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【インタビュー】駐在同行中に自分と向き合い見つけた、「得意」と「やりたいこと」が重なる活動とは

配偶者の転勤の辞令。配偶者に同行していった先で「何かをしたい」と感じつつも、「何をしたいのか、どうしたら良いのか分からない」という気持ちを感じる方は多いのではないでしょうか。

今回お話を伺ったさなさんは、配偶者の海外転勤を機に長年勤めた会社を退職して子どもと一緒に同行したアメリカで、コーチングやカウンセリングといった個人としてのサービスの提供をしたり、業務委託で仕事を請けたりしてさまざまなことに挑戦されているとのこと。

そんな風にいろいろな活動をされているさなさんも、最初は「自分にはどこででも活躍できるような経験やスキルなんてない」と悩み、試行錯誤をし続けたそうです。

そこで、さなさんに今に至るまでにどんな心境の変化があり、どう行動したのかなど、教えていただきました。

<さなさんのプロフィール>
【私らしく、あなたらしく、共につくる居場所を】
Gallup認定ストレングスコーチ|才能を活かして一歩踏み出す
自分に "ちょうどいい" 暮らしと仕事|元トヨタ人事12年|7歳男子ママ
じっくりコツコツ真面目に|自分軸手帳愛用|ダラス在住🇺🇸どさんこ🐎

「できる」ではなく「やりたい」という視点で考えられるようになるまで

――はじめに、現在さなさんが行っている活動を教えてください。

コーチングやカウンセリングをメインに行いつつ、自分の好きなことや得意なこと、やってみたいことなどに挑戦しています。個人としてのサービス提供としてコーチングやカウンセリング、業務委託でコミュニティ運営や企画運営、他には大学の研究員という肩書きも持っています。

――たくさんの活動をされていますね!普段ご自分の時間はどのくらいあるのでしょうか。

平日は子どもが学校に行っている8時頃から3時頃までの間を自分の時間にできるので、日本で働いていた時間がまるっと自分の時間になっている感じです。だから時間が足りないとか、ないという感覚にはあんまりなっていません。アメリカの早朝に日本とのミーティングやコーチングを入れることもあります。そんなときは早寝早起きをして、子どもが起きてくる前に2時間ぐらい自分の時間を取っています。

――お仕事を始められた当初はどうやって探したのでしょうか。

最初は、クラウドワークスで自分にできそうな仕事を中心に探して応募しました。やってみる前は、「自分の経験やスキルでできることなんてあるのかな」って思っていたんですけど、やってみたら意外とできることあるなって思えて、少し自信が出てきたんです。ただ、毎回単発での仕事だったので、あまり自分がやっている意味を感じられなくて。また同じ仕事をやりたいのか、そもそも私は何をやりたいんだっけと考えて、自分と向き合い始めました。

――行動を起こしたことで、新しい悩みが生まれたんですね。どんなふうに自分と向き合ったんですか。

コーチングを受けたり、自分と向き合う3ヶ月のプログラムというものに参加したり、いろいろな方法で自分と向き合うことを続けました。それを続けていく中で、自分の強みに気付いたり、好きなことや得意なことを認められるようになったりして、強みや得意なことを活かせる仕事や、活かしてやりたいことが何かを考えるようになりました。何かをしたいと行動し始めたときには自分にできることという視点で考えていたけど、やりたいことは何かという視点で考えられるようになって、だんだんチャレンジしたいと思えるようになっていったんです。

――アメリカに来てから学んで身に着けたこともありますか。

アメリカに来てから ストレングスファインダーのコーチング資格を取りました。元々前職で人事の仕事をしていたのでキャリアコンサルタントの資格は持っていましたが、資格を取った当時は仕事に役立つから取っておいた方が良さそうだという気持ちが大きくて、学びたいと思って取った感じではなかったんです。それからアメリカに来て、やりたいことってなんだろうと1人で考えてもなかなか答えが出ない中、キャリアカウンセリングやコーチングを受けて、やっぱり話を聞いてもらうってすごく良いと感じました。それで、今度は自分が本当に学びたい、好きという気持ちでコーチングを学んで、今は仕事にするまでになっています。


