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Shupines定期公演〜しゅぴねすぱれーど 仰げば尊し編~

新曲「仰げば尊し」にちなんで、メンバーが制服を着ての公演。
客の方もトイレで制服に着替えてから入場する人がチラホラ。
流石に制服で押上を徘徊するようなことはしない。

ほぼ定時に開場/開演。

セットリスト

学校シチュエーション寸劇
1. Cheese!
2. テトテ
MC(仰げば尊しコール講座)
3. 仰げば尊し
4. しゅきです!
5. 泣き虫おもちゃ箱
6. 仰げば尊し

オーバーチュア無しで、制服コント的な茶番でスタート。

自前ではなくレンタルだと思われるが、それぞれがそれぞれ「らしい」選択と着こなし。
ツイート引用が仕様変更で出来なくなったので、写真を拝借して貼り付け。


葵葉ほのか

葵葉ほのか きちんとした着こなしでスートの丈も長めのオーソドックスな紺セーラーだが、足元のキャラクターソックスで「悪さ」を演出。
髪型は「栗」


藤乃さや

藤乃さや 襟とスカートが紺の白セーラー着こなしに隙があり、後述するが無自覚な色気。
藤乃さやにしては高めのポニーテール。


星乃綾夏

星乃綾夏 白ブラウスにクリーム色のニットベスト、バーバーリーのノヴァチェックのようなベージュのチェックのスカートとリボンタイ。
サラサラストレート


横音ひな

横音ひな ブルーグレーのワイシャツに太めの紺のネクタイをプレーンノットでゆるく。 スカートは紺と白のギンガムチェック。
細めのおさげ。


矢野桜子

矢野桜子 ゆったりした白のブラウスに、白と紺の斜めストライプのネクタイをセミウィンザーノットで。
スカートは緑と青を基調にしたタータンチェック。
「スコットランドの花」に近い柄だが

The Scottish Register of Tartans(スコットランド・タータン登録局)で調べたが、よく分らず。
ゆるくふわりと巻き下ろし。

同級生で、スカートとブレザーを一旦バラして、ウエストを詰めて縫製し直して着ている剛の者(指定業者の制服ではあるので、校則には違反しないし、生徒指導部の男の先生も、そこまでは見抜けない)が居たが、矢野桜子の着こなしはそれを彷彿とさせるものがあった。

葵葉ほのかは、殊更反抗はしないが、ニコニコしつつも地味に言う事を聞かない、無抵抗非服従なガンジー主義女生徒の厄介さ(着こなしとか髪型は校則に触れないが、指定の白ソックス「だけ」は履かない。)が出ていて面白い。

葵葉ほのかは下に一枚着て、トップスとスカートの隙間が見えないようにしていたが、藤乃さやは無防備。
意図して見せている訳ではないが、細いウエストがちらつく「無自覚な色気」。
更にはホックで留めてから右に90度回すのを忘れていて、ホックが正面にある。
ここにも「無自覚なおもしろ」が発生。
意図しない所でさまざまな物語が自然発生するのが藤乃さや。

横音ひなは「ゆったりしたブルーグレーのワイシャツ」と言うのが先ず良い。 第一ボタンは留めない。
それに合わせるネクタイも、太いものを、プレーンノットで、ゆるく。
ギンガムチェックのスカートは短く。
束縛されない動きやすさ。

星乃綾夏は、或る程度自由で、バリバリな進学校でもヘロヘロな底辺校でもない、ゆったりした私立女子校っぽい感じが良い。
押し出しは強くないが、引きは強い。
主張がない所に主張がある。


チェックの成り立ちや意味、ネクタイの結び方など、調べると横道にそれてからの時間が長く、思いの外時間が掛かってしまった。

1回目の「仰げば尊し」の出だしで、横音ひなが片方の靴を蹴り飛ばすハプニング。
靴の行方を見失ってしまったらしく、履き直そうはせず、もう片方の靴も脱いで後ろに投げていたが、ワロップのステージは前後に狭く、左右にはゆとりがあるので、この場合は袖にブン投げるのが正しい。
このあたり、notallのオリジナルメンバーとか、Symdolickの石川/文瀬あたりは容赦ないが。
踏みそうなところに落ちている事の方が危険なので、思い切ってやった方が良い。

「探さない」「履き直さない」「もう片方も脱いで投げる」の決断を短時間で出来たのは、起こって欲しくないハプニングをリカバーする瞬時の判断を求められる運動部上がりらしい長所。

落ちている靴を見つけた星乃綾夏が、放り投げずに後ろの壁にそっと立てかけていたのが、実に星乃綾夏らしく、微笑ましかった。
(でも、投げた方が良い。)

靴が脱げたのは、つるつるする化繊のソックスを履いていたからでもあり、靴を脱いでその靴下になれば当然滑るのだけれど、持ち歌の中でも最も激しく動く曲で転ばずに踊り通せたのには驚いた。
これは横音ひなが爪先重心で、常に踵は浮いているか、少なくとも荷重は掛かっていない状態にあり、爪先が大地をしっかと掴んだ状態にある。
だから滑った時の初動が爪先と足首で吸収できる。
異世界に転生して、前世で培ったアレコレが活きている。

横音ひなには、更に「履き直した靴の紐がほどける」と言うトラブルが降りかかるが、これは長めの間奏のところで結び直して乗り切る。

「ほどけない結び方」とか「靴が脱げにくい靴下」とか、そのあたりは今後知って行けば良いので、まぁ事故が無くて良かった。

横音ひなの「生で出る一生懸命」がだいぶこなれて来て、華が出て来た。
全体のバランスとしても、それぞれのメンバーの「色」がしっかり出ていて、最初から最後まで楽しい。

これ迄に見た Shupines のライブの中でも、一番笑っていた時間が長かったように思う。

(2023.10.08 記)

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