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S-TOKYO「月いち」

何とも後味悪く、煮え切らぬ気分の夕暮れ。
江戸川橋の交差点まで来たところでふと思いつく。
「本郷台地を迂回して帰るなら、もう少し南下して小伝馬町に寄るのも一興。

神田川縁から日本橋川縁、俎橋から神田警察通り、昭和通りを渡った辺りから路地を縫って小伝馬町、S-TOKYOへ。

寫眞館GELATINの箱庭作品は、店内の青い壁に吊るされていた。
都会の、明るい夜空に浮かぶよう。 添えられたライトの電池が切れ掛かって、またたくように明滅しているのが、偶然の産物ではあるが美しい。

さて、帰るかと思ったところで「2階で公募展もやっていますよ」。
階段を上がると、壁にぐるりと小品。
短評を付けて投票する仕組み。

墜ちた椿の花のその後を撮ったもの、屋外のミストで涼むパートナーと思しき女性を撮ったものが印象に残った。
椿に一票。

「是非、応募もしてくださいね」

さてはて、どうしたものか。

口直しとしては十分以上、良いものを見た。

(2023.06.26 記)

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