2020年度 放射線科専門医試験(一次試験)治療分野 解答解説

56~72まで解説しています。
公開しているまとめノートがあるとより理解が深まると思います。
返金は受け付けておりません。1/3は公開しておりますので、検討の上、申し込みください。

56
解答:a
ゾーフィゴ
223Ra(半減期11.4日)、α線(飛程は100μm以下)、排泄は糞便
OS延長効果あり。たまに血球減少を起こす
バイオマーカーはALP
アビラテロン(CRPCへの抗アンドロゲン薬)と併用禁忌(骨折リスク)、内蔵転移に禁忌
静注を4週間に1度。最大6回。
ゾーフィゴは全生存期間を延長した(緩和ではなく治療ができる)

a 全生存期間を延長した凄い薬
b 内蔵転移に禁忌
c α線で治療する
d 血球減少が起こることはあるが、頻度は低い
e 外来で治療する

57
解答:b、d
基本的にSCCは放射線感受性が高く、根治照射の適応となることが多い。

a 胃癌は基本的に手術(全摘が可能)
b 食道癌は手術でもCRTでも根治が可能(治療方針に迷うことがある)
c 直腸癌の放射線治療の役割は術前照射が主
d 外陰癌は基本手術だが、不可能ならば根治照射は可能(好発年齢が高く、手術が不可能なことも多い)
e 耳下腺癌の放射線治療の役割は術後照射が主

58
解答:c
前立腺癌の治療方針
前立腺癌の治療は放射線治療、手術、ホルモン療法であり、化学療法で治療するのは最後の最後(治療不応)である。

a 非小細胞肺癌にはCD療法やCP療法を行う。小細胞肺癌にはEP療法を行う
b 食道癌にはFP療法が基本
c 前立腺癌で化学療法をするのならドセタキセルである
d 子宮頚癌にはシスプラチンを用いる
e 頭頚部癌にはシスプラチンを用いる

59
解答:a
IMRTでは通常の普通の照射(コンベンショナル照射)のように処方点(リファレンスポイント)への処方ではなく、ターゲットのどのくらいの体積にどのくらい当てるというVolume処方を行う。
PTV D95処方とは処方線量をPTVの95%領域に投与すること。

60
解答:a、e
定位照射
比較的小さな標的に照射中心の固定精度を高くして大線量を投与する。
適応は肺癌、肝癌、腎癌、前立腺癌、脊椎腫瘍、膵癌、オリゴメタ、聴神経鞘腫、動静脈奇形

61
解答:e
IMRTはリスク臓器への線量を抑えて副作用の軽減の側面が強いが、上咽頭癌では生存率の向上が示されている。

62
解答:b、e
並列臓器と直列臓器
直列(1箇所やられたらダメになる):脊髄、小腸、神経、気管
並列(1箇所やられても他で代償可):腎臓、肝臓、肺

63
解答:a、b
a 膠芽腫はまず手術。その後、TMZ併用放射線治療
b 髄芽腫まず手術。その後、ケモ併用で放射線治療
c 放射線治療単独治療
d 転移性脳腫瘍は手術、放射線治療のいずれでも基本的には単独治療
e PCNSLはMTX後に放射線治療を行う。

64
解答:b、d
喉頭癌
治療方針
T1/2:照射単独
T3/4:基本は手術だが、CRTも選択肢
放射線治療
声門癌T2N0は喉頭(声門)に限局した照射野、70Gy
声門上癌は上・中・下内深頸リンパ節を含める
※頭頚部癌への放射線治療は6MV以下を用いる(ターゲットが皮膚表面に近いため、ビルドアップを抑制させる必要がある)

a 頭頚部癌への放射線治療は6MV以下
b 頭頚部癌への根治照射は70Gy/35fr.が基本
c 頭頚部癌は治療期間延長が生存率の低下につながる
d 喉頭癌T3以上ではシスプラチンを併用する
e 喉頭癌でシスプラチン併用は局所制御向上を目的としている

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