おたまじゃくしとのおうち時間
春のある日、人知れず、
池におたまじゃくしがあらわれた。
せっかくだ、
バケツで15匹ほどすくい、持ち帰った。
何日かすると、成長の早い個体は、後ろ足が生え始めた。
おたまじゃくしはかえるの子。
両生類は、水と陸の両方が必要。
新しいおうちを作りに行かねば。
再び、池に行った。
陸地にするための材料を探す。
ちょうどよい切り株の樹皮を足でめくった。
すると、言葉を失った。
アリさんの小さな白い卵たちが三密。
働きアリさんたちは四方に散らばり、急いで卵を避難させる。
樹皮をちぎり、池の水でよく洗い流す。
あとは、腐りかけの落ち葉も少々お持ち帰り。
共生型ハウスのできあがり。
前足が生えるころには、お口のかたちも
大分かえるっぽくなってきた。
あかちゃんかえるたちは、
普段は、木や落ち葉の上でかえるポーズをしたまま佇んだり、
壁をよじのぼったりして過ごしている。
たぶん品種はヒキガエル。
何匹かはおすそわけし、そして、池に返した。
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