ライブに行って自分と向き合った結果感じたことつらつら

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自分がいかに物事を敏感に感じとっちゃうのか、そしていかに先が読めないか
ということを感じちゃいました。その感情の一部をつらつら、思うままに書きました。

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• 距離

久しぶりに音楽のライブに行った。
ライブというのは不思議なもので、距離が物理的にも心理的にも近くなる。
他人だとわかってて、でも聞きに行っちゃって、もうなんか他人という気がしないよ。データで数値を見たわけじゃないけど、心の距離が近かったってだけでライブに行こう！って思って抽選当ててしかもちょっと自分的に嬉しい席を取ることができた。楽曲が好きってだけで求心力がえぐいぜ兄さんたちよ。

グッズの売り上げもものすごかったんだろうなあ、そのお金で素敵な暮らしをされてるんだろうなあとか急に余計なことを思った。一方虜になったこっちはお金が財布から羽ばたき、羽音が止まず。やめようよ自分、買ったってご本人たちと何か近付くわけでもあるまいと思ったが、ヒートアップしている自分にそんな制止がきくものか。いっぱい買ってきた。あー羨ましいぜ、これだけの人を虜にしてるなんて。

• 他人なのに詳しい

どうして自分がそのアーティストさんのことをこれだけよく知っているのか。それは感情の動きの機敏さが、自分とちょっと近かったからみたいだ。ライブに行ってわかった。そうだ、楽曲は自分の心の居場所のなかったときに心に作ってもらった場所だった。この楽曲たちのおかげで楽になれた。不思議なことだ、目に見えないものが心の支えになるって本当にあることなんだね。

仕事していると気には向き合っていられないような自分の不器用さ、人と関わるのが苦手でずっと見つめ続けた不器用な自分が、ライブに浸る中で細やかに思い出された。ありがたかった。自分の取説は忘れて済むもんじゃないからね、私が私でいる限りは。
自分は変人であるという自覚が私の人生にはある。社会性が育つ時期に刷り込まれてしまった。でも、彼らも私が自分を「変人」と認識した理由と近い生きづらさを持っている、もしくはいたようだ。私は、お互い何とかやってるよねって一方的に思った。まあもう1番きつい時期はすぎており、今はあの味を真っ直ぐには出せないのではないかとも思うが。

• 歌詞

ほとんどの楽曲の些細な歌詞まで、私も8割は歌えた（正確には自分の声が出ていなかったのでほぼ口パク状態だったと思われる）。
それにしても歌詞の描き方が見事だ。一旦自分の外に出ないと、いや、想像力を相当働かせないとこんな表現はできまい。そんな歌詞たちが1番私の味方だ。その歌詞抜きにはこんなに没頭していなかったんだろうなあ。

私はつくづく、自分の言葉で思ったことを表現することが苦手であると感じる。彼らと私の1番大きな違いはおそらくそこだ（見た目ではないことを祈る）。私が昔から溜まった感情を吐き出すのに使っていたのが、他の方が描いた歌だった。私はどんな歌でも歌声を吐けば感情を発散させられる。逆に自分にはなかなか想像できない状況を描いた曲は想像しすぎて歌えなかったこともある。歌詞を敏感に感じている自分にとって、彼らの曲は呼吸器みたいだった。歌を歌うことで自分の心は呼吸ができていたが、彼らの曲を聴いたことで気管支の奥にまで、隅々にまで酸素が巡るようになった。歌うことでさらに。だから私が生きるのには彼らの楽曲が必要となってしまうのだろう。

生身の彼らが繰り出す言葉の澱みなさは、歌詞に本心がこもっていることを感じさせるほど勢いに激っていた。

帰りながら彼らの楽曲をひたすら聴いて帰った。とても長い道のりなのに、他のラジオや音楽が一切いらなくて自分で自分にまいった。Spotifyの無料で使える時間、もうすぐ尽くんじゃないかな。
夜の情景を見ながら、楽曲の情景が重なっていた。何度も思い出しては泣きかけるけど帰り道だから理性を取り戻した。一部楽曲のオフボーカルヴァージョンも聴いた。まいった。曲調に感情の起伏がもうすでに詰まっていた。浸れてしまった。泣きたかった。涙が出て来なくて辛かった。

• 冷静な自分もいる

たったの二時間のためにかけた労力と時間はきっと相当だ。
バカなくらいかけている。
別にそれがなくとも私は生きられる。ご飯は食べられるし、楽しいことはある。
ならライブ行くなよ、って思う自分がいる。一方的な依存であるのはおそらく間違いない。

だけど行ってきてしまったわけだし、楽しかったことは間違いないんだ。なのでもう前向きに考えるしかないし、出ていったお金は取り戻せない。何せ、自分の地元にはきてくれないから初めての場所を訪れたんだけど、すごくいい場所だった。この景色を見るために来れたのかもしれないって思えるくらいに。旅行に行くきっかけには確実になるのだ。それほど遠くでも参加したい、参加させてくれって思わされてるんだからすごいな。土地のものたくさん楽しんだ。

• まだいるモンスター

いいなあ…。私もあなたたちみたいになりたいよって叫ぶ自分は相変わらず私の中に住んでいる。そいつが何をしてくれたら喜んで自分の腹をあけ渡してくるのか、こんなくだらないことをもう人生の年数分考えている。アーティストさんに羨ましいと思う心があるから、自分はアーティストにならなきゃって思ってたけど、自分の持って生まれた才能的に歌詞は下手だし下手な部分を周りに補ってもらうよう手筈を整えるのはもっと下手だった。今の職業は正直なれると思わなかったくらい素敵で憧れがあって、なれると思っていなかったので、なれてとても嬉しい。アーティストにはなれそうもない。


諦めがつき始めたというより、現実的に結果が出せる今の世界で生きていくことに私は楽しみを感じ始めた。嫌じゃないんだ。というより楽しいんだ、この仕事が。
芸能界にも多くの人がいて、アーティストは特に目立つけど、裏方の世界でも名匠ってものすごくいる。アーティストのスポットライトの浴び方って特異だよね。人に光を浴びせることでお金にする人たちがいる。だから芸能界と私の生きていこうとする世界は、同じようには輝いて見えないんだと徐々に体感してきた。光が当たらないと一流じゃないのかなんて言ったらそんなわけないんだよ。心のどこかでは知ってたけど受け入れてこれなかったことを、ようやく飲み込めてきた。知らなかった人だって、かっこいい人はたくさんいて、そういう人のことはかっこいいって思えたんだ。自分の生きていく世界で腕ききの人間になれたら、私は堂々と胸を張れるって思う。マインドはこのまま、自分のやり方を確立させていけたら一つかっこいいじゃないか。

• 近くにいたい

ライブ中に目が合った気がした。絶対に気のせいである。人数比がバカみたいにおかしい。当たり前だけど一対一にはなりきれない。相手は私のことを知らないんだから。どんなに私が相手に詳しくなったって相手の人生に私が関われるチャンスはあるかないか。寂しいなあ。でも、私が満面の笑みで相手を見てたらニカっとしてくれた、気がした。気がしただけだと思うけどいい。なんか嬉しかった気がするから。同じ曲で一体になれたから多分もういい。私も同じ世界線で働けたら良かったけど出会ったとて通行人Aみたいなものだろう。
相手が私の好きな歌を歌ってくれて、私がそれを楽しめるのはこの方法で会う以外にないんだ、普段はどう考えても赤の他人だ。赤の他人って遠いような気がするけど実は多分それが1番いい距離感なんだろうな。だってまじで関係ない人だから。。。こちらはただ一方的にご無沙汰してるマンなのだから。