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西澤克見  JOHAN BROOKS 二人展「STREET PHOTOGRAPHY FROM UKRAINE AND TOKYO」

土曜の午後、ギャラリー・ニエプスへ。

空いた頃合いを見計らった積りだったが、大盛況。 様々な言語が飛び交う。
暫くして波も引き、じっくり見る事は出来た。

西澤克見はモノクロのプリント。 私などはつい入れ込んでしまって黒く暗くなってしまうのだけれど、理性的に踏みとどまった黒と灰色。

ウクライナで撮り歩いたものらしい。
諸事多端な彼の国にも「ふつうの暮らし」はあり、北国の鉛色の空の下、野外コンサート、スケートボードに興じる若者、公園には猫。

声を掛けて撮ったスナップが多い。 公園の猫にもそうしたのかどうかは定かでないが、すまし顔を正面から。
写っているのは可愛らしい子供や猫、美しい妙齢の女性、そして「イイ顔のオヤジ」。
それらが混在したカットが面白い。

JOHAN BROOKS はカラーで撮ったストリートスナップ。

手前の生け垣にピントが合った写真。
何故そこに?と目を凝らすと、アウトフォーカスになった部分にキスをする二人がおぼろげに。
徐々にピントを外してパンして行き、画面には fin と出る少し手前。
映画のような写真。

逆さまになった景色の中、画面内の殆どの人物は頭が下になっている中、一人だけ頭を上にした子供は、抱っこ紐から仰向けにのけ反っている。

「決定的瞬間」の系譜に連なる写真だが、敢えて外したようなところもあり、機知に富んでいる。
謎を掛け、クスリと笑わせる。

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(2021.12.09 記)

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