マイ・サウナルーティン
サウナの効能はよく知られている。
1か月に2回程度、ある温泉のサウナに通っている。
本当は週に数回行きたいのだが、なかなか時間がとれない。
少なくとも1回のサウナの所要時間は1時間半。
自宅からサウナまでの距離は20km程度。
往復時間も加味すれば所要時間は3時間だ。
そのサウナの開店時間は10時。
開店時間に間に合わせるように行っても、午前中は丸々つぶれることになる。
週に数回、午前中に時間があるほどヒマではない。
では、午後に行けばいいか?
午後に行ったこともあるが、後悔することが多い。
できれば開店直後がいい。
開店直後はまだサウナが温まっていないというデメリットはあるものの、サウナ室は客がほとんどおらずまだ空いていて、サウナだけに集中できる。
そう、サウナだけに集中できる環境でなければならない。
サウナは熱いので、ほかのことを考えることができない。
脳はぼーっとしているときでもいろいろなことを考え、脳疲労を起こしている。
これをDMN(デフォルト・モード・ネットワーク)といい、脳の70%~80%のエネルギーを消費しているという。
熱いサウナに入ることによって、脳の血流は低下して強制的に思考が停止するような状態に陥る。
その結果、DMNの消費量が減り脳がすっきりとした明快な状態になる。
この状態になると、実はいろいろなひらめきが出てくる。
このnoteの記事を書くネタもサウナから生まれることが多い。
モヤモヤとした状態でデスクに向かってもいいアイデアがなかなか出てこないが、サウナでは”あっ、そうか”ということがよくある。
だが、決してアイデアをだそうとしてサウナに行ってはいけない。
ひらめきは、脳がリラックスした時に生まれる。
何かアイデアが欲しい、行き詰った、いい答えがないか・・・。
そのような興奮した状態でサウナに入ってもいいことはない。
”素晴らしいアイデア”は、あくまでもリラックスした結果の副産物だということを忘れてはいけない。
このリラックスを得るためには、他人や環境に惑わされないことが必要だ。
ぺちゃぺちゃと音を立てながら、汗を手で拭って床に落とす人がいる。
こういう人が隣だったりすると気になって、リラックス状態が作れない。
2人組でサウナでお喋りするなんてのは論外だ。
また、テレビのあるサウナは、リラックスには不向きである。
かつて、テレビのあるサウナに入ったとき、「科捜研の女」が放映されていて、その謎解きに付き合ったら、リラックスどころの話ではなくなったことがある。
サウナには自分なりのルーティンがある。
1回目のサウナは大体12分~15分。
その後水風呂に1分程度入り、露天風呂でリラックスする。
サウナ⇒水風呂は交代浴というらしいのだが、この交代浴には次のような効果があるという。
そしてこの交代浴の後、露天風呂でリラックスすることにより、いわゆる「整う」状態となる。
この感覚は、本当に経験した人にしかわからないと思うのだが、『リラックスハイ』とでも言ったらいいのだろうか、どこか違う世界で暖かく包まれているような気分になる。
だが、引用した記事にあるように毎回「整う」わけではない。
例えば、極寒の真冬や、真夏の炎天下で露天風呂に行ったとしてもリラックスどころではないので、「整う」状態が得られない。
また、「整う」を求めて、たくさんの人が休憩しているような場所では、他人が気になって自分が整えない。
ベストは、人が少ない状態で、穏やかに晴れている日、季節は春とか初秋がいいだろう。
サウナ⇒水風呂⇒露天風呂でリラックス。
これを2~3回繰り返す。
午前中にこうやってサウナに入ると、午後からの仕事のはかどりが半端ない。
午後とか夕方とかにサウナに行ってもいいのだが、昨今の「サウナ」ブームで、時間がたつとどうしてもサウナ客が増えてくる。
サウナ客が増えてくると、座る場所が狭かったり休憩場所がなくなったり、と自分のペースが狂う。
やはり自分なりの「サウナルーティン」というのを確立して、それをできる環境を見つけていくことが重要だ。
川端康成や谷崎潤一郎、志賀直哉など、温泉地に滞在して有名な小説を書き上げた作家は多い。
これは、温泉地という集中できる環境、ロケーションもさることながら、温泉に浸かることによるリラックス効果、そしてサウナで生じるようなDMNのノイズの消去による「アイデア」効果を彼らは経験により知っていたのではないだろうか。
ここまで熱くサウナを語るとは思ってもみなかった。
いつもの記事とは毛色の違うものとなってしまった。
たまにはリラックスした記事もいいかもしれない。
脳をやすませよう。
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