風吹きすさぶ中、往復数キロ歩けばまぁ熱も出ようというもの。
そして検査は「今日のところの陰性」でしかない。

書いているうちに夜の担当の看護師来訪、検温。
38.1℃
今は様子を見て、夜の検温次第で追加の解熱剤を考えることに。

18:26 夕食

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ごはん 200g
魚の西京漬(赤魚 70g)
ピーマンのソテー
かぼちゃ甘煮
お浸し(茹でて刻んだほうれん草?を鰹節と醤油で
和えてある)
すまし汁(豆腐、わかめ、三つ葉)
フルーツ(キウイ、リンゴのコンポート)

これまでで一番おいしい、何故なら西京漬の味がしっかりついているからごはんが進む。
驚いたのは徹底した骨の除去。 見た目ではわからないが、一本残らず取り去ってある。
これが我が国の病院食のレベル。
リンゴのコンポートも、五ミリ角くらいに刻んだリンゴを、素材の味を生かして軽く煮てある。 うまい。

19:43 血圧と血中酸素濃度
血圧は初日高かったが、その後は安定。
血中酸素濃度は96で「まずまず」
解熱剤は今飲むと明け方に切れるので、寝る前の検温時に判断することに。

向かいのおじさんは、「ままならない」感じ。
酸素吸入の管をすぐ抜いてしまう。 トイレも勝手に行ってしまう。 ナースコールをして間が空くと、来る前にトイレに行ってしまう。
反抗的ではないが無抵抗非服従
「アルコール綿(めん)は大丈夫ですか?」
「あまり飲まないです」
「???」

21:24 夜の検温 38.5℃
氷枕と解熱剤をいただく。

「調子はどうですか?」
「熱があると悪夢っぽくなって、結論のでないことを延々考えさせられる仕事の夢を見ます」
「・・・それはツラいですね。」

夜中に面倒なのは、画面は見えるがキーボードは見えないこと。
このためだけに電気をつける訳にも行かないので、夜中はメモ帳を使うことにした。

1:00 38.7℃
腰が痛い。 寝ている間に口呼吸になると、起き抜けに口が渇いていて深い。 水でふやかす。

某日(入院三日目)

朝の検温 38.3℃ 血圧は普通に戻った。
アイスノンを変えてもらう。
解熱剤が毎食後の投与になった。
熱は38℃台で推移しており、まとまった思考が出来ない。
血中酸素濃度は安定しているが、下がったら薬の投与と酸素吸入になるとのこと。

7:40 朝食

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ごはん 200g
味噌汁(豆麩)
ウインナーソテー(ケチャップで汚してある)
水菜と大根のボイルサラダ
ノンオイルドレッシング(ジャネフ、減塩青じそ)
ふりかけ(丸美屋 味道楽的な)

食欲ほぼ無し
最後はほうじ茶で流し込む。

10:36 午前の検温 37.4℃
少し落ち着いた。 体を拭くタオルを持ってきていただく。
不織布の使い捨てのものだった。
感染症科である。

12:20 昼食

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ひじきご飯 230g
吉野煮
緑酢和え
卵豆腐(甘い餡)
牛乳(タカナシ3.5)

食欲は戻った。 あるのではなく、食べれば食べられる感じ。
吉野煮は鶏胸肉と人参とインゲンと大根の煮たの。
ひじきごはんには大豆と人参。
緑酢和えは春雨とキュウリの甘酢和え。
甘いおかずが多いのが地味にツラい。

解熱剤が効いていて、午後は
すこし楽になった。 安静にはしつつ、眠らないようにしないと夜が長い。

姉に一口チョコレートを頼んだのであるが、ポリフェノール効果とか言う渋いだけで旨くも何ともないものを押しつけられて閉口。
美味しくない嗜好品に何の意味があるというのか。
このあたりの感覚がまったく分からないし相容れない。

