Symdolick ONE-MAN LIVE 〜 QUINTETTE 〜
良いライブだった。
私の好きだったSymdolickがそこにあった。
「どれくらい埋まるかな」
そんな事を考えていたが、杞憂だった。
開演が迫ると何度かお膝送りのお願い。
冷房の効きも、心なしか悪くなってくる。
客入れBGMの音量が上がって下がって、開演。
セットリスト
いつもとは一寸違う Overture 。
アフリカっぽい打楽器のアレンジが入り、ゴスペルコーラスのオーイングが生で入る。
コーラスの低音がしっかり響き、打楽器の音もヌケが良い。
期待が高まった所で一曲目、「幸せVIOLENCE」。
裏に逃げつつも歌い上げなければならないような難曲だが、事も無げに。
ハコに合わせたオケの出来が良く、歌声もしっかり乗るので、客のボルテージが上がろうが何しようが舞台の上にいる人々が主役であり続ける。
歌声も楽器の音も、粒立って耳に届く。
客がみっしり入って身動きが取りにくい状況。
優先エリアと一般エリアの間に柵があって最前列へ雪崩れ込むのが不可能な状況。
客のブラウン運動。
気体や液体の状態だと不規則に動ける粒子も、固体の状態ではその場で振動するしかない。
ステージに高さがあるので、客が頭上高く光る棒を掲げても、メンバーが見えなくならない。
逆に、光る棒の光が粒となり波となり、前景となって彩りを添える。
Symdolickのライブを見る度に感じていた不満の殆どは「規模」で解決できるものだった事に気付く。
こうなると、ライブを観る/撮るのを妨げる出来事はほぼ起こらない。
押さえで撮る為に付けていたレンズを外し、勝負レンズに付け替える。
久しぶりに
「やってやろうじゃないの」
と言う気持ちになる。
こちらも本気を出さないと、受け止めきれない。
それだけの熱量と圧を感じるライブだった。
普段は5人で演る曲を、3人であったり、2人であったり、歌割りの分量多めで魅せて聴かせる構成。
短めのムービーで息を整えてから新曲の「EGO」を皮切りに4曲、更にはダンスパート。
続けて畳みかけるように5曲。
間繋ぎに時間を使わず、衣装替えもせず、今あるもの/使えるものだけで組み立てて、「今出来る事」の最大限を提示したライブだった。
アンコールでは、振り返りなども含めて長めのMC。
盛りだくさんでありつつダレ場も無く、客においてけ堀を食らわす演出も無く、不愉快な事態も起こらず、久しぶりに集中力を切らさずにライブを観終え、撮り終えることが出来た。
こんな Symdolick が、私は好きだったのだ。
(2024.10.14 記)