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sasy0115
[詞] 異形
ぼく、うまれたときからこの姿
だけどぼくは、異形なんだって
「僕は君の温度を知らないし、君も僕の温度を知らないね」
誰もぼくに触っちゃいけないんだって
ぼくからも触っちゃいけない
やけど、してしまうのかな
それか、溶けてしまう?
でも、きみに触れたいな
触ってくれたら、もっといいな
すがたを変えて、会いにいきたい
ひとは怖かったけどきみのことはすきなんだ
信じて、くれるかな
花にも怖がられているぼくにも、きみにあげられるものがあるといいのだけど
ともだちで、いてくれるかな
ずっと話をしていたいよ
「ジャムってなあに?」
きみのいう、甘いお菓子ってなんだろう
きみはいつも僕が知らないことを教えてくれる
ぼくはきみと話すの、大好きだよ
「食べるとしあわせな気持ちになるんだよ」
「食べるとしあわせな気持ちになるもの?もしかして、ジャムって君のことかも」
きみはあの日からここに来ない
ぼくはきみを待っているけど
きっとともだちは
さみしい異形を二度と訪ねない
慈
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