14:43
母からかかりつけの病院に入院が決まったとの連絡。
家で一人よりははるかに良い。

17:10
しばらく起きていたが、いつの間にか眠ってしまい、気がつくと夕方の検温。
38.0℃ 解熱剤は予定通り夕食後にしてもらう。

18:20 夕食

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ごはん 200g
揚げ鶏油淋鶏ソース
青菜ソテー
ミニサラダ(レタス、キュウリ、赤ピーマン)
マヨネーズ
中華スープ(豆腐・葱)
フルーツ(バナナ一本)

揚げ鶏は下味が濃く付いていてウマい。
火は完全に通してあるのでぱさつきはあるが、もも肉なので気にならない。

バナナがありがたい、私好みの青くて硬い、酸味のあるもの。
「生のもの」に飢えているのかもしれない。

私に言われたくはないと思うが、病棟で目にする患者は高齢男性。 マスクをしていない。
うつされないためにするのではなく、うつさないためにするものであることが理解されていない。
既に感染してしまったのだから、これ以上広げないようにはしたい。

トイレに行ったら鍵が開いていたので扉を開けたら、おじいさんが立っていた。
鍵を閉めずに用を足したか、手を洗う前に鍵を開けたか。 いずれにしても衛生観念は希薄。
手洗いとマスクだけは心がけようと思う。

向かいのベッドのおじいさんが凄い。
反抗はしないが言うことは聞かない。 酸素吸入の管を勝手に外してしまう。「苦しくなっちゃうから外さないでくださいね」と言われると生返事。 そして外す。 中長期的な苦しさより短期的な違和感を優先する。 そして苦しむ。
データが異常を示して看護師が飛んでくると管が外れている。
「咳は出ますか?」と聞かれると「でない」
間歇的にこの世の終わりみたいな咳をする。 マスクはしていない。

18:43
母より、再検査で陽性との報。
これでもしものことがあったら、姉と妹からは一生恨まれるであろう。
ただ、老親との同居を放棄したのも向こうであり、趣味道楽を解しない姉との同居を拒んだのは母なので、如何ともしがたい。

21:26 夜の検温 37.4℃
解熱剤の効果もあり、落ち着いている。
頭痛と腰痛が軽くなったのがありがたい。
体温が下がると、ものごとを考えるゆとりが出てきた。
氷枕を変えていただく。

0:18
向かいのじいさんの咳で目覚める。
寒気がして体温を測る 38.4℃
水飲んで寝る

体調はめまぐるしく変わり、今は着ても着ても寒い。
さっきまでは暑かった。 体温の変動はない。

5:37
ツラくて目覚める 39.2℃

某日(入院4日目)

7:00 朝の検温 38.4℃ 多少ラク
解熱剤を早めに持ってきていただくことにした。
氷枕の交換もお願い。

7:49 朝食

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ごはん 200g
味噌汁(銀杏切りの大根と大根菜)
煮付け(がんもどき二個)
白菜のスープ煮(刻んだ白菜と人参)
焼き海苔(はごろもフーズ)
醤油(キッコーマン)

味付けのりではないのが嬉しい。
がんもどきが甘いのも、味噌汁の大根がゴツいのも気にならなくなる。

昨晩から咳が出始め、呼吸が浅くなってきたので、咳止めの処方を検討。
呼吸がおっかなびっくりになってきている。
(咳が出ぬよう、ソロリソロリ)

12:23 昼食

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ごはん 200g
梅焼き(さわら)
ソテー(さやいんげん)
大根そぼろ煮(大根、にんじん、とりひき肉)
ポン酢和え(白菜)
牛乳
お茶

さわらにまったく骨がないので、改めて驚く。
久しぶりに義務感なく完食。

13:18 38.3℃
解熱剤、アイスノン交換

15:21 38.3℃
咳止め処方
熱はあるが、解熱剤のお陰か頭痛などはない。
但し、呼吸が安定しない。
一日中「縦」になっていられる時間がなく、ほぼ横。
ツラい。

