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Shupines ONE MAN LIVE 〜カワイイだけがしゅぴじゃない!〜(2024.04.17)

平日の夜開催だが、無理算段して池袋へ。
積み残した仕事は明日の私がやってくれる(たぶん)。

ステージ最前エリアの「Starチケット」
その後ろの「一般チケット」
客席二段目の「手売りチケット」
の3種になっており、順に入場。


ステージは一段目の腰下くらいでさほど高くないのだけれど、二段目なら見下ろす形になるので後ろからでも全く見えないと言うことは無い。

開場から開演までゆとりをもたれており、開演間際に駆け込んでくる仕事帰りと思しき人々もチラホラ。
逆に自分のお店が水曜定休なので足を運べた人も。
そしてやはり、遣り繰りが付かなかった人も。

用意した手売りチケット200枚が完売しており、実際いつもの人々ではない層が多い。

ワンマンを控えて7週連続で新録の音源がリリースされたので、客入れのBGMも現在のメンバーの歌声のもの。
ワンマンライブまでに打って来た布石が、意外なところで効いている。

手売りチケットでの入場者が、じわりじわりと開演まで増え続る。

BGMの音量が上がって下がって暗転。
定時開演。
オープニングムービーが流され、オーバーチュアに乗って登場。

横音ひな おさげ+巨大リボン
藤乃さや くるっくるな巻き下ろし
葵葉ほのか 中華団子二人前+ウェーブ付きボブ
矢野桜子 するっとストレートなポニーテール
星乃綾夏 巻いたハーフツイン

それぞれのメンバーカラーのヘアアクセが付く。

客席の盛り上がりはいつも以上なのだけれど、音響が良いので量と圧でステージからもたらされるものが常に勝った状態。
体感としての盛り上がりに浸りつつ、耳には聞きたい音が届く。
良い箱でやるライブの有難さ。

2曲演ってMC。
自己紹介の廻しは星乃綾夏。
聞かせる語り口。

揃えるレッスンを重ねているので全体の調和は調和としてありつつ、振り付けの解釈であったり、やるべきことをやった上で挟み込むオカズは刈り込み過ぎていないので、それぞれの人となりも生きている。

横音ひな
その時求められる出力と必ずしも釣り合わない「全力」だった部分が丸くなり、情緒が出て来た。
こうなると動画や静止画として切り取られた際に「アタリの表情」が遺りやすくなる。
媒体を通しても伝わる魅力を獲得できると、訴求できる層も広がる。

矢野桜子
これまで抑えて来た「ギラつき」をちらりと見せる場面が増えた。
見せ場となるソロダンスでも、何かしら仕掛けて来る。
歌の方も、囁くような、囀るような声の可愛らしさと、言葉を伝える確かさの両方を生かした「伝わる歌」に。

藤乃さや
グループとしての成長が、藤乃さやを自由にしてくれており、気負いが出過ぎることはなくなり、良い意味での「軽み」が出ている。
出来たゆとりで「自分をどう見せるか」についてに意識を振り向ける事も出来ていて、止め撥ね払いに神経が行き届いている。

星乃綾夏
照れても、照れて終わらない。
照れで惹き付けた目や耳を、切なげな歌声と表情で堕として行く。
「私を見て!」と言う加圧ではなく、気が付くと目と耳が向く負圧が強く働いている。

葵葉ほのか
歌や振り付けが沁み込んで、考えなくても身体が動くようになった分のゆとりを、客席への目配り、ステージ上でのメンバーとの絡みに振り向けている。
やらなければならない事の外側にある部分で見せる、生き生きとしたわんぱくとお茶目。

技術的な部分だけでなく、それを支える部分にも進化。
全員が「動ける身体」を手に入れているので、爪先重心で立てている。
間合いが測れてすぐに反応できるので、激しく複雑なフォーメーション移動で交錯しそうになっても、ギリギリで見切って体を交わせている。

新録でオケも変わったのだけれど、大きい箱での響きが良くなったように感じる。
気が付いたのは「Cheese!」
オケの音が厚くなっているような気がする。
帰宅してから聞き比べてみたら明らかに違う。
「ファズの効いたベースが走る」と言う奴。

メンバーそれぞれの歌声も厚みを増しているので、バランスをとるための衣替えと言う意味合いもあるのだと思う。

新曲「NOGOOD♡」のMVの前に流された、モノローグを連ねたティザー映像
北十間川の西十間橋から京成橋のあたりで撮られている。
映像の中で着ていた衣装が白系のものから黒系のものに変わり、MV本編へ。(こちらも公開して欲しい)