駐在同行は前向きに受け止めていた。それでも感じた気分の浮き沈み

――さなさんは、以前は会社員だったのですよね。そのときはどのようなお仕事をされていたのでしょうか。

大手自動車メーカーの人事でした。1番長く携わったのは従業員向けの研修を企画して運営する業務です。特に新入社員の研修を担当している期間が長く、5年ほど担当していました。講師や研修の企画が主な仕事で、大体1,000人くらいを対象にして半年間の研修を行っていたんですよ。今振り返ると、その研修を担当することで、プレゼン力や大勢に分かりやすくまとめて教える力を学んで身に着けることができたと思っています。

――駐在同行を決めた経緯について教えてください。

子どもを生んで、育休後に復職してから3年目頃に夫に海外赴任の話が出たんです。当時私はフルタイムで出産前と同じような働き方をしていて、すごく楽しかったしやりがいも感じていた一方で、家庭や子育てとの両立にすごく苦労していた時期でした。夫も忙しかったため家庭内での分担もうまくできず、本当につらいと感じていたタイミングだったので、海外赴任の話が出たときに「良いチャンスかもしれない」って思えたんです。

そのときまでは会社を辞めようとは全く考えていなかったんですが、自分の理想とする仕事や家庭のあり方を考える良い機会かもしれないという気持ちが大きくなって、会社を辞めて海外赴任に同行する決断をして、夫は2020年の10月、私と子どもは2021年1月に渡米しました。

――実際に駐在に同行してみて、どんな心境でしたか。

かなり気分の浮き沈みを感じました。元々アメリカに住むことを楽しみにしていたので、来た当初は結構楽しく過ごしていたのですが、子どもと日中ずっと一緒に過ごすことに最初の壁を感じました。出産後は早期に復職していたので、それまで子どもと長い時間過ごした経験がなくて。子どもと過ごせる喜びよりも、自分のことが何もできないという気持ちを思った以上に感じて……子どもは当時4歳だったので通わせるスクールを決めて、環境を整えるまでの最初の数ヵ月は本当に必死でした。

その後、子どもがスクールに通い出して自分の時間が持てるようになっても、時間があるのに何もしていない自分に悩みましたね。それまで仕事に力を注いできたので、何もしていない自分に違和感があって。退職し、会社の肩書きがなくなったことで、経験やスキルについて問われたとしても胸を張って言えるような、どこでも通用するような経験やスキルなんてないと感じました。でも、何かしたいと思って、とりあえずできそうなことから始めて、少しずつやりたいことを中心とした活動をするようになりました。

学んだ先の、最初の一歩を踏み出す勇気を出すために

――今されている活動は「やりたい」という気持ちから始まったものばかりということですよね。どうやって見つけて仕事になっていったのですか。
参加していたコミュニティで自分の得意なことをシェアする場があり、そこで私が話したことを覚えててくださった方が、合いそうなお仕事があると声をかけてくださったことで、大学でのお手伝いの仕事につながりました。友達からすごく私に合っていると思うよって紹介してもらって、面白そうって思って自分から手を上げて申し込んだところから始まった仕事もあり、それはもう2年以上経ちますね。

――現地就職も考えたことはありますか。

はい、あります。働きたい気持ちはベースにありましたし、会社は辞めてきたけれどもアメリカにも現地法人の同じ会社があるので、現地で働くということも考えました。でも、せっかくアメリカに来たんだし、元の会社とは違う世界も見てみたいし、何か違うことにもチャレンジしてみたいという気持ちと、英語で働くというのはハードルが高いという気持ちがあってその選択肢は消えました。駐在妻として働くことには手続きの問題など、いろいろと越えなければいけないハードルがあって。それでも、個人で働くってことは意外と簡単にできるかもしれないと思って、そこから始めたんです。

――今まで活動をしてきた中で、大変だったことはありますか。

今は結構のびのびと本当にやりたいと思ったことをやれているのですが、初期の頃はものすごく悩みました。コーチングを学んだあと、コーチとして人に提供するっていうところにまずはハードルを感じて。やっぱり学ぶことと、実際に実践していくのは全く違うなと。 学ぶだけでもものすごく得るものがあるので満足度は高くても、次にアウトプットして実践していこうって段階にきたら 「まだ自信ないな」「セミナーとかやるにしても、誰も来てくれないかもしれない」とか、「こんなことを発信して変って思われないかな」とか不安になってしまって、最初の1歩を踏み出すまでにすごく時間がかかりました。

