【言葉】痛みを知る人は 強さを身につけて 立ち直れる 【写真家 レネ・マリー・フォッセン】

NHK『ドキュランドへようこそ選』(20201年9月10日放送)
『セルフポートレートー拒食症を生きるー』より

写真家 レネ・マリー・フォッセンの言葉

子どものころ 時を止めたかった
過ぎ去るのが惜しくて
大人になりたくなかった
でも 写真を撮れば
時を止められると気がついた
いとおしい瞬間をフリーズできる

ありのままの自分をさらし
表現することでー
誰かの心を動かせるかも

私は引き裂かれている
治りたい自分と
病気にしがみつく自分
何をやるにしても
一方の自分が傷つく

でも 病気になって18年の間ー
死のうとしたことは一度もない
私が唯一誇れることだと思う
生きようとする この強い意志
挫折しても 入院しても
家族が絶望してもー
私は諦めず
次の朝にはちゃんと目覚めた

自分のことも 病気のことも
恥じてきました でもー
恥を脱ぎ捨て
ありのままを見せると決めた
生きることの痛みと そこにある
美を表現したいのです
痛みを知る人は
強さを身につけて 立ち直れる

たぶん すべての人間は
たとえ凶悪な犯罪者でも
殺人を犯した人であっても
みんな 幸せになりたい
それだけなんだと思う
でも うまくいかない
人生は難しいから

私の中に 恐怖 怒り 悲しみが
渦巻いている
今までは
そんな感情を閉じ込めてきた
箱を開けたらあふれ出しそうで
怖かった
それを解き放つことが
回復への道だと思う

《医師の言葉》
私たちは孤独ではない
そう感じることが
神の祝福なのです

《レネが紹介した詩》
命とは そこに在るがゆえに
愛されるべきもの
難しきは 命が望むまま
自由に生きること

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