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TOKYO IDOL FESTIVAL 2019に於けるきゃわふるTORNADO(8/3)

スカイステージ雑感

エレベーターが混み出すと収拾が付かないと脅かされていたので、早めに屋上へ。
エレベーター乗り場の待機列のところに「アイドル女流写真家No.1決定戦」の作品が展示されているのだけれど、待機列が出来てしまうと見られない。

エレベーターで上に上がってさえしまえば、逃げ場もあるし、西向きの階段に腰掛ければ吹き上がる風が火照った身体を冷やしてもくれる。

エレベーターを降りてからが長い。 階段の傾斜はきつく、高低差もある。 近いようで遠い。
そして、屋上には日差しを遮るものは何もない。

擦れ違う女子の客。 「好きなアイドルに相見えるのに失礼のない服」と言う考え方。
痩せ我慢の美学。 この辺り、男性の客に足りない部分ではないか。

スカイステージ、噂に違わず見晴らしは良い。 東京テレポートは少々邪魔だが、南東に目を移せばゲートブリッジ。 上背のある現代的貨物船群が停泊し、観覧車とビルの間からはスカイツリーも見える。
西側は船の科学館から大井埠頭のキリンの群れ。
太陽と正対するように作られたステージは東京の街を背にするため、昼間の眺望はよろしくないが、日が落ちると街の灯がアクセントになるのだろう。

スピーカーは上手下手に6基ずつ。 モニタースピーカーは足元に4基、左右に1基ずつ。
音場設計は客席後方あたりに最適化されている感じだが、そこから外れても聞きにくいということは無い。

楽屋は上手下手に密閉型テント。 業務用仮設クーラーで冷やされている。
TIFが始まった頃は、このあたりが貧弱だったのだけれど、毎年のように出演者が倒れていれば、学習もするのであろう。

ステージ正面の奥にPAと配信用のテント、櫓の上に中継カメラ。
スポットクーラーが1基設置されていたが、人ではなく、PCを冷やしていた。

客席エリアの上手下手後方では、スタッフが空に向けて霧状に放水。
希望者には直接ぶっ掛けていたが、そうでもしないとやってられない位の日差しと酷暑。

きゃわふるTORNADOの出番までに数組観覧。 俯瞰してみていると、現代のアイドルの楽曲や振り付け、衣装の流行や平均値が見えてくる。
私には、そこから一寸外れたものが面白く感じられる。

きゃわふるTORNADO以外で琴線に触れたのはパクスプエラ。
ステップワンの流れを汲むからか、歌わせ方に高橋麻里の幻影が感じられなくもないが、きっちり歌えている。
ビートルズの「タックスマン」のイントロを援用した曲であったり、悪戯心をスパイスにした丁寧な楽曲。 イントロにフックがあり、耳を持っていかれる。
意匠は統一しつつ個別に誂えた衣装。 くるりと回ると朝顔の花のように開くスカート。
派手さはないが高いレベルで均質なものをアウトプット。

きゃわふるTORNADO(スカイステージ)

まず、上手の端に椅子が置かれ、スタッフの肩を借りた別所佳恋が登場。 ここからオーバーチュア。
いつもの感じで一人ずつ上がってきて、ハンドクラップを促す。

トビキリナミダ
I LOVE YOU. Summer Day
きゃわ騒ぎのやつ

15分枠なので3曲。 「きゃわ騒ぎのやつ」は客を煽る部分を長めにミックスしたもの。
個別自己紹介は無しで、軽いグループ紹介と今日のこの後の予定、明日の出演予定。 今日の特典会予定、特典会のお得情報を手短に。
TIFに出ることが自己目的化しておらず、グループを知ってもらう機会として割り切った構成。
思い出づくりを目的にした行為はすぐに忘れてしまうが、遣りきった行為・行動は、濃密な思い出として強く記憶に残る。
良い攻め方だった。

