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朝日ゆきのLAST生誕祭2023

年内でアイドルである事を辞める事を公表している朝日ゆきの(paslil')の、アイドルとして最後の生誕祭。

ワロップアイドルの生誕祭は昼から夕方にかけての枠で行われることが多いのだけれど、今回は夜開催。

見終えてから納得した。 うしろに予定がない時間にやって正解。
朝日ゆきのの「生きざま」を生誕祭と言う形で表すには、時間無制限でやった方が良い。

仕込みを入念にしていることはうかがえるが、段取り通りに進める事には拘らない。paslil' のオリジナル曲で幕開け、都庁の生誕コーナーは朝日ゆきのがやりたかった曲が並ぶ。

「OIDEMASE!! ~極楽~」(FES☆TIVE)
途中からオリジネイターの汐咲玲亜が登場、本家の貫禄とキレを見せるの巻。

年に一度の生誕祭なので、当然ながらソロコーナーは用意されているが、出来が不安だったらしく、さり気なくなかった事にしようとして、メンバーに釘を刺され、不承不承やることに。

歌い出して見ると本人が言う程出来が悪い訳ではない。

「ソロコーナー、やる/やらない」のひと悶着も、朝日ゆきの生き様を見せるドキュメンタリーとして、出し物の一つになっている。

朝日ゆきのが書いたお手紙でも泣かない宮坂舞子が、PA卓のところから見ている、同期の藤乃さや(Shupines)の姿を見て泣く。
何故手紙で泣かずに藤乃で泣くのか?!と抗議しながら自分も泣く朝日ゆきの。

12月の末でアイドルとしてのキャリアに終止符を打つことにした経緯について、「心の折れる出来事があった」と仄めかしつつ、詳細は語らない。
嘘はつかないが、差しさわりのある核心には触れない。

朝日ゆきのは決して器用では無いし、気持ちを言葉にするのも上手くはない。
紀貫之が在原業平を評した
「その心余りて、詞足らず」
溢れる情熱に言葉が追い付かない。
「追いつかないさま」を見せて地団駄を踏む。
その生き様に、人は惹かれる。

予想以上の大入りだったが、それは「ここぞ」と言う時には駆けつける向きが多いことの現れ。

朝日ゆきのは、数として計れる「人気」より、可視化しにくい「人望」に恵まれたアイドルであったように思う。

(2023.12.14 記)

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