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困った時は流れに任せて神頼み


翌日、朝早く熊本市内のホテルを出発し、「そこ」へ向かった。

「そこ」は市内から車で約1時間半ほどの場所で
高速はやたらとトンネルが多いところだった。

熊本自体初めて行くところだったし
「そこ」は山に囲まれたまるで昔話にでも出てくるようなところだった。

事前の調査で(笑)温泉がとても多かったから
朝から入れるとこを探しておいた。

目的の温泉に着く。
暖簾をくぐるとそこは別世界だった。

まるでわたしが子どもに還ったようなめっちゃ濃い「昭和」の銭湯。

竹で編んだ脱衣カゴ。
座って頭にパカっとするドライヤー←伝わるかな〜
「贈 〇〇」と書かれた大きな鏡

コインロッカーとか無くて
「え?貴重品どうするの?」
って感じで。。。

浴室に入ってさらに驚いた。

浴槽が真ん中にどどん!!!とあるだけで
洗い場にシャワーもいすもなく。
いや、かろうじて水とお湯が出る蛇口はある。

どうやって頭洗ったりするんだろう。


しばらくポカンとしていると
後から来たおばあちゃんが慣れた様子で浴槽から
おけでお湯を汲み、頭を洗い出した。

ああ、そうやって「直」に洗うのね。

真似して一通り洗ってお湯に浸かる。

温泉はトロトロして、とても良い温泉だった。

そんなこんなで約束の時間
電話をくれた人が町長と共にやってきた。

食事をしながら今までやってきたことなど
質問される。
「食」に関する考えとか「健康」に関することとか
町長はとても話しやすく氣配りの出来る方だった。


町長に「Vegan」の話をすると
「そんなに大豆が好きなら、、」と
隣のテーブルにやってきた若い女性を紹介してくれた。

「彼女も関東からここに農業をしに来たんだよ」

それが、のちにわたしにとっての救世主の一人となる
「Hちゃん」との出会いだった。


食事を終えると町長と別れ、電話をくれた「Aさん」に
町の中を案内してもらう。

「行ってみたいところはありますか?」

と聞かれ

「以前、お電話で話した時に
「空き家はいくらでもあるから」
とおっしゃってましたね、
例えばどんなところか、今ある空き家を見せて欲しいです」

そういうと

「突然なので中は見られませんが
近くに一軒ありますのでそこをご案内します。」

車で5分ほど行った住宅地の一角に
その家はあった。

日当たりの良い平屋の一戸建て。
目の前には芝生の庭が広がり
庭の周りに様々な果樹が植えてあり
一角は家庭菜園で野菜が植えてあった。

まさに、わたしが思い描いていた理想の家そのものだった。


心の中でめっちゃ興奮しながら

やっぱり、ここに来い!ってことなんだ!
偶然に見せかけて必然的に動かされていくってことだよね!

この展開にワクワクしつつも
翌日は予定通り福岡市内で訪問する自治体があったので
返事は保留のまま、「そこ」を出て
今日のホテルに向かった。

5日目の町はとても素敵なところだったけれど
地域おこし協力隊のメンバーは若い人が多く
「大学のサークル」のようなノリに
付いていけなさそうだったわたしは
早々にこちらを後にした。


午後、Aさんに電話する。

A「昨日はありがとうございました。
町長から話があって、
「こんなに素晴らしい人にはぜひ来てもらいたい」
と、なので、うちに来られる意思がございましたら
正式に面接をしたいと思います。
往復の交通費は出ませんが、宿泊代が出ますのでまた
こちらに来てもらえませんか?」

わたし「ありがとうございます。
実はまだ、九州にいるので出来れば明日か明後日にでも
面接をしてもらえると助かります。」

A「明日は無理ですが、なんとかしてみます。」

その後、電話が来て明後日に面接をすることになった。

一応、旅先なので

※スーツなどは持っていないこと
※サンダルしかないこと。

を話しておいた。


のちのちAさんはこの時のことを振り返り
わたしに言った。

「あの時はすげー困ったよ。
町長と副町長と課長のスケジュールを
都合合わせて、やっとなんとかしたんだよね」

この時のことが原因なのか
なぜか接点のない副町長にはめちゃくちゃ嫌われていたらしい。
(一回だけ話しすることがあったのだが
なんか知らんが嫌味をタラタラ言われた。笑)

宿泊代が出たので、その日は帰らずに
鹿児島の温泉ホテルに泊まった。

わたしの大好きな温泉がいっぱいある九州が
好きになり始めていた。。。







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