岡野大嗣

短歌をつくっています/写メでしか見てないけれどきみの犬はきみを残して死なないでほしい/…

岡野大嗣

短歌をつくっています/写メでしか見てないけれどきみの犬はきみを残して死なないでほしい/二回目で気づく仕草のある映画みたいに一回目を生きたいよ 歌集「サイレンと犀」と、共著歌集「玄関の覗き穴から差してくる光のように生まれたはずだ」が発売中。

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「サイレンと犀」に寄せて/吉田奈波

話は変わって今年の夏は暑くなさそう あい変わらず季節に敏感にいたい 東京/くるり(作詞・作曲/岸田繁) 空気の汚れた都会の方が、塵一つないアフリカの空よりも、夕焼けの色はきれいらしい。空気中の塵などに光が反射しやすいからだそうだ。十四歳の頃の私はそれを聞いて嬉しくなった。私の見ている空は間違いじゃなかった、美しいと感じてよいものだったのだ、と。中途半端な都会で暮らす後ろめたさがそこにはあった。 当時の私は、大人になりたくなかった。とにかく十五歳になりたくなかった。本気で時間

    「サイレンと犀」に寄せて/吉田奈波