18:27 夕食

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ごはん 200g
煮豚
粉ふきいも
青菜ソテー(小松菜、しめじ)
カリフラワーサラダ(カリフラワー、トマト、キュウリ)
マヨネーズハーフ
卵スープ
フルーツ(リンゴ三切れ)

嫌いなものの連合軍、ミニッツ(カリフラワー)とマッカーサー(マヨネーズ)が一緒にきた。
噛まずに飲み込んでやり過ごす。
地獄へ逆落とし。

煮豚のように、完全加熱で美味しくできあがる調理法のものは、病院食でもおいしい。
油淋鶏などは、火が通り過ぎて乾物のようになってしまう。

リンゴ、これが非常にありがたい。
口にさわやかで、体の熱を取ってくれる気がする。

2:42 39.2℃
アイスノンをお願いする(解熱剤の追加は無理なため)

某日(入院5日目)

6:10 39.2℃
カロナール 一錠

7:53 朝食

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ごはん
みそ汁
スクランブルエッグ
野菜ソテー
ふりかけ(丸美屋、さけ)
ほうじ茶

10:46 37.6℃
食べきるのが難しくなってきたので、ごはんの量を減らしてもらう(200g → 150g)ようお願いした。
昼食はもう間に合わないので、夕食から。

昼食

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ハヤシライス(牛肉、にんじん、たまねぎ、グリーンピース)
ビーンズサラダ(レタス、赤いんげん、白いんげん、きゅうり)
マヨネーズ(キューピー)
ヨーグルト(タカナシ「おなかへGG!」)
ほうじ茶

なんとか食べきる。
味は悪くない(むしろ美味しい)が、体調が悪すぎる。

13:28 39.2℃
カロナール 一錠
咳止めをお願いした

18:17 夕食

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ごはん
魚の煮付け(あこう鯛)
茹で野菜(ブロッコリー)
五目煮(ジャガイモ、しいたけ、にんじん、さやいんげん、高野豆腐)
おろし和え
ジュース(カゴメ、オレンジ、缶)
ほうじ茶

体調は悪いなりに良くなってきた感じで、解熱剤が効いた時の下がり方がはっきりしてきた。
熱が下がっていれば思考も纏まる感じ。
熱自体は依然として高いが、全身の痛みや頭痛は薄らいできた。
その代わり咳が出始めている。
私が入院した時は二人目だった四人部屋も、とうとう満員に。

某日(入院6日目)

4:50
目が覚めたので朝の検温の前に計ってみる。
39.1℃

7:30 朝の検温
37.4℃
寝て起きたら下がっていた。

7:50 朝食
ごはん
みそ汁
いわし梅煮
炒め煮
海苔佃煮(ハゴロモ)
ほうじ茶

11:00 昼検温 36.4℃

12:14 昼食

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ごはん
八宝菜(小エビ、紋甲イカ、豚肉、にんじん、白菜、ピーマン、タケノコ)
さつま芋レモン煮(さつま芋と小豆)
漬物(大根)
牛乳
ほうじ茶

12:58 突然の「お着替えの日となっております」のお知らせ
身体を拭く不織布を五本貰って拭い、変えられる衣類を変えた。

17:50 39.1℃
つらい・・・。

18:50 夕食

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そぼろご飯(鶏そぼろ、炒り卵、刻みしいたけ煮つけ)
お浸し(白菜、にんじん)
炒め煮(茄子、しめじ、さやいんげん)
すまし汁(まめ麩、わかめ、三つ葉)
フルーツ(リンゴのコンポート)
ほうじ茶

そぼろご飯はほぼ鶏飯、あとから考えたらすまし汁を掛けて食えばよかった。
古人曰く、「間抜けの知恵と猫の金玉はあとから出る」。
頭が働いていない。

18:55 カロナール 1錠、咳止め(デキストロメトルファン) 2錠

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19:43 38.4℃
夜から朝にかけて用のカロナールを貰っておいて、日付が変わるころに飲む。

