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楽屋噺と客席話


 関西には、楽屋ばなしというテレビ番組があり、ずいぶん人気があるそうだ。帰省して何度か観たことがあるけど、楽屋噺というエンターテイメントで、純粋な意味での楽屋話ではない。
 そもそも、客は楽屋の様子や客に言いにくい現実を聞いておもしろいのだろうか。落語家になり方、入門エピソードは、落語をかなり知っている人にしか面白くない。
 動物園のバックヤードツアーは、表の動物園を散々見た人が裏も見てみたいからあるのだろう。初めて動物園に来て、バックヤードから見ても面白くない。
 落語は、動物園以上に「表」を見ている人が少ない。まず表を楽しませてからバックヤードなのに、誰でも見られる動画サイトに、寄席の楽屋話や映像が多い。おそらく楽しんでいるのは、すでに寄席や落語、講談に詳しい人たちだろう。もしくは、芸人が一番面白がっている。あと、芸人が面白がる「モノ」を面白いとするベテランの客。
 さて、客席。初めて落語を寄席に見に来た人がいる。開演前から三味線とか太鼓の音楽が流れている、あれこれはオクラホマミクサの音楽だなぁ。高齢者が多いなぁ、まあ平日の昼間にこんな所に来られるのは高齢者くらいだもんな。音楽がなんだかおどろおどろしい笛になったぞ。火の用心のときの拍子木みたいな音がして、幕が開き始めた。若い落語家さんだな、面白くないなぁ・・・
 なんて人に、寄席を最後まで見て面白かったと思わせるための、知識や面白がり方を教えて欲しいな。そんなモノあるかなぁ。

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