見出し画像

スリジエ定期公演(2部)中丸葵生誕祭「スリジエ スマイル 〜感謝〜」

家の用事が早く済んで、御茶ノ水で解放された。
中丸葵生誕祭公演には間に合いそうだったので秋葉原へ。

入場するまでのあれこれは別項スリジエ定期公演を観に行くの記にて。

生誕祭に時間を割く為か、各ユニット2曲ずつ。

候補生
下手に愛川りら、上手に葉月らむ、中央に大神彩。
熊原杏と日向なおが脇を固めて若手を引っ張る布陣。
チームとして綺麗に出来上がっていると思うのだけれど、候補生は候補生なので先々どうなるかは分からない。 誰かが上がっていくのか、虹組のように「持ち上がり」で昇格するのか。
葉月らむの動きの美しさに見入る。 こと振り付けに関しては、全体でも上位に入ると思う。
基本的に左手マイクなのだけれど、右で持つ部分もある。 この繋がりが流れの中で自然で違和感がない。

宙組
全員髪を下ろしてストレート(※茜紬うたはショートボブ)
吉井あずさが何気なくやっていることが分かりにくく高度で面白い。
左右にステップを踏む時に踵を飛ばして浮いている。
148cmの白咲桃は膝下丈になっているスカートが、170cmを超えたらしい石原由梨奈は膝上20cmくらいになっており、伸び盛りの人の衣装製作の難しさを感じた。

虹組
今日は3人。 下手に夏野りん、上手に南希美、中央に桜井音。
スリジエは基礎レッスンをしっかりやっているので危なっかしい動きの人はいないのだけれど、夏野りんの「基礎の叩き込まれ方」は次元が違っていた。
常に爪先重心。 ジャンプしても爪先で飛んで爪先で着地している。
猫足と言うか、非常に柔らかい、怪我をしにくい動き。

風組
パキスタン&ジャパン フレンドシップフェスティバルに風組単独で出たときにも感じたのだけれど、短時日にして「風組らしさ」のようなものが出来上がっていて感心した。
加音・永田、赤嶺・愛葵、野﨑・田中。 強い動きと柔らかい動きで組になっており、バランスが良い。
加音綾那の、強すぎる思いと裏打ちされた技術から来る「こってりした動き」も、上手く溶け込んでいる。
野﨑と加音で高めのツインテール、上手と下手でシンメトリー。
愛葵さくらが若干踵重心で、靴もソールの薄いものだったのが一寸気になった。
くれぐれも怪我の無いように。

星組
成瀬古都がお休み。
体調不良でのお休みから「強い希望」で復帰した青葉桃花。 客には全く危うさを感じさせない。

仲瀬カナタが面白い。 緩急とフェイント、そして残心。 かっちり踊っているようで、しっかりオカズを入れてくる。 やりすぎると怒られてしまうと思うが、全体のバランスを崩さぬ程度に仕掛けて欲しい。 星組は基礎の水準が高いので、多少のことではびくともしないと思う。
星組はいつもの衣装の上から中丸葵の生誕Tシャツを着用し、腰の部分で縛っていた。
菅田音杏のデザインだが、顔だけは中丸本人の筆によるものらしい。
霞もかはスカートの裾がTシャツの裾とほぼ同じで、遠目で見るとロングTシャツしか着ていないようにも見えるてしまい、「本人の意図せざる色気」みたいなものが溢れ出る。

生誕祭本編
まずは候補生と候補生だったことのある人が、候補生ユニットだったメンバーが「フラワー」「ツリー」「オーシャン」「ホライズン」の衣装で。
頭頂部にリボンを付けた野﨑・茜紬・白咲。 これはこれで似合っていなくもないと思うのだけれど、罰ゲームのような表情の茜紬。

加音・仲瀬の並び。 カルピスを原液で飲むような濃さ。

初期星組
菅田、夏野、青葉、森崎、霞で「Dramaticな恋じゃなくていい」
落ちサビは夏野→森崎。
帰省した親戚の子のような夏野りん、いつの間にか菅田音杏の背丈を追い越していた。

初期宙組
吉井あずさが一人で出てきて「diary」
そうなのだ、初期からの宙組は吉井一人になってしまったのだ。
ソロでもきっちり間を持たせて、2コーラス目からは現行宙組メンバーが合流。
過去と現在、そして未来を見せる趣向が、生誕祭全篇に貫かれていた。

次は月組か・・・と思いきや、候補生も含めた全員で「You are No.1 」
舞台が広いからこそ出来ることだが、数の暴力と言うか、見渡しても目が把握しきれない光景。
この公演のみ限定復帰の才川つむぎも、思ったより元気そうで一と安心。
愛踊祭の振り返り、中丸・菅田のオリジナル曲弾き語り、徳守野乃の色を身に付けた田中玲衣奈のの入った「サマーシーサイドストーリー」etc...、やりたいことを可能な限り盛り込み、やりきっていた。

スリジエの「これまで」を振り返りつつ「今」を表現し、「これから」どうなって行きたいのかを提示。

「厳しいだけがリーダーじゃない。」「私らしいリーダーになる。」

そもそもが難しい思春期の女子で且つ、アイドルになろうとする位の野心的な人々を束ねるのに必要なのは、一旦受け止めた上で落とし所に持って行く、どんな答えになっても納得させられる「徳」なのだと思う。

「言葉足らずを直す」と語っていたが、思いを正確に伝えようとする時、それを表す言葉が見つからない場合、見つかるまで探し、見つからない場合は敢えて言葉にはしない。
それが「言葉足らず」に繋がっているのだとしたら、何か別の言葉でお茶を濁すことに較べると、より良いように私には思わる。
古人曰く、「沈黙は金、雄弁は銀」。

中丸葵が言葉を探している間、メンバーも観客もじっと待っていた事が印象に残った。
お為ごかしの「がんばれ」などのガヤが入らない。

美しい沈黙だった。


(2019.08.18 記)


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?