0:23 37.3℃
5:04 37.7℃

夜中に目が覚めたら、とりあへず体温を計って記録。
解熱剤あってのことだが、平熱になる時間も出て来た。
咳は切っ掛けがあると続き、出ないときは出ない。
昨晩から今朝に掛けては辛かったが、乗り切ったら熱も下がってきた。

まだまだ退院とか、そういう話は出ない。

某日(入院7日目)

7:02  検温と投薬
38.1℃
カロナール 1錠、デキストロメトルファン 2錠

7:52 朝食

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ごはん
みそ汁(大根)
豆腐の包み蒸し(厚めに切った豆腐に切れ目を入れ、ひき肉を詰めて蒸してあんかけに)
煮浸し(キャベツとにんじん)
ふりかけ(ニチフリ、あじよせ)
ほうじ茶

9:14 午前の検温 37.9℃

11:00 投薬
カロナール 1錠、デキストロメトルファン 2錠

12:15 昼食

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肉うどん(豚肉と玉ねぎを煮たもの、青菜、刻み葱が乗る)
めんつゆ(これをかける)
七味(店屋物のそばについてくる、透明の袋に入ったやつ)
かぼちゃ甘煮(本当に甘い)
しそ和え(キュウリ)
牛乳
ほうじ茶

うどんつゆは塩分を抑えつつ満足感を担保するために鰹節を奢ってあるのだけれど、食欲が無いときはこの香すらなかなかツライ。

13:40 突然の部屋引っ越し
四人部屋に四人になっていて、それぞれに生活音が喧しかったので渡りに船ではあるが、面倒で動くのもツラい。

18:17 夕食

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麦飯
南蛮漬(小鯵、半身二枚)
炒め煮(にんじん、ジャガイモ)
フルーツ(フルーツポンチ缶)
ほうじ茶

無理矢理流し込む。 ツラい。
フルーツポンチが身にしみる。 さっぱりしたものは食える。
(※食が進まず、ほうじ茶で茶漬けにして流し込んでいる。)

19:07 夜検温 37.6℃

0:38 36.8℃ 目が覚めたこのタイミングでカロナール一錠

昨日から断続的に頭痛。
高くはないが発熱も続いており、良くなっているのかそうでないのか判然としない。
ただ、悪夢は見なくなったので、その点は楽になった。

同室で退院が決まった人もおり、肺炎などを発症しなければ、感染から起算して10日くらいで退院可能になるかも、的な話。

母は、かなり悪そうなメールの文面だが、私より遥かに良い病院なので、ここでダメなら諦めるしかない。
今のところ悪化はしていないとの事。

回診時、担当医に症状を説明し、1日4回、6時間ごとの解熱剤・咳止めの投与にしてもらったので、薬の切れる時間が短くなり、苦しさは無くなった。
氷枕が気分的には一番効いている。・
特効薬的な物は、肺炎が深刻になった場合のみ投与する由。

「風邪っぽくはあったが、帰省するために陰性が欲しくて新橋の民間で受けたら陽性だったと」いう人が入院してきた。
民間PCR検査は陽性でも、そこからどうすると言う筋道が無く、改めて保健所に電話して再検査となり、確定したので入院したようだ。

「会社の同僚との飲み会が原因かも。」
リモートと出社と半々で、出社した日は飲みに行っていたらしい。

某日(入院8日目)

