Thirty_seven
夢と語れるほどの重さはなくなった
鮮やかさを見ても 心地良さを聴いても
自身の内にある着火剤は湿気て滞って
術は贈り物用のラッピングより儚い
紙の匂いと 菊の甘さと
他者が奏でる脳内に浮かぶ羞恥の音符
逆光は一度の振動で翳る
温冷で区別される日付変更線
枯渇と飢え
タカタカした音を遥かに凌ぐ弾音
液晶が宣う病原菌は顕微鏡にのみ映る
42インチの回顧に煙たさを足す
第二関節で賄う月食
造花は何時までも健気に佇む
肉体は老衰で完成する
落ちる文字列が伸長を妨げ
名も無きほろ酔いに想いを馳せる
生花を買いに行きたい
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