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【一次創作】くじけないココロと共に【#ガーデン・ドール】

その日の前日。
明らかに、いつもの彼とはどこか違ったんだ。

[シキさんの廃棄処分が決定されました。今回は皆さんに見届けていただきたいと思います]

なぜ、今きみがそこにいるんだ。

「ハハ……ハハハ……あぁ……良い生涯だったな……」

なぜ、今きみはそこで笑っているんだ。

それを飲み込む。そしてセンセーに向かって小皿を投げる。センセーに当たった小皿は粉々に砕け散った。
その瞬間、シキの体はどろどろに溶けていく。

なぜ、今きみは。
そこで、溶けているんだ。



「あ、れは……なんで。なんで■■がッ……なんで、それを彼が……ッ」

体を動かせない中、その一言だけが、絞り出すように喉からあふれた。
それ以降は、強く唇を噛み締めて、無意識のうちに強く拳を握る。

ボクは、あの反応を知っている。
遠くてちゃんとは見えなくても、アレが何であるかを知っている。

ククツミのコアを飲む前に、ボクが追い求めたもの。
ああなってしまう可能性を分かっていて、”かみさま”に願ったもの。

最近、それがどういったものであったかを、知ったもの。

動けるようになった瞬間、彼と仲が良かったドールが駆け寄っていく。

ククツミが倒れて、近くにいたレオがすぐに抱えて戻っていくのも見える。

興味をなくしてすぐに戻っていくドールも、こんな時になってやっと、久しぶりに顔を見たドールもいた。

“良い生涯だった”

彼には、未練はなかったのだろうか。
もしかしたら、ボクよりもガーデンに疑問を持っていたのかもしれないきみは。
それでいて、時折ガーデンのように非情なことを言っていたきみは。
ボクよりも、何かを知っていそうだったきみは。

溶けていく瞬間、本当に後悔はなかったのだろうか。
この世界を呪いは、しなかっただろうか。


シキくん。
ボクは、前に進むよ。


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