見出し画像

踏み出すのが怖い

初めの一歩は踏み出してしまえば実はどうってことのないものだったりするのに、ああだのこうだのと考え込んでしまって踏み出せないまま、ということが往々にしてある。
踏み出すまでに考えてしまうああだのこうだの、がけっこう面倒くさい。
踏み出してしまえばどうにでもなる、と思えないから、踏み出さないのもある。踏み出したあとの自分を信じられないから、踏み出さないでいる方が怖くないのもあるかもしれない。

バカの考え休むに似たり

そう投げかけられた。
けれど、踏み出せずにいることに慣れてしまうと、踏み出すことのがよっぽど怖いのだ。
たとえいつか破滅がこの身に訪れようとも、いつかであって今ではないというのがきっと安息をもたらしている。踏み出したあとの自分へかかる恐怖よりも、いつかの自分へかかる恐怖のが遠いから。

跳び箱の前で踏み出せなくてみっともなく震えていたあの日の自分を思い出す。
正しく飛べず滑り落ちて、二度と跳び箱を飛べなくなってしまったときのことを。

読んでくださりありがとうございます。もし少しでも<また読みたい>と思っていただけたなら、気が向いたときにサポートいただけるとうれしいです。