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お客さまと調律師のギャップを埋めたい

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ピアノって、調律って、本当はこうなんです。 ひとことで伝えるのは難しい「ギャップ」を解消する記事をまとめました。
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2021年2月の記事一覧

海外製のピアノは国産と同じようには扱えない

調律で海外製のピアノに出会うことも結構あります。ヨーロッパ製、アメリカ製、中国製、韓国製いろいろあります。特にヨーロッパ製は憧れのピアノ!というのはなんだかんだ今でもあると思います。ただ共通して言えるのは...日本製のピアノに比べて部品の精度がかなり甘い。 いわゆる高級ピアノでも、同じ工具を同じ規格のはずの部品に使っても「こっちには入るのにこっちは入らない...」などは当たり前、細かい部品の仕上げも意外と粗くてびっくりします。ここに風土とものづくりの考え方の違いが出てるなあ

世の中の多くのピアノは力を出し切っていない

ピアノのメンテナンスは調律だけしておけば完ぺきだと思われがちです。 でも実は調律ってピアノのメンテナンス全体の半分も占めていなくて、世の中のピアノの大半は残りの部分手つかずなことが多いです。 ピアノの全メンテナンスを優先度順に分けるとこんな感じでしょうか。 A【必須な作業】 →弦の断線や音が出ない故障などの修理 B【ほぼ必須な作業】 →音を合わせる調律 ------------ここまではやっていることが多い-------------- C【やったほうが良い作業】→