新曲「NOGOOD♡」は、Shupines本来の「カワイイ」を重音部的に展開したもの。
歪むエレキギターが、ドラムが走り、ベースが唸り、シンセが響く。
賑やかでありつつ、歌声は生かす程の良さ。
それぞれが自分の歌を手に入れつつあり、歌声も厚みを増している今だから出せる楽曲。
唄って踊る部分は、後述する新衣装。 お菓子や果物を手にして遊ぶリップシンク部分は矢野桜子の生誕祭で着た矢野桜子セレクトの服。
矢野は新衣装のデザインにも関わっているので(製作は宮本 美優)、MV全体の衣装コーディネートを担当したことになる。
(ちなみに振り付けも矢野桜子)

MVが終わって、生で NOGOOD♡ 。
新衣装は意匠は統一しつつ、それぞれに合わせてカスタマイズされたもの。
スカートとトップス、ヘアアクセで構成。
(写真は公式より借用)

Shupines
星乃綾夏
藤乃さや
矢野桜子
横音ひな
葵葉ほのか

ヘアアクセは矢野、藤乃、星乃がリボン。
葵葉がヘッドドレス、横音がベレー。

トップスは胴が黒、胸に大きくメンバーカラーのハートマーク。
袖は白のパフスリーブで、肘のあたりのリボンと袖口は黒。
横音、葵葉、矢野はセーラーカラー、藤乃と星乃は丸襟。
横音、葵葉、藤乃は短めの丈でウエストを出し、矢野と星乃はウエストを隠す構造。
トップスの丈だけでなく、スカートの裾のあしらいでも区別がつく。
メンバーそれぞれの美点はどこにあるか、何を見せて何を隠すかについて、よく考えられている。
乱調の中に表現された美が矢野桜子の手癖として感じられたが、矢張りデザインにも関わっていた。

スカートは当世具足の草摺を縅毛で繋いだような構造。
黒を基調にしていて縦長のパーツをメンバーカラーの紐で編み上げたようになっている。
メンバーカラーが寒色だと、花柄を多めに。
暖色だと裾に黒のギャザーやレースが付く。

靴は良く見えなかったが、新しくなったアーティスト写真で確認すると黒い厚底のストラップパンプス。
「この靴でも踊れる」という自信の表れなのだろう。

所謂「黒ゴス」だが、Shupinesの本分である「カワイイ」は多め。
フルーツピールにビターチョコレートをまぶしたような。
マイメロディがあってクロミがあるような感じ。

深掘りしていくと、衣装だけでコラム一本にはなる。

それだけでは済まない。

チャールストン歌謡の佳曲「Bitter Sweet Love」や80年代フレンチガールポップの薫り高い「君と僕の交差点」これらと重音部的アイドルロックの「NOGOOD♡」を無理なく繋ぐ構成に唸る。

本編約一時間。
メンバーが捌けても客電は点かず、アンコールへ。

結婚式の祝辞の長い奴
朝礼の話が長い校長
アルコール発動で自分語りをする手合い

は 死後さばきにあう 訳であるが、今回のShupinesワンマン、アンコールの発動も客の楽しい気分に水を差さず、場を盛り上げて先に進めるものであった。

「楽しい現場にしよう」
そんな意識がやわらかく共有されていて、それぞれの意志で揃う足並み。
無支配/無統制だが、一定の秩序はある。
現場の空気の良さを象徴する出来事。

アンコール1曲目の後、〆のMC・・・かと思いきや、いきなり映像が流されて「重大発表」

・2024年6月、Shupines初のCDリリース
・新曲「あいらびゅ!」
・4/29よりリリースイベント開催
・東京、愛知、宮城、福島 and more

大型連休の身の振り方は決まった。

客も(知らされていなかった)メンバーも驚いた後、2曲演って今度こそ終演。
しゅきです! で始まり、しゅきです! で終わる構成。

兎に角、シレっと出して来るあれこれの内容が無駄に濃い。
おい!ハギモト!! テメェこの・・・ありがとうございます。

このライブを目指して、メンバーも客も進んできたが、ゴールでも着地点でもなく、通過点でありスタート地点でもある。
良い夏になりそうな予感が確信に変わる、素晴らしいライブだった。

セットリスト

オープニングムービー
Ovrerture
01. しゅきです!
02. カラフルチェリー
MC(自己紹介)
03. テトテ
04. Bitter Sweet Love
05. オニオングラタンスープ
06. 泣き虫おもちゃ箱
ティザー映像
07. NOGOOD♡
08. 仰げば尊し
09. 君と僕の交差点
10. Cheese!
11. Happiness
12. DREAMY GO ROUND
13. 星と涙
en1. NOGOOD♡
MC(重大発表)
en2. 星と涙
en3. しゅきです!

(2024.04.20 記)

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