放射線治療専門医試験 臨床分野マーク問題まとめ

2020年以前の放射線治療専門医試験のマーク問題で出題されているものをまとめました(臨床分野のみ)。本文の暗記だけで過去問の臨床分野の少なくとも8割以上は得点できます。やみくもに過去問を解くよりも頭の整理も付きやすいと思います。返金は受け付けません。1/3程度は公開しますので、検討の上、ご購入ください。


頭部
視神経管:視神経・眼動脈
上眼窩裂:動眼神経・滑車神経・外転神経・三叉神経眼枝(第一枝)
正円孔:三叉神経の上顎枝
卵円孔:三叉神経の下顎枝
棘孔:中硬膜動脈
破裂孔:浅・深錐体神経・翼状神経・内頚動脈
内耳孔:聴神経・顔面神経・内聴動脈
頚静脈孔:舌咽神経・迷走神経・副神経・内頚静脈
舌下神経管:舌下神経

V1(眼神経)-上眼窩裂
V2(上顎神経)-正円孔
V3(下顎神経)-卵円孔
Ⅵ(外転神経)-海綿静脈洞-上眼窩裂
Ⅶ(顔面神経)-内耳孔



悪性神経膠腫(膠芽腫、退行性星細胞腫、退行性乏突起膠腫)
治療方針:手術+術後TMZ併用RT
放射線治療:拡大局所照射60Gy/30fr. (浮腫領域に1.5~2cmマージン)
※視交叉への線量を50Gy以下にする
※高齢者(71歳以上)には34Gy/10fr.や40Gy/16fr.の寡分割照射
 
膠芽腫には一次性と二次性がある
一次性 90% IDH wild type 55歳以上 予後××
二次性 10% IDH mutant 55歳以下 予後× MGMTメチル化

予後
膠芽腫 中間OS:15カ月 1年OS:65% 2年OS:35% 5年OS:15%
退行性星細胞腫 中間OS:41カ月 5年OS:40%
退行性乏突起膠腫 5年OS:60%

関連:橋グリオーマ
生検不要。K27変異。
有効なケモなし。5~9歳にピーク。18歳以上では予後が少し良い。照射は54Gy/30fr.
全生存期間中央値:12ヶ月(2yOS:10%以下)



低悪性度神経膠腫(星細胞腫、乏突起膠腫)
治療方針:手術+術後RT (術後RTでDFS向上、OS変わらず)
※近年、術後ケモでOSが改善するという報告が出てきている
※乏突起膠腫は術後RTの代わりに術後TMZでも良い

放射線治療:局所照射50.4Gy/28fr. (浮腫領域に1~1.5cmマージン)

星細胞腫 5年OS:50~60%
画像:MRIにてT2-FLAIRミスマッチサイン

乏突起膠腫 5年OS:70~80%
IDH変異、1p/19q共欠損
画像:前頭葉に多い、棍棒状石灰化、T2WI高信号、造影(少)

鑑別:神経節膠腫、多形黄色星細胞腫 ※嚢胞あり



頭蓋内胚細胞腫
治療方針:病理で異なる(生検が必要)

15歳程度の男児に多い
マーカーは血性と髄液中のAFPとhCG(多いと予後×)
※他にCEAやPLAPも

画像:松果体部や鞍上部などの正中部に好発。他、基底核。石灰化。

予後良好群(10年OS:80~90%)
ジャーミノーマ RT単独
全脳室照射で40~50Gy。ただし近年は線量低減目的にケモ先行で24~30Gy

成熟テラトーマ 手術単独

予後中間群(5年OS:70%)
未熟テラトーマ 手術+術後局所照射
悪性転化テラトーマ 手術+全脳全脊髄照射

予後不良群(5年OS:10~30%)
卵黄嚢腫、胎児性癌、上皮絨毛癌など 手術+照射(50~60Gy)+ケモ

髄芽腫 鑑別:上衣腫、毛様細胞性星細胞腫)@後頭蓋窩
治療方針:手術+術後照射+ケモ
※ケモ併用でOS↑(線量低減の側面もある)

