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コーポレート・トランスフォーメーション

日本的経営モデルである、同質的で連続的な組織モデルは、グローバル、デジタルで変化の激しい時代には対応できない。
異質なものを排除する閉鎖的な共同体的組織ではなく、多様性を認める開放的な組織が必要。

スマイルカーブの左側(川上側)である差別化された商品を企画・開発するキーコンポーネントサプライヤーとなるか、右側(川下側)で顧客との関係を強化するプラットフォーマーとなるかしないと、生き残れない。
スマイルカーブの下限である、部品生産、組み立て、販売だけでは付加価値をつけることはできず、オフショア、デジタル・AI、に駆逐されてしまう。

既存のビジネスでキャッシュフローを作りつつ、事業・機能ポートフォリオを常に新陳代謝していく両利き経営が必要となる。

経営者も一つのプロフェッショナル。経営者のための教育・育成の経験が必要。タフアサインメントを与えて育てるもの。グローバル企業の経営者は厳しく、応えられるのはごく少数の人となる。
人材の育成は重要。リーダー層を厚くする。ローテーションで自企業内で通用する人材ではなく、プロフェッショナルが必要。

これからはグローバルで勝負する企業だけではなく、ローカルの経済圏で活躍する中堅・中小の生産性の高いビジネスを育てることが重要。
ローカル経済圏はGDPの9割。ここの生産性を高めることで、生活水準を向上させることができる。グローバル型経済は、競争が激しく、優勝劣敗が激しい。手触り感のある地域に必要なサービスはグローバル競争に巻き込まれずに、しかし生産性を上げることで、経済を活性化できる。

言葉が難しく、もう少しわかりやすく表現してほしいとも思ったが、内容の濃い本。筆者の主張が強く伝わってくる。産業再生機構で長年の歴史の元に生成された日本的経営の既得権益を持つ人たちと、ガチで勝負した筆者の強さとその現場で会得した実態のある主張が伝わってくる。

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