――アウトプットができるようになっていったきっかけはあったんでしょうか。

誰かに話を聞いてもらったり、すごくいいと思うよって言われたりするとそれが自信になって、背中を押してもらえました。なかなか1歩が出ないときは、自分自身がコーチングを受けて、そこで背中を押してもらって1歩を踏み出す、そしてその1歩が自信になって、また次の1歩が出るという繰り返しでした。

――発信はどうやってしていきましたか?

最初はInstagramから始まって、次にX(旧twitter)で発信していきました。Instagramは発信用に新しくアカウントを作って投稿はしてみたものの、 これでいいのかなとか、なかなか気が乗らなくって。そんなときに、似た境遇の子と 2人でやったらできるんじゃないかって話になり、2人でInstagramを研究して、投稿してみるというチャレンジを始めました。それによってInstagramの使い方や、どうしたら良いかなどが少しずつ分かってきたので、仲間の力を頼る、誰かと一緒にやるというのは、すごく効果があることだと感じています。

会社員も楽しかった。でも、辞めて駐在に同行したことが、今の自分に繋がっている

――今の現状にはどのくらい満足していますか。

めちゃくちゃ満足しています。悩んだ時期もありましたが、会社員を辞めたからこそ今に繋がっていると思えますし、反対に会社員を続けていたら今の活動はやっていなかったのではないかなと。日本にいたときは子育てと仕事ばかりで自分の時間が一切なくて、自分が何をやりたいかなんて考えてもなかったんですが、時間ができても、社会とつながっていたい、貢献したいという感覚が自分の中に結構強くあったことは発見でしたね。そんな中で、私ができること、やれること、やりたいことを考えて今の活動ができていて、幸せだと感じています。

――本帰国になったらどうするかなど、今後の目標について教えてください。

私はいつまでに何を成し遂げたいという長期目標ってあんまり持っていなくて、フォーカスしているのは「今」なんです。本帰国の時期も未定なので、このタイミングで帰って私はこれをするっていう明確なことは何も決まっていません。だから、来年には言っていることが変わっているかもしれないんですが(笑)。

コーチングとかカウンセリングをメインにした活動っていうのを継続したいと考えています。今は時差の関係とかもあってできる範囲が限られているし、対個人でやっているのがほとんどなんですが、日本に帰ったら、組織や企業の中にも活動の枠を広げていけたらいいなと。理想は、私がそうだったように、話を聞いてもらうことでしんどさがなくなったり、本当にやりたいことを見つけたりできる人を増やしていきたいと思っています。それを個人から組織、組織から社会へ、できる範囲を広げられたらなお嬉しい。

そう思ってはいますが、とにかく今は自分がやりたいと思ったことで、かつそれが得意なことや好きなことにつながっていたらいいなと思って動いています。


今回は私と同じアメリカに駐在同行中のさなさんにお話を伺いました。駐在に同行するまで会社員で、辞めてからの気分の浮き沈みがあったくだりにとても共感しました。それでも少しずつできることからやりたいことへ挑戦するさなさんの姿がとても素敵で、インタビューしながらも勇気をいただきました。駐在同行は先が見えない不安がつきまとうものですが、私も「今にフォーカス」という言葉を胸に、頑張りたいと思います。さまざまなお話を聞かせていただき、ありがとうございました!

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<最新のさなさんの情報はこちらから>

Instagram:Sana|🇺🇸ライフキャリアコーチ(@sana.tx_coach) 

X▶さな|🇺🇸ライフキャリアコーチ (@sana_texas) / X (twitter.com)

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インタビュアープロフィール:やまゆか
元ハウスメーカー勤務の実績やブログ執筆経験を活かし、フリーランスライターとして活動中。2017年生まれの1人息子がいる母でもある。夫の海外駐在に同行し、現在はアメリカ在住。好きなことは、スポーツ、食べること、寝ること。
X(旧Twitter):https://twitter.com/ymmayu55

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