低リスク:WNT活性化、SHH活性化、Tp53 wild type
高リスク:3歳以下、MYC増幅、Tp53 mutant
標準リスク:3歳以上、残存腫瘍1.5cm3以下、播種なし

放射線治療:全脳全脊髄照射
標準リスクならケモ併用で23.4Gy/13fr.で良いとなってきている(さらにBoost30Gy程度)
元々は全脳全脊髄照射(36Gy)+Boost照射(18Gy)
※3歳未満にはケモを先行して照射時期を3歳になった後にする(通常はRT後にケモ)
※分子遺伝学的な分類により治療戦略、強度を変える臨床試験がなされている(研究段階)

予後 5年OS:60%



上衣腫
治療方針:手術+術後RT
※小児でGradeⅠの全摘だったら術後経過観察

放射線治療:局所照射
GradeⅠ→50.4Gy/28fr. 手術腔に~1cmマージン
GradeⅡ,Ⅲ()→54~60Gy/30~34fr. 手術腔に1~2cmマージン
Ⅱ:ependymoma、Ⅲ:anaplastic ependymoma

RELA fusion(この時点でGradeⅡ/Ⅲ)は予後不良因子

予後: 全摘なら5年OS:70~80%。全摘できなければ5年OS:25~40%
全摘できるか否かが最も大切


髄膜種
治療方針:基本は経過観察だが、3cm以上/症状出現(しそう)なら手術する。
※高齢者は大きくならないことが多い。若年者は積極的に治療考慮。
基本は中年女性に多いが、小児例や悪性例は男性に多い
術後IMRT(or3DCRT):54Gy
GradeⅠ 全摘 経過観察
    亜全摘 術後照射検討
GradeⅡ 全摘 術後照射検討
    亜全摘 術後照射
GradeⅢ 全摘 術後照射
    亜全摘 術後照射

最近は手術に代わり部位によっては定位照射もあり
SRS:12~16Gy、SRT;25Gy/5fr.※円蓋部で副作用大きい
GTVにdural tailは含めない。腫瘍に接する骨硬化部や浸潤部は含める
※術後定位照射も選択肢


聴神経腫瘍
治療方針:
5cm以上なら手術、3~5cmならSRT(50Gy/25fr.)、3cm以下ならSRS(12Gy/1fr.)
聴力温存率:40~75%(53%)
顔面神経麻痺率:1%、顔面神経温存率:93-100%
一過性増大:14-41%(25%)
三叉神経障害:2-5%
局所制御率:90%以上(多くの報告で95%以上) ※嚢胞性腫瘍の方がよく効く
※SRTの方がSRSより聴力温存率や顔面神経温存率で優るという報告がある


PCNSL
治療方針:MTX投与後にRT(白質脳症の予防)
※生検前にステロイド禁忌
放射線治療:全脳照射
CRなら23.4Gy/13fr, 非CRなら36Gy/20fr.
60歳以上なら照射を省略することもある
全生存期間中央値は30~60ヶ月、5yOS:30~50% ※RT単独なら12~18ヶ月
※眼球内進展率が高く(20%)、眼球後部まで照射に含める
※眼球内進展があれば眼球を含める



転移性脳腫瘍
肺癌患者の40%、全悪性腫瘍患者の10~30%に起きる
全体の全生存期間が半年程度
SRTは3cm以下4個までが適応。※近年は5個以上でも行う。
定位照射適応外は全脳照射(30Gyや37.5Gyなど)
SRS(2cm以下):20Gy/1fr. SRT(5cm以下):35Gy/5fr.
嚢胞性病変は拡大することがあり、治療しにくい
手術は3~4cmで予後が望めるときに行う
※非小細胞肺癌の後ろ向き研究で髄膜播種への全脳照射に有効性は認められていない
※髄膜播種は無治療で予後4~6週間程度。髄液細胞診陽性率は70%
RPA分類 ※GPAスコアでは下記に脳転移の個数が加わる
1期:KPS70以上かつ65歳未満かつ頭蓋外活動病変がない:生存期間中央値は7.1ヶ月
Ⅱ期:Ⅰ、Ⅲ期以外 Ⅲ期:KPS70未満



