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マイケル・ケンナ写真展「JAPAN / A Love Story 100 Photographs by Michael Kenna 」

会場の代官山ヒルサイドフォーラムは、旧山手通り沿い、デンマーク大使館の向かいで代官山蔦屋書店の隣。
代官山の駅からは300mほど。
人通りは多いが静かな一角にある。

来場者は多いが、一人で来ている人が多く、場内は静謐。
照明も明るすぎず暗すぎず、作品と向き合いやすい。

マイケル・ケンナが日本で撮り歩いた風景や静物などのモノクロ作品、約100点。
一番奥の展示室では、撮影風景や夜の街に繰り出してカラオケスナックで演歌を歌うマイケル・ケンナの病膏肓な姿などを収録した映像作品も上映。

ハッセルブラッドを大型の三脚に据えてじっくり撮る作風。
白と灰色の間の色から黒より黒い黒まで、墨彩五色を地て行く精緻なプリント。

小品中心だが作品に込められた情報量が多く濃いので、来場者が一枚の写真の前に留まる時間は長め。
それでも待っていれば見られる程度の混み具合。

SNSでの拡散を求める但し書き付きだが、館内は撮影自由。
複写するように一点を切り取ろうとする無作法な人も居たが、複写して複写しきれるほど簡単な写真では無いので、それも見越しての撮影自由なのだろう。

点数以上の情報量で、ざっと見ただけで脳味噌が飽和。
私が撮りたいモノクロームの色ではないし、真似をして真似のできる代物ではないが、写真が撮りたくなる写真展ではあった。

(2024.05.03 記)

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