書写が出来ない脳のつくりをしている。

書写、文章の書き取り。
語学教育において、お手本の美文を体得する手法として推奨されている作業である。
が。
私の脳はこの法則に則らない。

書写が無理。
本当に無理。
まず、書いた内容が全く自分の頭に残らない。
書き終わったあと、「いま私なにやってたんだっけ?」と思うくらい、書写をしてもなーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーんにも頭に残らない。
書き取るためには、いったんお手本の文を暗記しないといけないよな。
その暗記した文章を1文字ずつ紙面に書き込んでいくんだから。
つまり文を読んでるんだよな。
自分が理解している言語の、文章を、INPUTもOUTPUTもしているはずなんだよな。
してないんだよ。
中学の頃、国語の授業の課題で、書き抜きの問題があった。
本文中の単語がたまたま2行ほぼ同じ高さに並んで表れていた。
私は回答の際、1行目のその単語まで書いた続きに、2行目のその単語の続きを書いていた。当然、文章は支離滅裂になっている。
提出して、先生に指摘されるまで全っっっっっっっっっっっ然気付かなかった。
あの時先生なんて私に言ったんだっけ、もう言葉は覚えてないけど、「なんでこんなことになるのかわからん」みたいな話だったと思う。
「かきうつし」ってゆう行為をちゃんとおこなえる人間には理解不能なんだね私の“症状”は。
こんなの、書き写しのためのINPUT時に使用言語の文章として把握してたら起きないはずなんだよ。
近年インク沼活動で小説の書き写しをして、最後の1文字まで写し終わったあと自分の書いた線を「文字」として“読”んで初めて、「これ、こんなこと書いてあったんだなあ」って思ったりもした。
つまり、子供の頃そうだったからって大人になって“治”ったりもしてない。
ただの体質。生まれつき死ぬまでこういう性質。

本題から逸れるが、
書き写しではなく、自分の頭の中に構築した文章を書き出す時にも私は難が生じる。
高確率で、文の2文字目から書き始めてしまうのだ。
次いで頻発しているのが、同音異字を書いてしまうこと。
漢字の覚え間違いをしているのではなく、正しい漢字を知っているのに、誤字を最後の一画書き終えた瞬間に「なんでこんな字使ってんだよ」と気付く。書いている最中でも、読み返した時でもなく、その誤字をやりきった瞬間に気付く。
書き損じと書き損じと書き損じだけが山積していく。

手書きで文章が書けない。
機械打ちでなければまともに文章が作れない。
あと全然関係ないけど自分の癖字がクッッッソ嫌い。
綺麗汚いという話でもないし、好きって言ってくれる人居るけど関係ない。
ただ自分の“書体”に対する好き嫌いからみて、自分の書く字の特徴は圧倒的に嫌い寄りだって話。
文字なんか書きたくない。
絵だって描き方が分からないし、描いてて楽しいと思ったこともない。
けどインクは好き。インク遊びはやりたい。
こんな私が無駄に買い集めてしまった万年筆インク(しかも瓶)を、どうにか下水道に流さず消費するには。

なぞり書きをするくらいしか、すべがないのだ。

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