下垂体腺腫
治療方針:手術+術後照射
処方線量は通常照射で45~50Gyだが、SRS(15~20Gy)が用いられることもある
※機能性腺腫はホルモン正常化のためSRSで25Gy以上が望ましい
SRSは視神経、視交叉の線量を10Gy以下にする
※腫瘍と視交叉の距離が5mm以下なら不可能


頭蓋咽頭腫
Kobayashi分類
治療方針:手術+術後照射(50-56Gy)
全摘後も15~45%に再発する
全年齢で発症するが、小児に多い
近年はSRTやSRS、ガンマナイフも用いられる
嚢胞を含めて照射する



嗅神経芽細胞腫
治療方針:手術+術後照射
篩骨洞限局の低悪性度なら術後照射不要
早期でLN転移は10%以下であり、郭清や予防照射は不要
頭蓋内進展が高率に起こる

男性の11~20歳と51~60歳に多い
Kadish分類
症状は鼻出血や鼻閉が多い



網膜芽細胞腫
治療方針:手術
放射線治療の感受性は高いが、二次癌リスクや眼窩成長障害のため、極力用いない
放射線治療を行うなら小線源治療や陽子線治療が理想。



脊髄腫瘍
治療方針:手術+術後照射

90%が神経膠腫(上衣腫:星細胞腫=2:1)
上衣腫 30歳以上 低悪性度ならRT不要 5yOS:90%
星細胞腫 小児/成長期 低悪性度でもRT考慮(浸潤性発育なので) 5yOS:57%



頭頚部癌
照射後の抜歯は骨髄炎や骨壊死のリスクが高い
照射中の喫煙で局所制御率低下、有害事象上昇
寡分割照射やインダクションケモセラピーが近年注目されている
免疫剤との同時併用は臨床試験中

IMRT 耳下腺の平均線量を50Gy→25Gyへ。G2有害事象発生率を75%→20%へ
2 step法:
メリット:標準分割法と同等のスケジュールなので効果や副作用が予想しやすい。輪郭変化に合わせて再計画。
デメリット:2回プランが必要。2つのプランの線量分布の合算ができない
SIB法:
メリット:1回で済む
デメリット:低リスク部位への1回線量が低く、生物学的効果に疑問

頭頚部癌のN
N(上咽頭癌とHPV+の中咽頭癌も同じ)
N1:患側6cm以下
N2:両(対)側6cm以下
N3:6cm以上 (上咽頭癌は鎖骨上窩リンパ節転移(輪状軟骨以下)もN3)

N(上記以外の頭頚部癌)※甲状腺癌を除く
N1:患側単発3cm以下
N2a:患側単発3~6cm
N2b:患側多発6cm以下
N2c:両(対)側6cm以下
N3a:6cm以上
N3b:節外浸潤あり(皮膚浸潤、神経浸潤、軟部組織浸潤)

Stage (上咽頭癌、HPV+中咽頭癌、甲状腺癌除く)
Ⅰ:T1
Ⅱ:T2
Ⅲ:T3/N1
ⅣA:T4a/N2
ⅣB:T4b/N3
ⅣC:M1
線量制約
耳下腺Mean Dose 26G以下
咽頭収縮筋Mean Dose 50Gy以下