5:58 咳の予兆で起きて、案の定激しく咳。
安眠できていた分、溜まっていたものが出た感じ。
36.7℃

6:44 朝検温 36.7℃
カロナールとアイスノンをお願い。

6:50 カロナール 1錠、デキストロメトルファン 2錠

7:40 朝食
ごはん
みそ汁
温泉卵
切り干し大根炒り煮
梅びしお
ほうじ茶

※このあたり、辛さの極みで詳しい記述も無く、写真も撮っていない。

12:20 昼食
ごはん
ミックスフライ(レモン添え)
いんげんソテー
ソース(イカリ)
炒り豆腐(甘い)
茹で野菜サラダ(キューピーハーフ)
牛乳
ほうじ茶

マヨネーズが付くときと、ハーフマヨネーズが付くときとある。
総カロリーの調整だと思われる。
ソースより醤油派なのであるが、イカリソースだったので使う。 ウマい。

午後、どんよりとツラく、横になって過ごす。
縦になる気力がない。

18:26 夕食

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ごはん
ポークソテー(玉ねぎのみじん切りがたくさん入ったデミグラスソース)
粉ふきいもとにんじんのグラッセ
紫キャベツのサラダ(粗く刻んだレタスの上に紫キャベツが色どり程度)
ドレッシング(ノンオイル)
ミネストローネ(にんじん、玉ねぎ、キャベツ)
フルーツ(オレンジ、くし形)
ほうじ茶

個室から出て大部屋に移動してきた人が隣に。
担当医との会話を聞くに、同業(医療関係者)らしい。
「味覚嗅覚の異常を訴える人はあまりいない」
「呼吸が苦しいと訴える人がむしろ多い」
「20代はあまり入ってこない。 元気なので感染しても発症しない。」
「この層が街に出てマスク無しで飲食をして広めてしまっている。」
「30代も少ない。 40代が貰ってきて、家庭内感染にと言う流れ。」
「だから若い人には家にいて欲しいんですよねー」

昼食のミックスフライ定食、久しぶりに「おいしい」と感じつついただく。
ここ数日は義務感だけで食べたていたし、ご飯の量もさらに減らして貰おうかとすら思っていた。

頭痛とだるさは抜けてきて、平熱も保てる時間が延びた。
但し、「解熱剤の効果『だけ』かもしれない」とのことで、解熱剤の投与は継続。
母からメール、アビガンの投与が始まったとのこと。

某日(入院9日目)

6:37 検温、36.6℃
血圧と血中酸素濃度は異常なし。
身体を拭くタオルをお願いした。

7:44 朝食

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ごはん
みそ汁(大根だったと思う)
焼き豆腐煮付け(甘い)
カリフラワーのスープ煮(カリフラワー、さやいんげん)
ふりかけ(三島食品、野菜)
ほうじ茶

かたまりのカリフラワーに泣く。
見た目と食感が不快極まる。 無理に飲み込む。

7:58 朝の投薬
カロナール1錠、デキストロメトルファン2錠。
36.4℃

10:22 体を拭くタオル受領。
頃合いを見て(回診の無い時間)下着を替える。

差し入れは濃厚接触者ではない親族のみ。
クレジット決済のネット通販なら、患者名+病院・病棟で届くとの事だが、クレジットカードを持っていない。

10:57 検温 36.4℃

12:10 昼食

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ロールパン(2個、ほかほか)
イチゴジャム(アヲハタ)
ポーク&ビーンズ(豚肉、玉ねぎ、白いんげんのトマト煮、刻みパセリ)
サラダ(きゅうり、レタス、コーン)
フレンチドレッシング(キューピー)
牛乳
ほうじ茶

午後回診。
「咳は退院できてもしばらく続くかもしれません」
とのこと。

17:20 36.7℃
血圧と血中酸素濃度は異常なし。

18:20 夕食

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ごはん
サバの塩焼きと茹でブロッコリー
大根おろしと醤油
肉じゃが(豚肉、ジャガイモ、玉ねぎ)
ポン酢和え(白菜としめじ)
フルーツ(リンゴのコンポート)
ほうじ茶

21:20 37.5℃
昨日から平熱を保てる時間が延びたので、解熱剤は食後のみに。
横になると肺が潰れて痰が出やすくなるらしく、ベッドの背もたれを上げてぼーっとして過ごす。

