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あいうえお作文「はじめてのかのじょ」

初めて僕に彼女ができた。
あれは18歳の11月、大学一年生の時だった。
当時僕は大学一年生で、部活動をしていた。
彼女は部活でできた。

地味だった僕に彼女ができるなんて正直思ってもいなかった。
なぜ付き合うことになったのか。でも彼女といると
とても居心地が良かったことだけはなぜか覚えている。

面と向かって女性と会話できなかった僕だがなぜか彼女の前では自然体でいられた。付き合う前からLINEもよくしていたが内容のない会話ばかりだった。
でもなぜかとても心地よかったのを今でも覚えている。こんな感覚も初めてだった。

手を繋いだのは告白した当日、ディズニーシーでマーメイドラグーンシアターを見ていた時だった。正直緊張で手汗とかすごかったのを覚えている。手を繋ぐタイミングも正直全くわからなくてすごい不器用なつなぎかたをした。最初は拒まれた。
しかし、気づいたらずっと繋いでいた。あの時は絶対告白したら上手くいくという根拠のない自身があった。

NOと言われないという確信があった。彼女と付き合える、普段は自信がない僕だがなぜかそこだけは自身があった。告白した場所は2人で行ったディズニーシーだったのだが、行く前は告白する気は全くなかった。というのもまあ友達と一緒にディズニーに行くんだなとしか思ってなかった。今考えるとなんでそんな平気だったのだろう。高校生のときなんてまともに女子と会話できなかった男だったのに。

彼女に告白する大きなきっかけは日も暮れてきた頃、
トイストーリーマニアに乗った時だった。トイストーリーマニアで彼女と競いあったのだがものすごく盛り上がった。それまでの人生の中でも一番楽しかったと断言できるぐらいに楽しかった。この人と一緒にいたい。心からそう感じた。そして終わった後、僕は今までにない胸の鼓動を感じた。今まで味わったことのない感覚だった。

喉は渇き、彼女とまともに会話できなくなっていた。これが恋か。そう気づくまでに時間はかからなかった。そして歩きながら自然に、ごく自然に、まるでおはようの挨拶を交わすように僕は彼女に告白した。

実際、なぜあそこで告白したのだろうかと今でも感じる。しかし、込み上げてきた感情が言葉となって溢れ出てしまったのだ。そこに理屈はいらない。それぐらい僕はあの時、彼女を好きになってしまってた。

4ヶ月という短い期間で彼女とは別れてしまった。別れを切り出したのは僕だった。でも今でも初めての彼女があの人でよかったと強く思う。それぐらい魅力に溢れた素敵な女性だった。








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