リンパ節領域
耳下腺頭側―Ib―舌骨尾側―Ⅵa―胸骨柄頭側
Ⅶb―Ⅱ―舌骨頭側―Ⅲ―輪状軟骨尾側―Ⅳ
Ⅹb―舌骨頭側―Ⅴ


頭頚部腺様嚢胞癌
特に唾液腺癌で多い ※耳下腺癌に限らない
進行緩徐、40~60代に多い、神経浸潤多い、遠隔転移も多く、転移は肺に多い
リンパ節転移は少ない
晩期再発が多く、80~90%が10~15年の経過で原病死する。10yOS:58%
※神経周囲浸潤は予後不良因子


セツキシマブ
抗EGFR抗体薬
インフュージョンリアクション予防に抗ヒスタミン薬とステロイドを用いる
ざ瘡様皮疹を認めると予後○



上咽頭癌
亜部位:後上壁、側壁(Rosenmuller窩)、下壁(軟口蓋上面)

T
T1:上咽頭限局/中咽頭/鼻腔
T2:傍咽頭間隙/内・外翼突筋/椎前筋 ☆筋肉
T3:頭蓋底/頚椎/翼状突起/副鼻腔/斜台 ☆骨
T4:頭蓋内/脳神経/下咽頭/眼窩/外側翼突筋より外側/耳下腺 ☆神経

Stage
Ⅰ:T1N0
Ⅱ:T2/N1
Ⅲ:T3/N2
ⅣA:T4
ⅣB:N3
ⅣC:M1

組織
角化型(TypeⅠ):放射線感受性×、転移少ない
非角化型(TypeⅡ):放射線感受性○、転移多い、EBVと関連
未分化型(TypeⅢ):稀、EVBと関連

治療方針:化学放射線療法(Ⅰ期のみ照射単独)※Ⅱ期のケモ有効性は明らかではない

女性や低年齢が他の頭頚部癌と比べてやや多い
60歳代に多いが、15~39歳にも小ピークあり(二峰性分布)
翼口蓋窩を照射野に含める
特にV2(正円孔)、V3(卵円孔)、Ⅵ(海綿静脈洞)の浸潤が多い
予防リンパ節領域として2,3,4,5,7は含める。ルビエールリンパ節への転移が多い



中咽頭癌
亜部位:前壁(舌根、喉頭蓋谷)、側壁(扁桃、口蓋弓)、後壁、上壁(軟口蓋下面、口蓋垂)
HPV(dsDNA)の感染の有無が重要
HPV+の中咽頭癌は予後○、囊胞状のリンパ節転移、リンパ節頻度高い、若年・非喫煙者・非飲酒者に多い

T
T1:2cm以下
T2:2~4cm
T3:4cm以上/喉頭蓋舌面
T4a:喉頭/内側翼突筋
T4b:外側翼突筋/翼状突起/上咽頭側壁/頭蓋底
(p16+ではT4aとT4bの区別なし)

Stage p16+
Ⅰ:
Ⅱ:T3/N2
Ⅲ:T4/N3
Ⅳ:M1

治療方針:HPV-のとき
Ⅰ~Ⅱ期(T1/2N0):口腔法で可能なら手術。無理なら放射線治療単独
局所進行例は手術。無理なら化学放射線治療。
※扁桃原発T2N1M0はヘミネック照射

リンパ節予防域として2.3.7(,4,5)を含める
化学療法はシスプラチンが基本。高齢者や腎機能障害でセツキシマブ考慮。



下咽頭癌
亜部位:輪状後部(女性)、梨状陥凹(最多)、咽頭後壁(予後×)
重複癌が多く、約30%(最多は食道癌)
梨状窩外側の小腫瘍は喉頭温存手術の良い適応

T
T1:2cm以下(1亜部位)
T2:2~4cm(1亜部位超)
T3:4cm以上/片側喉頭固定/食道進展
T4a:甲状軟骨/輪状軟骨/舌骨/甲状腺
T4b:椎前筋膜/頚動脈/縦隔