某日(入院10日目)

7:00 37.0℃
発熱が微熱程度で収まっているからか、夜半目覚めず。
久しぶりにぐっすり寝た。

7:20 回診
「発熱の基準は37.5℃以上なので、気にしなくてよい」
「解熱剤は(胃痛などで)辛ければ飲まなくても良い」

7:43 朝食

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ごはん
みそ汁(たまねぎ)
厚焼き玉子
野菜ソテー(キャベツ、にんじん、さやいんげん)
ふりかけ(丸美屋、さけ)
ほうじ茶

12:00 昼食

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ごはん
天ぷら
薬味(大根おろし、おろし生姜)
天つゆ
ゆかり和え(もやしとピーマン)
漬物
牛乳
ほうじ茶

天ぷら定食である。
エビ 1、イカ 1、サツマイモ 1、ピーマン 1、ナス 1。
天つゆに大根おろし。
思いの外サクサクの天ぷら、感涙に咽ぶ。

16:00 37.0℃
天ぷら定食の幸せ気分で午睡して、夕方の検温で目覚める。

18:18 夕食

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ごはん
ポークジンジャー(豚肉、玉ねぎ、さやいんげん)
南瓜サラダ(ペースト状)
すまし汁(豆腐、賽の目)
フルーツ(バナナ)
ほうじ茶

19:20 37.1℃

ひと眠りして、日付が変わった頃合いに解熱剤を飲む。

頭痛や悪寒は無くなってきた。
ただ、微熱は嫌な感じであり、今日も一日寝ていた。
発熱の基準の37.5℃の、その下くらいで推移。

10日ぶりにシャワーを浴びることが許され、だいぶスッキリした。

同僚と一日置きに飲み会でウェイウェイやっていて感染したお気楽サラリーマンと、まぁおそらくは職場で感染してしまって重症化した医療関係者と、客観的に見た命の重さは天と地なのだけれど、現場は扱いの差無く接していて頭が下がる。

某日(入院11日目)

6:36 37.1℃
カロナール 1錠、デキストロメトルファン 2錠。

7:42 朝食

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ごはん
みそ汁(白菜ときざみ葱)
煮物(がんもどき)
煮物(にんじんと大根を拍子木に切ったもの)
ふりかけ(丸美屋、おかか)

10:30 36.4℃

12:25 昼食

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ごはん
焼き魚(鮭)と茹で野菜(ジャガイモとブロッコリー)
スパゲティサラダ(スパゲティ、にんじん、きゅうりのマヨネーズ和え)
牛乳
ほうじ茶

12:55
カロナール 1錠、デキストロメトルファン 2錠。

18:18 夕食

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ごはん
炒り鶏(ごぼう、こんにゃく、にんじん、、しいたけ、グリーンピース)
甘酢和え(白菜)
すまし汁(生のりだったような)
フルーツ(みかん)
ほうじ茶

19:11
カロナール 1錠、デキストロメトルファン 2錠。

2:09 目覚める
日付変わったところで飲もうと思っていたカロナールをここで飲んだ

某日(入院12日目)

6:40 36.4℃

7:49 朝食

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ごはん
みそ汁(大根のいちょう切りと大根葉)
オムレツ(ケチャップが掛かっている)
野菜ソテー(油でクタクタに煮たような)
海苔の佃煮(「なにはなくとも」ではないやつ)
ほうじ茶

10:40 36.9℃
血圧と血中酸素濃度は異常なし。

12:16 昼食

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チャーハン
煮物(ジャガイモとにんじん)
青菜おひたし
牛乳

13:20
カロナール 1錠、デキストロメトルファン 2錠。

退院の話が藪から棒に出る。
昨日今日で漸く活字を追う気力が出て、山本周五郎の短編で足慣らしをして、鏡花の「薬草取」を読み終えて一眠りしたところで告げられた。 
熱が無ければ明日退院、発熱したらあと2~3日。

