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静心のあれそれのーと:第5回「ARIA」

 こんにちは、静心と申します。
 今回は『ARIA』という漫画について、紹介する記事を書かせて頂きます。

書籍情報

 天野こずえ 先生作、(株)マッグガーデンから発行されている、全12巻の漫画です。2016年から発行された『ARIA 完全版』(全7巻)には、ARIAの前身である『AQUA』も収録されています。

あらすじ

 物語の舞台になるのは、テラフォーミングによって水の星となったかつての火星、AQUAアクア。そのアクアにあるネオ・ヴェネツィアという街で一人前の水先案内人ウンディーネになるため、地球からやってきた水無灯里という女の子が主人公の1人です。

 ネオ・ヴェネツィアでの日常風景や、一人前の水先案内人になる為に仲間と奮励するさまが描かれています。
 ARIAだけ読んでも問題はないと思いますが、AQUAには灯里さんがARIAカンパニーに入社するまでの話や、半人前への昇格試験も収録されているので、ぜひAQUAの方も読んで欲しいですね。


紹介と自分語り

 私はですね、この漫画が本当に大好きなんですよ……。ほぼ初めて読んだ漫画と言って差し支えないのもあり、思い入れのある作品です。天野先生の絵も凄い好きで、昔の絵は天野先生に結構影響を受けていたように思います。

 この漫画は、全編通して優しくて柔らかい雰囲気に包まれており、読んでいる間、ふと笑顔を浮かべてしまうようなシーンが沢山描かれています。
 それはひとえに、キャラクターの一人一人が皆優しい人だからこそ、生まれる雰囲気なんだろうと思います。

 そんな優しい日常風景も勿論魅力ではありますが、一人前の水先案内人になるための青春の日々も、本当に素敵な作品です。

 灯里さんと共に一人前の水先案内人を目指す2人、藍華さんとアリスさん。3人は年齢も違えばそれぞれ別の会社に所属していますが、色々な縁があって合同練習をする仲です。素直で何でも楽しんでしまう灯里さん、学業と両立しながら頑張っているアリスさん、そんな2人を纏めている藍華さん。
 お互いに刺激を受けながら高みを目指す姿が眩しいんですよね……。

 3人と先輩達の関係も本当に素敵で……。それぞれがお互いのことを大切に思ったり尊敬しているのがよく伝わります。1人が困っている時に、当たり前のように皆が一生懸命になってくれる所。本当に優しい話なんだよな。
 12巻の58話と59話を初めて読んだ時、滅茶苦茶号泣してしまったんですよね。人生で初めて漫画を読んで泣くという経験をしました。優しい話が描かれる中で、登場人物の信頼関係や行動原理も丁寧に描かれているからこそ、キャラクターの流す涙に共感してもらい泣きが出来るんだろうなと思いました。

 ARIAのもう一つの魅力だと思っているのが、時折描かれる少し不思議な話です。ネオ・ヴェネツィアに伝わる七不思議や猫妖精ケット・シーを交えたものですが、気付かないうちに日常から非日常に移り変わる描写が少し怖いです。


 ARIAの話をする時に、ジャンルを何と説明すればいいのかいつも迷います。未来の話であるということや七不思議の話に焦点を当てればファンタジー漫画になるだろうし、一人前の水先案内人になるまでの道のりに当てるならスポ根漫画とも言えなくもないでしょう。漫画の大部分は何でもない日常的な話で構成されているように思いますし……。
 マックガーデン社さんの紹介文である『空と海と風と癒しの物語』『未来系ヒーリングコミック』というのが一番ARIAを表しているんだろうなと思います。

終わりに

 大好きな作品の話ができて本当に良かったー! 皆にも是非ARIAを読んで欲しいので、私のこの記事がその一助になれば嬉しいです。単行本の1巻が発売された日から数えれば、もう20年近く前の作品になりますが、色褪せない良さがあると思います。
 ご覧いただきありがとうございました。静心でした。 


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