Stage
Ⅰ:T1N0
Ⅱ:T2N0
Ⅲ:T3/N1
Ⅳa:T4a/N2
Ⅳb:T4b/N3
Ⅳc:M1

治療方針:
早期例(T1~2):化学放射線治療
進行例(T3~4):手術 ※術後照射することが多い

リンパ節予防域として2,3,4(5,7)を含める
化学療法:シスプラチン40mg/m2週に1度 / 100mg/m2 3週に1度

遠隔転移頻度が高く、肺転移が好発する




舌癌@舌縁が多い(慢性の機械的刺激が原因となるので)
T
T1:経2cm以下かつ深さ5mm以下
T2:経4cm以下かつ深さ10mm以下
T3:経4cm以上/深さ10mm以上
T4a:下顎骨/上顎骨/上顎洞/皮膚
T4b:咀嚼筋間隙/翼状突起/頭蓋底/内頚動脈
※深達度とリンパ節転移・予後には相関がある

治療方針
T1/2:小線源治療/手術
T3/4:手術
※術後照射はpN1-2aはヘミネック照射


※頬粘膜:唇粘膜、頬粘膜、臼後部、頬歯槽溝(口腔前庭)




上顎洞癌
T1:粘膜原曲
T2:骨吸収/破壊
T3:篩骨洞/眼窩底/眼窩壁内側/皮下組織
T4a:翼状突起/蝶形骨洞/前頭洞/皮膚
T4b:斜台/上咽頭

治療方針
T1:手術
T2-4:手術+術後照射
※T3-4は術前や照射前に化学療法が行われることがある。CRになれば根治CRT適応。
※標準ではないが動注療法の場合、栄養血管は主に外頚動脈である
※再発は局所再発が多い→初回治療が大切



喉頭癌
声門癌(66%)
T1a:一側声帯に限局
T1b:両側声帯に浸潤
T2:声門上(仮声帯)/声門下に進展/声帯運動制限
T3:声帯固定/傍声帯間隙/甲状軟骨内側皮質
T4a:甲状腺/食道
T4b:椎前筋間隙/頚動脈
声門上癌(30%)
T1:一亜部位
T2:二亜部位以上/舌根粘膜や喉頭蓋谷や梨状陥凹内側
T3:声帯固定/傍声帯間隙/甲状軟骨内側皮質/喉頭蓋前間隙※喉頭蓋前間隙は特に感受性×
T4a:甲状腺/食道
T4b:椎体筋間隙/頚動脈
声門下癌(4%)

治療方針
T1/2:照射単独
T3/4:基本は手術だが、CRTも選択肢

放射線治療
声門癌T2N0は喉頭に限局した照射野
声門上癌は上・中・下内深頸リンパ節を含める

治療成績
5年局所制御率
声門癌T1N0で80~95%、T2N0で70~80%
声門上癌T1N0で70~80%、T2N0で60~70%



唾液腺癌
方針:手術+術後照射
※ケモにエビデンスなし



甲状腺癌
T3:4cm超え(再発リスク)

乳頭癌・濾胞癌
Stage
55歳未満のM0:StageⅠ
55歳未満のM1:StageⅡ

放射線ヨウ素内用療法(131I 半減期8日間)
※β線で治療する。γ線も出るため診断に使える
① 遠隔転移例
3.7~5.55GBq
取れるところは切除してから行う
肺転移は効果良好で5yOS:60% ※逆に脳転移には無効。リンパ節転移や骨メタにも不良
② 術後補助(アブレーション)※全摘後に行う
1.11~3.7GBq
1.11GBqなら外来治療可能
T3症例などに用いる
目的は残存甲状腺除去、微小遠隔転移除去、術後血清サイログロブリン値のサーベイランス精度向上

投与方法
2週間前からヨウ素制限
4週間前からT4中止、2週間前からT3中止(TSHを上げることが目的であり。TSH製剤タイロゲン投与でもOK)