15:46 検温。 36.9℃
退院できるかどうか微妙な発熱。

18:14 夕食

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ごはん
焼き魚(ぶり)とピーマンの炒め物
煮物(ひじき)
青菜の炒め物
果物(キウイとリンゴのコンポート)

鰤の切り身が不自然な形だと思ったら、血合い骨が取ってあった。

19:29 36.6℃
本を読むほどの元気はなく、落語と講談を聴く。
六代目圓生の「御神酒徳利」とか、十代目馬生の「ざるや」とか軽いものから初めて、当代愛山「徳川天一坊 紀州調べ」「徳川天一坊 越前切腹」など。
天一坊でどっと疲れて、暫し眠る。

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21:10
カロナール 1錠、デキストロメトルファン 2錠。

4:20
夜中に目が覚めたので検温してみる。 36.4℃

母は酸素吸入が始まったとの事。
メールが短くなって、反応も遅くなってきた。

某日(入院13日目、退院)

6:48 検温。 36.9℃

朝の検温は発熱ではないが平熱でもない微妙な領域。
詰むや詰まざるや!(詰んじゃいけない)

7;45 朝食

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ごはん
みそ汁
煮物(白菜のスープ煮)
鮭缶と大根おろし
焼きのり(と醤油)
ほうじ茶

看護師さんからの裁定は出ないが、粛々と退院準備を進める。
同室3人一斉退院予定なのであるが、私だけ俊寛にされてしまう可能性が多分にあるが、一応着替えまではした。

荷物をまとめて布団を畳み、ベッドに正座していたら看護師さんが来て

「まぁ!!!」

「急いで手続きしますね。」


最終判定中、「長くはお待たせしません」と言われても、こういう時は実に長い。

退院決定。

退院を前に説明を受ける。
病院の方では
「国の退院基準に従うのであって、完治ではありません。」
「生活必需品の買い物などは構わないが、不要不急の外出は控えて欲しい。」
不要不急の外出に「出勤」は含まれるか訊いたところ、それは保健所と登壇してほしいとの事。

母からメール。
肺が日に日に悪くなっている。
(私が)死んだら遺族年金は降りなくなる、今のうちに身辺整理をしろとのこと。
その後「ありがとうね」を最後に、音信が途絶える。

駅まで歩くのも、座れないかもしれないバスを待つのも乗るのも物憂い。
奮発してタクシーで帰宅。

二週間ぶりに帰った我が家には、入院した日に保健所から消毒命令が届いており、遅ればせながら従う。

退院後は、週末まで静養することに。

某日(退院後3日目)

メールを送っても反応が無く「いよいよか・・・」と思っていた母から
「ここのところ熱も無いので退院するかも」
「何時 退院かわからないが考えておくようにと」
的なメール。

まずは良かったが、相変わらずのノー天気に「テメェ・・・」感。
まぁ、私からうつしたのは確実で、下手をすれば「親を手に掛けた」ことになりかねなかった訳で、各方面に感謝である。

某日(退院後4日目)

「明日 退院でも急だけども大丈夫?」
「明日 10 時迄に入院棟の受付窓口でブザーを押して下さい。 以上」

紋切型である。 とりあへず部屋を片付け、お迎えの準備をする。

某日(退院後5日目)

バスと電車を乗り継いで母の入院先へ向かい、帰りはタクシー。
「死ぬかも」的な時期はありつつ、母も私も生還できたことには感謝しかない。
母の退院で、漸く我が家の病禍にも、一と区切り。

