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青山裕企写真展「schoolgirl's complex (,not schoolgirl complex)」

神保町さくら通りの西のはずれ、北沢書店の裏あたりに出来たギャラリーへ。
青山裕企による schoolgirl's complex の新展開。

ステートメント

今までは「僕のスクールガールに対するコンプレックス(my schoolgirl complex)」を作品にしてきた私が、これからは「スクールガール(女性)たちが抱えているコンプレックス(schoolgirl’s complex)」へと意味を大きく変えて、2022年より新しく制作をはじめました。今後どのように作品が変化・進化してゆくのか、その幕開けとなる撮りおろしの新作を発表いたします。
舞台は、典型的な日本家屋ですべて撮影されました。日本的な背景の中で、日本的なスクールガールたちが群れることによって生み出される情念のようなものを、時にフェティッシュに、時にシュールに切り取っています。女性たち特有の人間関係の複雑さも捉えています。
クローズアップされた顔や身体の一部、傷痕や黒子など、“個性の痕跡”や“女性のコンプレックス”を写真に残すことから見えてくる世界を、私は探ろうとしているのです。
(アーティストステートメントより抜粋)

B1の額装 3点、半切のアクリル 5点、四つ切額装 4点、12×12スクエアアクリル 12点。
青山裕企はアクリルの使い方が巧い。
永遠を閉じ込める、透明な器。

顔が写っていたリ居なかったりするが、カメラは直視せず、表情がはっきり読み取れるカットも無い。
仕組んで撮っておいて陰で笑うような初期の湿った暗さは無い。
少女と言う存在と和解した青山の写真は、相変わらず壮大な悪戯ではありつつ、明るい。

幾何学的に配置された女生徒たちは、ヒトでありモノでもある。
型に嵌めても、抑圧しても出てくるものが「個性」。
揃いの制服を着ても5人寝転んで10本の足が並べば、5通りの個性が出る。

踵の高い靴を履くことが習慣化している足、五本の指で大地を掴むように出来上がった足。
爪の装いも加えられたり、整えるだけだったり。

個としても向き合い、集団とも向き合う。
担任のような視点。

(2023.01.21 記)

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