急性期障害
唾液腺障害、消化器症状、味覚障害



未分化癌
全てStageⅣ(A:T1-3a、B:T3a-4b/N1、C:M1)
治療方針:姑息手術、外照射、レンバチニブ。予後は3~7ヶ月程度
上縦隔リンパ節は所属リンパ節である



甲状腺眼症
喫煙で治療効果減少
放射線治療(20Gy/10fr.)とステロイドパルスの併用で治療効果上昇(60~80%)
照射は側方2門対抗でCTVに外眼筋と球後部の脂肪組織を含める
糖尿病の既往で放射線網膜症リスク上昇
効果は1~2ヶ月で見られ、安定するまでに6ヶ月以上を有する

原発不明癌
治療方針
手術(頸部郭清)→照射(咽頭喉頭粘膜、両側頸部)(→ケモ(特にN2や節外陽性に)




胸部
非小細胞肺癌
T
T1:3cm以下
T1a:1cm以下
T1b:1~2cm
T1c:2~3cm
T2:3~5cm。主気管支に及ぶが、気管分岐部に及ばない。臓側胸膜浸潤。肺門まで連続する無気肺
T2a:3~4cm
T2b:4~5cm
T3:5~7cm。壁側胸膜、胸壁(SST)、横隔神経、心膜、同一肺葉内結節
T4:7cm以上。横隔膜、縦隔、心臓、大血管、気管、気管分岐部、反回神経、食道、椎体、同側の異なる肺葉結節

N ※原発巣が所属リンパ節に浸潤している場合はリンパ節転移とする
N1:同側の気管支・肺門・肺内リンパ節
N2:同側の縦隔。気管分岐下
N3:対側の縦隔・肺門。鎖骨上窩

#1.鎖骨上窩リンパ節
頭側:輪状軟骨下縁
尾側:胸膜頂

#4L.左下部気管傍リンパ節
右側:気管左縁

#5.大動脈下リンパ節

#7.気管分岐下リンパ節
尾側(右):中間気管支幹下縁
尾側(左):左下葉気管支上縁


M
M1a:対側肺、胸膜結節、悪性胸水、悪性心嚢水
M1b:1臓器
M1c:多発臓器

Stage
ⅠA:T1
ⅠB:T2a
ⅡA:T2b
ⅡB:T1~2/N1,T3N0
ⅢA:T1~2/N2,T3~4N1,T4N0
ⅢB:T1~2N3,T3~4N2
ⅢC:T3~4N3



Ⅰ/ⅡA期非小細胞肺癌
治療方針:手術
※耐術能がなければSBRT
SBRT
処方線量は42Gy/4fr.D95処方
呼吸移動が10mm以上あれば抑制が必要
照射中心の固定精度が三次元的に5mm以内なことを毎回確認
肺門部中枢側腫瘍は分割回数を増やす:60Gy/8fr.
局所制御率は90% ※再発は遠隔転移が多い
グレードⅢ以上の副作用は5~10%、致死的な合併症は0.2%
JCOG0403では局所制御率85.4%、グレードⅢ以上の副作用:9%
肺V20を20%以下にする
食道は40Gy/4fr.を1cm3以下、35Gy/4fr.を10cm3以下にする
Supperposition法では2mm程度の計算グリードを用いる
間質性肺炎には禁忌

呼吸性移動対策加算条件
呼吸性移動対策を行わない場合に移動長が10mm以上であり、対策することで5mm以下にできるとき。
上記を毎回の照射で確認・記録すること。

呼吸移動対策
酸素吸入、腹部圧迫、メトロノーム法、呼吸停止法
呼吸同期法、動体追尾法

呼吸移動対策の施設基準(人的施設条件)
医師:放射線治療を専ら担当する常勤医師(定位照射なら常勤) 
※定位照射の動体追尾法では2人の常勤医師が必要で、1人は5年以上の経験が必要
技師:5年以上の経験を有する放射線治療を専ら担当する常勤技師
精度管理者:放射線治療を専ら担当する技術者

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