超短：ゴミ拾いしているおじさん

選挙の喧噪が去って、ほっとしていた。政治に特に興味も無いし期待もしていない。それでもなんとなく一票を投じたけど、それが良かったのかどうかは分かっていない。今日、道でゴミ拾いをしているおじさんを見つけた。なんとなくご苦労様ですと小声で言って会釈すると、おじさんは腰を起こし、いえいえと笑顔で言った。その顔に見覚えがあった。この間の選挙で落ちたおじさんだ。何党だったかもよく知らないけど、若い方が当選したのは知っている。ゴミ拾いしているからって次の選挙で入れてやろうとは思わないけど、笑顔で返事をしたことは好感が持てた。