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頭はテーブルにつかせない

頭の仕事と俳優の仕事
これは常に相反する立場で向き合っている
頭を優先する俳優は
そのクオリティを上げることに苦労するだろう
しかし理屈をつかめてきた俳優は
最前線に立ちたがる頭を最後尾につかせるだろう
優先順位が変わるのだ

日常の生活でも
頭は人間の邪魔をしている
人間が持っている万能な能力を食いつぶしている
自分を無能だと思わせることに長けているし
命の大切さを軽んじる
そしてもっと頭に頼れと迫るのだ
頭は自分を守るために仲間を寄せる
他人の頭を身近に寄せ集めて
コミュニティを確立させ
自分たちを優位に見せかけ
排除させないなように協力し合う
堰を切ったように
頭社会が氾濫したのはその結果だ
最大の頭の欠点は震えないことである
振動しないことである
頭は振動を嫌う
震えを嫌う
よって心は最後尾へ回される

伽藍洞の空虚感だけが居座った無風の社会
それこそが頭が憩う理想の社会だ
我々はまんまと頭にやられている
頭信仰者が増えるわけである
しかし常に心はガス欠状態なのである

俳優にとって
心は一の道具
忘れてはならない







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