歴史と伝統を尊重しながら市議会の仕組みを変えていく
市勢功労者表彰祝賀会で感じたこと
11月3日(祝)は文化の日。
地区や学校の文化祭など文化的な行事が各所で開催されています。
今年は、新型コロナウイルス感染症の位置づけが5類になったことにより、新型コロナウイルス感染症以前の内容で行事を開催するところが増えた一方で、3年間開催できなかったことにより、規模を縮小もしくは廃止した行事、イベントもあるようです。
花巻市では、例年文化の日に「花巻市市勢功労者表彰式」が開催されています。
今年の「花巻市市勢功労者表彰式」は、新型コロナウイルス感染症以前の内容となり、久々に祝賀会も開催されました。
令和5年度の花巻市市勢功労者である4名の方のうち、2名の方は市議会議員の先輩であり、1名の方は市役所時代にお世話になった上司の方です。そしてもう1名の方もスポーツ分野で非常にお世話になった方であり、祝意を伝えたるべく、私も祝賀会に出席し、受賞者の方々とお話をしてきました。
実は、新型コロナウイルス感染症の影響で、昨年までの3年間は祝賀会がなく、受賞した皆様に祝意を伝える場がありませんでした。
そういう意味では、祝賀会は必要な場であると実感したところですし、短い時間ではありましたが受賞された皆様のスピーチをお聴きすることができて、いろいろなことを考えさせられました。
特に、市議会議員の先輩の方々の体験談については私も知らないことが多く、いろいろなご苦労があったのだな、と感じました。
そして、諸先輩方の活動のおかげで、現在の市議会があるとということに改めて感謝の気持ちをもったところです。
歴史と伝統を尊重しながら市議会の仕組みを変えていく一つの提案
一方で、その歴史と伝統を尊重しながらも現在の市議会の仕組みは変えていかなければならない、と思ったのも事実です。
前回の記事で、市議会の関心を高めるために様々な方策を考えていかなければならない、とお話ししたところですが、やはり市議会に関心を高めてもらうためには、抜本的な議会改革が必要です。
具体的な事例を一つ提案すると、「議案審議を本会議ではなく、常任委員会で審議する」ということです。
花巻市議会会議規則では、本会議に上程される議案は、委員会に付託して審議することになっています。
一方で、この委員会付託を省略することができるという規定もあり、花巻市議会では、慣例により、この委員会付託を省略して市議会本会議で議案を審議してきました。
本会議において議案を議員全員で審議する場合、1つの議案について議員全員が関与できるというメリットはありますが、質疑の時間が十分に取れず自由な議論ができないというデメリットも大きいです。
これを市議会会議規則のとおり「委員会に付託して審議する」ことにすれば、1つの議案を時間をかけて審議することができるほか、常任委員会の委員の責任も重くなり、常任委員会の活性化にもつながると思うのです。
花巻市には、総務、文教福祉、産業建設という3つの常任委員会がありますが、常任委員会が所管している各分野について調査、研究する所管事務調査というものを毎月開催している委員会もあれば、市民からの陳情や請願の審査を中心に原則年4回の本会議の際にしか開催していない常任委員会もあります。
これは、現在の常任委員会の活動を比較して、一部の常任委員会についてもっと活動すべき、と批判しているのではなく、やはり常任委員会がより活動し、活性化するための「仕組み」をつくっていくべきであり、その一つの方策として「議案審議を常任委員会で行う」ことを提案しているのです。
このことは、市民の関心を高めてもらう活動にもつながります。
例えば、常任委員会での審議は、本会議のような形式ばったものではなく、普段学校や職場で見慣れている会議に近い自由な質疑であるため、前回の記事でご紹介した高校生議会のように高校生に体験してもらったり、市民の方が模擬議会を行ったりすることで、市議会に感じるハードルも下がり、とっつきやすい市議会になるのではないか、と思うわけです。
もちろん他にもメリットはあり、常任委員会での質疑は、議員がそれぞれの議案について調査・研究して臨まなければならず、結果的に議員の質が向上します。
そして、より政策に関する関心が高まり、市議会として政策提案を行う環境が作られていくはずです。
政策提案できるような環境をつくる
私は、これまで無会派議員として活動してきましたが、上記に述べた私のこのような考え方を実際に実現していくためには、一人での活動では限界がある、と考えるようになりました。
政策提案できるような議員と連携しながら、市当局と対峙してよりよい市政を構築するとともに、議会を改革していく。
そういった環境をつくるため、今回新たに会派を結成し、活動していくこととしました。
新会派の活動の詳細については、改めて別の機会にご紹介することとして、今回の記事を締めたいと思います。
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