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大人になったらなりたいもの
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— TBS NEWS (@tbs_news) March 16, 2022
大人になったらなりたいもの1位は男子「会社員」女子「パティシエ」
\https://t.co/Vu2ywqeAbM
第一生命が行ったアンケート調査によりますと、大人になったらなりたい職業は、小学生の男子の1位は科学技術やものづくりを行う「会社員」、女子の1位は「パティシエ」で、いずれも去年と同じ
(ツイッター https://twitter.com/tbs_news/status/1504044806175043587より引用)
恒例の「大人になったらなりたいもの」アンケート調査(第一生命)。
小学生(男子)の1位は会社員(中学生男女、高校生男女も会社員が1位)。この結果に第一生命では、「リモートワークが普及し在宅勤務している両親の姿を見て、働く場所を選ばない自由な働き方やワークライフバランスに意識が高まっていることがうかがえる」と分析している。
第一生命が”勝手に”やっているアンケート調査なので、こちらが分析結果にあれこれ文句を言う筋合いはない。分析結果に不満があるんだったら、自分でアンケート調査をやってみろ!という話である。
という原理原則を踏まえたうえで、なぜ大人になったらなりたいものが「会社員」が第1位となっているか考えてみたい。
第一生命よりプレスリリースされた「大人になったらなりたいもの」のアンケート調査結果を見ると、より詳細な子どもたちの意識がわかる。
https://www.dai-ichi-life.co.jp/company/news/pdf/2021_072.pdf
(第33回「大人になったらなりたいもの」プレスリリースより引用)
実は、このアンケート調査、2年前から調査方式が変わっていて、2019年までは第一生命の生涯設計デザイナーによる訪問回収調査だったが、新型コロナウイルス感染症の拡大を受け、2020年よりインターネットアンケートに調査方法を変更している。また、調査方法の変更にあわせ、アンケート対象を幼児・児童から小学3年生~6年生・中学生・高校生 へと変更したようだ。
(第32回「大人になったらなりたいもの」プレスリリースより)
ちなみに2019年の調査によると小学生男子の「大人になったらなりたいもの」は第1位サッカー選手、第2位野球選手、第3位警察官・刑事であって、会社員はベスト10にも入っていない(調査項目にあったかも不明)。
サッカー選手は、2019年の調査まで過去10年、9回も1位をとる不動の「大人になったらなりたいもの」だった。
対象も調査方法も変わっているので、2019年までと2020年以降の調査を一比較検討せずに、今回のアンケート調査結果に絞って子どもたちの「夢の傾向」を考えてみる事にする。
子どもたちが「会社員」になりたいとする傾向について、第一生命の分析による「リモートワークの普及による自由な働き方やワークライフバランスに意識の向上」ももちろんあるのかもしれないが、実は地方では「リモートワーク」や「自由な働き方」はそれほど普及していない。
また、農業や漁業、製造業は2年前と変わらず現場で行われていることがほとんどであるし、サービス業であっても、リアルな対人関係による商取引は当たり前に行われている。
子どもたちは自分たちの家族を見て職業観が養われるというよりは、SNSやネットニュースから流れるに様々な情報によって、より「現実的」な職業観をもったという方が正しいのかもしれない。
この2年間、未知なる感染症に右往左往する大人。
感染症の恐ろしさや医療体制の崩壊をあおる評論家。
感染症に罹患した市民の現状をことさらにクロ―ズアップするマスコミ。
イベントや行事は中止され、部活動やスポーツ活動の機会が減った。
交流人口の抑制の名のもとに「巣ごもり」と呼ばれる在宅の機会が増えた。
また、かつて憧れだったサッカーや野球などのプロスポーツは中止、延期、日程短縮を余儀なくされ、無観客となりリアルにプロスポーツを見る機会が減少した。
こういった現実を見るにつけ、「目標に向かって努力すれば夢はかなう」とか「華やかな職業に就く」という職業観が希薄となり、より身近な「会社員」や「医療従事者」という職業がクローズアップされたことは想像に難くない。
もっと踏み込んでいえばそれは「なりたい」職業ではなく、「ならざるを得ない」「なるだろう」といった消極的な選択なのかもしれない。
彼らには現実が見えていて、大言壮語などしない。
自分たちに大きな借金が背負わされ、それを返していかなければならないことがうっすらとわかっている。
無意識に、それがこの時代に生まれてきた自分たちの宿命であることを感じている。
世代間の分断が進んだ2年間だったと思う。
高齢者にわずかの給付金を支給することで、次の選挙を有利に運ぼうとする権力者たち。
その「センス」もひどいものだが、その負担は確実に次の世代に引き継がれる。
一方で、子どもたちに借金を残すな!と言っているその舌で、高齢者の医療費が高すぎる、国民健康保険料(税)を下げろ、と街頭演説する左派インテリ政党。
この矛盾に気づきながらも、「大企業の法人税を上げてその分を社会保障に回し、同じく大企業の内部留保を従業員に還元すれば、みんなハッピーになる」と能天気に社会主義国家を目指すことを主張し続けていることに呆れる。
「誰一人取り残さないという包摂は、未来への負債である」
この現実を僕らも理解した方がいい。
もう夢を語ることができる時代は終わった。
いや、僕らや参議院選挙対策として5,000円をもらえるような世代が、彼らが夢を語ることを終わらせたのだ。
これからは、生きていくために日常の生活を大事にする、そして日常にあるささやかな幸せをかみしめて生きる、それこそが彼らに運命づけられたライフスタイルである。
それでも幸せならばいいんじゃないか。
といいつつも、少しは「夢」をもって進んでもらいたいと願っている自分がいる。
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