オカルトを語りたい - 02.

私自身、霊感というのは全く無い。
なので人から聞いた不思議なお話を綴ろうと思う。

私が小学生の頃、恥ずかしながら両親が大きな借金を負った事がある。
父が半ば詐欺に遭うような形で負ったものだった。
そんな苦しい状況の中、母方の祖父が亡くなった。
1月の末、北海道では最も寒い時期に入る頃だ。
ある日の夜、父の夢に母方の祖父が出てきたという。

『〇子(母の名前)を頼むな』

その言葉を聞いた父がハッとして目を覚ました直後、電話が鳴った。
容体急変の知らせだった。

祖父の死から間もなく、今度は母の夢に祖父が出てきたという。
その頃、父が自棄になりがちになった事や借金の額が大きすぎる事から、母はいっそのこと一家心中してしまった方が楽なのではと思っていたという。
そんな母を心配したのだろう。
祖父は夢の中で母に、『苦しいか? もうすぐ良くなるからな』と言って、抱きしめてくれたという。
その感触を、母は忘れられないそうだ。
すごくリアルな感覚で、恐らくそれは夢ではなく本当に祖父が抱きしめてくれたのではないかと、母は言う。

祖父が言ってくれたように、それからは少しずつ生活が楽になった。
すぐに借金は減らなかったけれど、絶望的な状況は抜け出したのだ。
以来、祖父が夢に出てきた事は無いそうだ。

そんな、祖父に関する不思議なお話。

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