以下雑感。

分かりやすい看板としての宮瀬しおりが特典会のお得情報を伝えるのも良かった。
撒き餌を撒く係として最適任。

杏斉ゆかは、一つのソロパートに可愛いから力強いまでさまざまな歌い方を盛り込む。

移動できない別所佳恋の肩を、移動してきたメンバーがポンと叩いてアイコンタクト。

別所 → 宮瀬 → 石川とか、杏斉 → 神咲 と言うソロパートの繋ぎでも、歌として成立しているのは成長の証。

「きゃわ騒ぎのやつ」で立ち上がる別所佳恋。 アルプスの少女ハイジの第51話感。

短い尺であり、隔離された場所で過酷な環境、客も長居はしにくいから沢山の人の目に触れるという訳には行かなかったが、前後の演者の客も巻き込んで、楽しい時間は作り出せていたと思う。
TIFを象徴する場所でライブを演ったという「画」は、今後のプロモーションにも活かせる。
初手としては悪くない。


TIF×フジフイルム 「アイドル女流写真家No.1決定戦」優勝決定ステージ

こちらは長くなる(なった)ので、別稿にて。

TIF全国選抜LIVEトークステージ(神咲くるみ・宮瀬しおり)

全国選抜ライブを勝ち抜いたグループから二人ずつ出演、司会の吉田尚記が聞き出し、掘り下げて行く。
この枠の出演はきゃわふるTORNADO(東京)、REBIRTH(福岡)、Re:Clash(名古屋)、feelNEO(岡山)、フルーティー(北海道)。
きゃわふるTORNADOからは神咲と宮瀬。
REBIRTHとRe:Clashが兎に角よく喋り、場数を踏んでいてメディア出演も多いフルーティーがボケたりツッコんだり。
feelNEOも話に入って行くが、きゃわふるTORNADOの二人はほぼ蚊帳の外。
逆に言うと巻き込まれておらず、埋没もしていない。

宮瀬しおりの「聞いている体」の頷き(あまり聞いていない)。
超然としていて、やんごとない「お姫さま感」(かなり贔屓目)。

最後の最後でお鉢が回ってきて、グループの特色や見どころなど。 きっちり説明しつつ、さいごに照れ隠しで「ヘヘッ」と笑ってしまう神咲の癖を突っ込まれたりしていたが最低限の仕事は出来ていた。
これは本人ではなく、大人の責任に係る部分だが、グループのコンセプト(「かわいいの上の『きゃわいい』」云々)の定型文が、こうした場だと冗長に過ぎて聞いて貰えない。

分かりやすく可愛い宮瀬しおりの「(グループの)入り口で出口」「初め私のところに来たお客さんが、別のメンバーに行ってしまう。」と言う、分かりやすい自虐
最後に美味しいところは頂戴していた。
この「ちゃっかり感」も宮瀬しおりの持ち味。

アイドルカラオケバトル2019

きゃわふるTORNADOからは杏斉ゆかが出場。
Kiroroの「笑ってたいんだ」を歌ったが、上位入選はならず。

機械採点による審査であり、杏斉ゆかの出番以外も最初から最後まで見ていたが、採点傾向は掴めなかった。
「如何に正確に歌えているか」と「機械が判定できる技巧」が加点ポイント、譜面からの逸脱が原点ポイントではあるらしい。
「しゃっくり」「こぶし」「フォール」「ビブラート」の4点が、技巧ポイントになっており、譜面を正確になぞった上でオカズが入ると得点が上がるようではあり、優勝した人はこってりした歌い方だった。

杏斉ゆかの採点表がチラリと映ったのだけれど、「表現力」のところに全く加点がなかった。
素直な歌い方だと点が上がりにくいシステムと、杏斉ゆかの歌い方の相性の悪さ。

聴いていた人には伝わる歌であったことは書いておきたい。


総評

TIF初出演ではあったが、憧れの舞台であり、且つ客としては熟知している。
戦う準備はしっかりして臨んでいたと思うし、実際戦えても居たと思う。
しっかり踏み台にして、挑戦しなくても呼んで貰えるグループになって欲しい。

(2019.8.3 記)

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