2024年、何故最強の虎はVを逃したのか?〜その②〜
前回は岡田監督の欲した新戦力が思いの外機能しなかったという部分に触れました。
要はスカウト含むフロントの部分ですね。
シーズン前からもペナントレース中にも貪欲に新戦力を求めた讀賣とは好対照でした。
どちらが正しいとかではなく
結果が全ての世界ですので、今季に関しては讀賣の姿勢が身を結び、果てない闇がちゃんと終わったということでしょう。
〜作戦面〜
今季のタイガースで上手くいかなかった部分はいくつかある中で何とかならなかったのかなと思うのは作戦面だ。
シーズン中に何度かXでもポストしたが
野球はランナーを進塁させることにより得点の期待を高めるスポーツだと思っているので、いかにランナーを効率よく進塁させるかがポイントの一つだと思う。
どの試合も1番打者の近本が出塁したが
2番打者の中野が近本を進塁させることが出来ていない。4月4日の横浜戦こそ先制されているがその他の3試合はいずれも先制点のチャンスになる起点であり、ここで点数を取っていると試合の流れも変わっていたのではないかと考えている。
この頃、毎週やっているスペースでは
「恐らく、岡田監督は今ノーサインでやっている、もしくは今岡、安藤らコーチ陣に作戦面も任せているのではないか?」
というような事を発言していたので
熱心なリスナーの方なら覚えておられるかもしれない。
こういったパターンもある
初回に先発村上がエラー絡みで4点を献上する苦しい滑り出しも、近本がいきなり三塁打、中野が続いてまず一点、そしてここからクリーンナップというところ。
私の知っている岡田監督ならここで動く事は無い。
基本的に岡田監督は流れを変えるためにのみ動くタイプで風がこちら側に吹いている時には泰然自若としている人だ。
なのでこの場面でイケイケドンドンとランナーを走らせるのは考えにくい、しかし中野の単独スチールというのもあまりイメージしにくいのだ。
となれば答えはコーチ陣にサインの裁量が与えられていた、と考えるのが自然かなと思う。
まあ、とにかくこのようなチグハグとした攻撃を繰り返すことによって
元々そこまで強火力でもない打線がさらに得点力を落とし、流れを自ら手放し、深みにハマって行くことになる。
開幕からこの時期はまだ森下にも当たりが出ており
大山の不調はカバー出来ていたかに思えたのだが
森下をポイントゲッターとして使えない場面を繰り返していくうちに森下自身も調子を落としていった。
結果的にクリーンナップがそれぞれ故障していないのに二軍落ち、4番は近本が務めるという矢野前監督時代のようなオーダーが組まれることになった。
また、こんな事もあった
大量リードに気が緩んだ…とは言わないが
投手コーチの準備に激怒するという場面。これはネットで首脳陣の風通しの悪さというようなコメントがいくつか見られたがこれもコーチにある程度任せたという結果なのだと思う。指示されずとも俺がやるようにやってみろ!という将のゲキに残念ながら答えられなかったということだろう。
勿論、それも含めて監督が責任を取るつもりでやらせていたと思うが、歯痒かったのではないだろうか…
オールスター休みを挟んでチームのやる野球か変わりチームは昨年の輝きを取り戻しつつあった。
もちろん選手個人の状態が底を打って大山も、佐藤輝明も森下も調子が良かったというのはあるのだが…
私が考えるオールスター後にある程度昨年のチャンピオンチームとして勝ちを積み重ねていけた要因は
送りバントを多用してきた事だ。
これにはシーズン終盤に岡田監督が
「進塁打打てて言うても打たへんからバントのサイン出したんよ、おーん。」と言っていたので
後半からは自身でサインを出していたのかなと思う。
岡田監督にはチームを勝たせるというミッションと次代の指導者の育成という2つのミッションを球団から期待されて就任した。
2005年以来の優勝を日本一を添えて達成してしまった今季は指導者の育成、そして自らが退いた後でも選手個々人の力やゲームメイクで勝たせるチームへと舵を切ったのではないだろうか?
しかし道標を失ったチームは序盤迷走してしまった。
結果的にこの4月、5月の躓きが最終的な順位に影響したように思えてならない。
それはシーズンが終わった今でも、選手個々の力量ではセリーグ1番だと考えているからである。
今週末からはCSも始まるので
観戦記というものを書いてみようかなと思っている。
今回のnote同様に皆様の暇つぶしに使って貰えれば幸いである。
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