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眠れない夜がどうしようもなく怖かった時の話


突然だが、私の小さい頃の1番大きな悩みは、「眠れないこと」だった。


不眠症というわけではない。
眠れない夜がトラウマで、寝なきゃ寝なきゃと、なおさら眠れなくなっていた。


小さい頃の私には、眠れない夜を楽しく過ごすような道具も知識もない。
ただじっと、暗闇の中で、眠りに落ちるのを待つしかなかった。
そうするしかないと思っていた。

隣で眠っている家族は、もう別の世界に行ってしまった。私も早くそっちに行かないと。
自分だけが世界に取り残されることが、本当に怖かった。

だからいつも早い時間にベッドに入った。
早く寝ないと、親が先に寝てしまうというプレッシャーで、余計に眠れなかった。


お恥ずかしながら、中学3年生まで、自分の部屋で寝ることはできなかった。
中学に上がるころだったか、子供部屋に一度ベッドを動かしたが、
私があまりにも「眠れない、どうしよう」と親を困らせるので出戻った。


中学生にもなれば、周りの友達はみんな自分の部屋で寝ている。
私は当時、自分はおかしいのかと本気で思っていた。
いつまでも小さい子のように、眠れないと泣き続けるのだろうか。
この先もずっと一人で寝られないままなのだろうか。
心から自分のことを心配していたのである。



けれど今、私は眠れなくても平気だ。

そりゃそうだろって感じかもしれないけど、
あの頃絶対に無理だと思っていたことが、今はしれっとできちゃっている。
凄いことじゃないか。

こうやって、人とは違うペースでも、
ひとつずつ大丈夫になっていくんだよな。


私の今の悩みは何だろう。

やることが多いと慌てる。
すぐ人に聞いてしまう。
だらしない。山ほどあるな。


1人暮らしをしてから、
できないことに挑まなきゃならない機会が多くて、
イライラしたり涙が出たりすることもあるけど。

でも、大丈夫。
今はできなくても、周りより遅れをとって焦っても、いつかしれっとできるようになる時が来るはずだ。

ちょっとずつ、できる範囲で頑張っていこう。

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