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「文化の違い」はどこまで許されるか、モロッコとトルコのルームメイト

私が住んでいるシェアハウスの2階の一室は2人部屋で、モロッコ出身の子とトルコの子(オランダで生まれ育ったが、両親はトルコからの移民で彼女もトルコのアイデンティティを大切にしている感じがする)が先学期から一緒に住んでいる。

二人ともあと数日で帰国するのだが、ここ2, 3週間ほど関係がギクシャクしているようだ。私はトルコの子とよく話し、彼女は普段からいいことも悪いことも色々とシェアしてくれる。そして、少し前モロッコの子との関係がうまくいっていないことを教えてくれた。

当初は帰国の際に、その子と一緒に韓国からタイを旅行してそれぞれの国に帰る予定だったようだ。トルコの子は本当は数日遅くタイに行った方がチケットが安いか何かだったが、モロッコの子が自分の国で用事があるらしく、トルコの子が合わせた。そこまでは良かったのだが、モロッコの子がなかなか航空券を予約しない。「明日とる」「お金を口座に入れるまでちょっと待って」ということが続いた。そして、トルコの子がすでにチケットの目星を付けて買おうとしていたころに、モロッコの子が「私、やっぱりもう少し遅く韓国を発つ」と言ったらしい。

その急な変更にトルコの子が驚いた。詳しくは知らないし、私はトルコの子からしか話を聞いていないから、その子の視点しか分からないのだが、「どうして急にスケジュールを変えるの?待っていたのに、I think that's wired. (それってなんかおかしいよ)」といったことを伝えたらしい。そうしたら、「Why? Why wired? (なんで?なにがおかしいの?)」との返答があった。それ以来、お互い口をきかない状態が続いた。

トルコの子はその子について「disappointed (がっかりした)」と語っていた。これまでルームメイトとしていい思い出も沢山つくってきた分、こんな形で関係を終わらせたくない、でもどうしたらいいのか分からないとも言った。さらに話を聞くと、モロッコの子には以前からいわゆる自己中心的なところがあり、これまでも違和感を感じていたらしい。(「She behaves like a princess. (プリンセスみたいに振る舞う)」と語っていた。)

その場で一緒に話を聞いていた、別の韓国人のルームメイト(シェアハウスメイト?)が「それって文化の違い?」と聞いた。私は「Cultural difference can not be an excuse. (文化の違いだからって、それは言い訳にならないよ。)」とついコメントしてしまったのだが、どうなのだろう。
これは文化の違いだろうか。自分よりも他人を優先することがよしとされる日本の文化が決してグローバルスタンダードではないし、むしろ少数派だろうとは思っているが、モロッコの子の場合はどう考えればいいのか。その子の自己中心的(に見える)な言動はそもそも、文化的なものなのか。仮にそうであったとしても、それを文化の違いだと一括りにしてどこまで許容していいのか。

渦中にいない私はこの出来事をどう解釈していいものか、ここしばらく考えている。

(その後、このルームメイトは再び会話するようになり、私は一安心した。と思ったら、数日前また一波乱あったようだ。)


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