【一次創作】蠑先鏡蜿�。それはその物質を融解し気化する【#ガーデン・ドール】
まさか自分がそれに選ばれる日が来ようとは。
本当に、思ってもみなかった。
選ばれるように仕向ける"実験"は試みているものの、
それだって実を結ぶのかどうか、自信はないというのに。
一番あり得ないと思っていた相手から頼まれることになるだなんて
それに……そうか。
貴女は、【傷つけたくない相手】が対象なのか。
ほとんど同時期に覚醒したドールだというのに。
何故、自分のミッションだけ異なるのだろうか。
自分と同じミッションを持つドールがいるのかどうか、
それは今わからない。
こんなときでも疑問は尽きないのは……もはや性分としか言いようがない。
……。
…………。
自分といると面白い?
そんなの、こちらが言いたいくらいだ。
優等生と言われるようなドールが多い中、
そんなこととは無縁と言った顔をして。
自分なんかよりまっすぐで。
ひたすらにまっすぐで、力強い炎となる。
その燃え盛る炎は自分には熱すぎて、
つい水をかけたくなる。
しかしその程度で消えるような炎ではなく、
むしろより燃え上がる。
時に揺らぎ、時に弱ることがあったとしても
決して、消えることはない。
本当に敵わない。
火は水に弱い?
そんなまさか。
炎は氷を溶かし、水を蒸発させる。
どちらが強いかなんて一目瞭然。
だから、燃えろ。
どこまでも。
そのために、超えていけ。
何、問題ないさ。
どうせ明日には元に戻るのだから。
今日という記憶ごと霧散するのは少し惜しいが……
雪が解け水となり雲となってまた同じ場所に降り注ぐように。
そう、してくれるんだろう?
識ってこい。
抗うための歌となるのならば、そのおつむにもっと刻み込め。
自分はまだ、このままやることがあるから。
――――ああ。
貴女のこと、【最も美しい】だなんて想う日は"今日"を憶えていても来ないから安心しろ。
その燃え盛る歌声は、嫌いじゃないけどな。
※こちらは、下記作品へのAnserとなっております。合わせてご覧いただくことを強く強く推奨いたします。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?