佐田茉莉子×マキエマキ写真展「短夜の夢」
プレステージ写真展の下の階での開催。
みっちり遮光したあちらとは対照的に、外光を取り入れた明るい展示。
薬局の店頭で見た強壮剤のポスターから抜け出たような、額に水中眼鏡、海女装束に赤フン。
「Aライン」より「アッパッパ」と呼びたくなる夏のワンピース。
親世代が着ていたようなワンピース水着。
「例の」貝殻水着etc...
衣装もロケーションも「解っている人」であるマキエマキが撮っているので、写真の中にある昭和的な物に「取って付けた」ようなものにならない。
ドアノブやガラスなど、調度に現代が入ってしまうこともあるが、大枠がしっかりしているので些末な部分はノイズにもならない。
湿り気はありつつ、からりと明るくもある。
何かの行為を想起させるポーズも、仄めかしに留まる。
やらされてる感皆無、自己決定権の行使としてのエロス(とタナトス)。
生々しくはあるが、適度に軽い。 私好みの匙加減。
クラウドファウンディングとしては大成功に終わりつつも、木戸銭は設定する。
この500円を取っても取らなくても写真展として成立するかもしれないが、それを敢えて頂く事で不幸な出会いを防ぐことは出来るし、お金を払う人の存在が可視化される事が、次の企画の切っ掛けにも支えにもなる。
来場者が散財したくなるような物販コーナーの充実ぶりも含めて、良く出来ていた。
(2023.01.30 記)
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