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alma新体制お披露目ライブ-reincarnation-

「"生"の音を届けるリアルサウンドグループ」を標榜するアイドルグループ almaに新メンバーとして加入し、仁藤萌乃が4年半ぶり(グループで歌って踊る人としては10年ぶり)に芸能活動再開との事で、お披露目ライブに足を運んでみた。

仁藤萌乃はAKB485期研究生としてのキャリアの振り出しが戸島花のアンダーで、戸島ファンの人から「仁藤も良いですよ」とは聞いていたのだけれど、丁度劇場から足が遠のき始めた時期で(そもそもチケットが当たらない)碌に見ずに終わってしまっていたのであった。

事前告知通り13:20整列開始。
S → A → B の順で、Bの入場が終わったのが13:40頃。

Bは立ち見
SとAは座る事も出来る

SとAはほぼ埋まった感じ。
SとAは椅子が用意されていたが、暗転すると最前列から立ち始め、仕方なくというか何と言うか、徐々に立ち始め、全員立ち上がった頃合いで開演。

振り付けも激しいが、曲の歌いこなし難易度が高く、3曲ごとにMCで息を整える感じ。
ギター、ベース、ドラムの基本構成で作られた曲と、シンセありの曲と、どちらも激し目でありつつ聴かせる楽曲。

メンバーカラーの設定は有りつつ、グループカラーを白に設定し、光る棒は白で振って欲しいとの事前告知はあったが、メンバーカラーとグループカラー両手持ちの人もちらほら。
MCでグループカラーについて言及があって以降はほぼ白に。

客の振舞いとしては、光る棒を振る、掲げるが多く。
振りコピーの人が幾らか居る程度で、当世風に客のガヤを入れる客は皆無。
互いにそれは求めていない感じ。

客の側のニーズを送り手が読み違えているところがあり、声出しやジャンプ、ヘッドバンキングを促しても、タオルを振り回しても、「もっと声が聞きたい」と投げかけても空回り。
後半で漸く、促したハンドクラップが音として聞こえるようになるような、難燃性の高い客。
ここでも4つ叩く人と8つ叩く人が混在。
やりたい事、出来る事、求められている事の切り分けが、送り手の大人に出来ていない。
目当ての人しか来ない主催公演やワンマンライブと、呼ばれて出演する対バンでは、場として求められるものも異なるので、手札として持っていて損はないが、優先順位は低いように感じた。

2ndメンバー多めのひまわり組公演のユニット曲が並んだ感じ。
お飾りの人はおらず、きっちり歌えて踊れる人が揃った上で、個性が滲み出る。
下卑た方向に演出されてしまったので私は足を運ばずに終わったが、SDN48がやろうとしていたのは、この路線なのかもしれない。

一寸気になったのは、アンコールにただ乗りする人の多さ。
声も出さない、手も叩かない、スマートフォンが其処此処で、蛍のように光る。
送り手の熱量が、受け手の心に響いていない、届いていない事を象徴しているように感じた。
アイドルのライブの定型をなぞって予定調和のアンコールありきでセットリストを組んだ事で発生したダレ場。

仁藤萌乃は、戸島のファンの人が太鼓判を押していたのを10数年を経て実感。
やるべきことをきっちりやって、反復でその質と精度を高めて行く種類の人。
動きの起点と終点が正確で、その中での止め、撥ね、払いにニュアンスを乗せる。
掲げた手を、すっと力を抜いて下げる動き、前後に出し入れする振りの手首の返しが美しい。 身体が流れない。
求められる役割は果たして、前に出る部分は前に出つつ、オリジナルメンバーを立てて悪目立ちはしない。
兎に角楽曲の歌いこなし難易度が高いので、最後の一曲のソロパートで歌い損ねる場面はあったが、瑕疵はそれくらい。 歌声には張りがあり、伸びやかで厭味も臭みも無い。
10年ぶりにこうした仕事をする人とは思えない、高いレベルで安定したライブだった。

この先のスケジュールを見ると、私が普段見に行っているグループの出るような対バンライブも多い。
機会を見つけて定点観測して行きたい。

(2023.08.15 記)

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