総括

症状
悪寒と倦怠感が、翌朝には頭痛と全身の痛みに。
入院二日目あたりから発熱が激しくなり、解熱剤を飲んでも38℃から下がらないのが2~3日続いた。 ここが正念場だった。
眠っても悪夢しか見ない。 フランツ・カフカの「城」のような、徒労感の続く迷宮のような夢なので、眠っても眠っていた分疲れる。
解熱剤が効くようになって、漸く安眠できるようになり、眠ることで体力も回復する。
そこから薄紙をはぐように快方に向かったように思う。
熱が下がらない間は、もう駄目なのではないかとすら考えた。

熱が下がるか下がらないかくらいから咳が出始める。
黙っていればあまり出ないが、喋ろうとすると出る。
退院してからも、発症から起算して1か月くらい続いたのだけれど、これも辛かった。 我慢しようとすると余計に激しく出る。
そして上手く処理しないと、喘息の発作みたいな状態で、「咳に溺れる」ことになる。 これがつらい。

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普通の風邪と違ったところは、痰も鼻水も透明なままだったこと。
風邪を引き込んでも、治る頃合いには痰や鼻水が粘液上に且つ黄色もしくは黄緑に色が付き、白血球が勝利したことを知らせるが、この病気ではそれが起きない。
いつまでも「治った気がしない」。

睡眠時間も長くなり、退院はしたものの、寝ても寝ても眠い。 夜更かしをすると、ぶり返してしまいそうな恐怖感もある。

ただこれは「私に起きたこと」であり、入院中に見た他の患者は、それぞれにそれぞれの症状に苦しんでいた。
てんでバラバラ。 原因は同じでも、結果の出方がまるで違う。

入院時に持って行った方が良いもの
下着類は多めに持って行った方が良い。
何故なら「洗濯できない」から。
クレジットカード決済のネット通販も、使える病院と使えない病院があるかもしれない。
使えるのであれば、下着は消耗品として脱いだら捨てるくらいの気構えで良い。

趣味道楽
私の場合は症状が比較的重かったので、本を読む・音楽や落語を聞く気分になったのは退院直前だけだったので、持って行った本はほぼ開かず仕舞いだったが、症状の軽い人は逆に暇を持て余しているようだった。
なんらかの暇つぶし対策はしておいた方が良いと思う。

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病院食
病院によって、かなり当たり外れがあるようだが、私の入院先は大当たりだった。

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温かくあるべきものが、温かい状態で出てくる。
米は粒が輝きいている。

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おかずも塩気は薄いものの、それを出汁の旨味や香り、素材の甘味などで補っており、不味くて咀嚼嚥下に苦労するようなものは、それそのものが嫌いなブロッコリーとカリフラワー以外は現れなかった。

特に感心したのが煮魚焼き魚で、鰤、鮭、鰆、あこう鯛etc...、骨が綺麗さっぱり取り除かれている。
小鯵の南蛮漬けで、骨が歯に触らないどころか「そもそも無い」と言うのは、初めての経験だった。
これが日本の病院食のレベル。 恐れ入った。

どこで感染したか
正直なところ、良く分からない。
職場は一人部署なのでマスクを外しているが、一人部署なのでほとんど会話をすることも無く、昼食もひとり。

通勤以外は公共交通機関を使用せず、休みの日は自転車で移動。
外での飲食もひとり。 騒がしい店には入らない。

秋花粉の所為で、目が痒く、無意識で目を触ってしまったり飛沫以外での感染だったかもしれない。

どこでどうやって、誰からうつるか分からない。

幸いだったのは、初期の段階でかかりつけ医に相談できたこと、かかりつけ医の指示を区の相談窓口に伝えられたこと、症状を言語化出来たこと。
(検査が早く受けられたので、重くなる前に入院出来た。)
体調が悪ければ休める職場を得られたこと。

どこかの分岐で選択肢を誤っていたら、こうして生きていなかったかもしれない危うさ、怖さはある。

・日頃から体調の変化に気を付けておく
・怪しかったら休む、医者に行く
・かかりつけ医を持つ

この3つを教訓としてお伝えして、筆を置くことにする。

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(2021.01.06 記)


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