見出し画像

本牧で、迷って良かった。

(あぁ…まいった…)

(全く場所が分からん…)

本牧。

む、難しい…

なんとか、お客様との打ち合わせは終わったものの、駅に着かない。

(あぁ、部長がケチって、タクシー認めてくれないからなぁ…)


土曜日の昼下がり。
突然、仕事が入ってきた。


(あっちが大通り、か?)


(ここは、どこだ・・・)


(それにしも・・・
 腹、減った・・・)

(よしっ、店を探そう)

(大通りまで行けば、何かあるだろう)


ん???

おっ!!!
こんな所にトンカツ!!!

気付いたオレを褒めてあげたい。

いい。
小さいけど、たぶん、いい店だ。
オレのカンがそう言っている。


ガラガラ。

「いらっしゃぃっ!」

「どうも」

「好きなお席、どうぞぉ!」

(おぉ。三元豚か...
 ここはやっぱり、ロースだろう)

「すみません。
 ロースのトンカツ定食を」

「はーい。少々お待ちください」

(う~ん・・・
 待ち遠しい・・・)


どことなく、沖縄を感じさせる店内。
店主もどことなく、沖縄の方っぽい。
笑顔が、ものすごく人懐っこい感じで、いい。

「はーい、お待ちどうさま。
 ロースカツ定食でーす」

(おぉ・・・)

衣は薄め。肉厚。そして、ほんのりピンク。
脂身は少なめ。年寄りにはちょうどいい。

噛むと、肉が口いっぱいに主張してくる! ウ、ウマい!

さぁて、まずは塩で。

サクッ。

ウマい。しみじみウマい。
お肉も柔らかい。

肉自体にはあまり塩気がない。
だから、「肉喰ってるぅ」って感じがハンパない。

いい。

衣がはがれちゃうのはご愛敬か。

う~ん。
なんか、モリモリ食べる感じだ。

肉だ、肉。

元気、出てきたぁ!


「あのぉ、駅へはどう行ったら…」

「あ、この辺の人じゃないの?
 よく来たね。こんなところ。
 一番近くの山手駅へは、あまりバスがないから、
 大通りに出て、
 少し先の、石川町とか横浜まで行っちゃうのがいいじゃないかな?」

「そうですか。
 ありがとうございます。
 おいしかったです」

「ありがとうございました!」


いやぁ、食った、食った。
偶然見つけたにしては、大正解だった。

また、来たいけど・・・
場所が分からん・・・

まぁ、
きっと、そのうち、縁があるだろ。

しかし・・・
こんな腹パンで、バスは乗れないなぁ...

ん?
あんな所に角打ちが!

じゃ、ちょっと、キュッとするか。
もう、今日は仕事仕舞いでいいだろう。

土曜日、頑張ったよ、オレ。

いいなぁ、本牧。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。 これからも、よろしくお願いしますっ!