J1 第23節 鹿島アントラーズ×北海道コンサドーレ札幌
■スタメン考察
前節複数入れ替えた鹿島。CBは関川が復帰。左SBには永戸に代わって杉岡を起用。鳥栖戦の終盤のプレーを見るに、永戸もかなり疲労が溜まっているように見えたので、このタイミングでスイッチしたと考えられる。ボランチにはレオが復帰。お決まりの永木とのローテだ。右SHにはアラーノが復帰。左SHは和泉に代わって荒木。和泉も連戦疲労を考慮したとみる。トップのコンビは土居とエヴェラウド。前節ハイパフォーマンスを見せた白崎が怪我?との情報があり、かなり心配なところ。いずれにせよ、沖、犬飼、小泉、三竿、エヴェラウドあたりは固定傾向にあるので、フィジカル・メンタルの負担がチーム内で偏ってきているかもしれない。今月あたりで何か対策を打たねば、ガス欠も時間の問題だ。ザーゴが求めるサッカーを体現できる選手がはっきりしてきている中で、次なるステップに行くためにもここ1ヶ月で核を脅かすような序列入れ替えが待たれる。
■球際と熱量
この試合を振り返る上でまず、球際の攻防について触れたい。今節担当の木村主審は試合開始直後から激しい球際のプレーに対して、割と流す傾向にあった。また、選手同士の振る舞いを見ても、互いにバチバチしてる感は強かったように見える。若干話は逸れるのだが、今の鹿島にとってこのような外的要因で熱の入るシチュエーションの試合はとても有意義であると思う。今シーズンの鹿島はメンバーも大きく入れ替わり、タイプ的には大人しいチーム。そのため、サポーターが感じる熱量という意味では少し物足りないのかもしれない。そんな彼らにとって、疲労が溜まった中でのこのシチュエーションは内にある熱いものを奮い立たせる意味で良い訓練となったはずだ。
■消耗(1)
序盤から鹿島は札幌の変則システムに翻弄される。まず、札幌2トップは鹿島CBを分断にかかる。同時に2トップは上下にも動くため、誰がどこまで監視するかの判断に苦戦を強いられた。本来であれば、ボランチにヘルプしてもらいところだが、ボランチも荒野・宮澤・高嶺の流動的な中盤にてんやわんやであった。こうしている内に鹿島は札幌に動かされて消耗してしまう。
■消耗(2)
守備で消耗した鹿島。「じゃあボール持った時に休めばいいじゃん!」それがそう上手くいかない。マンツーマン気味にマークをついてくる札幌に対して、鹿島の選手にゆっくりボールを持つ時間がなかった。また、頼みのエヴェラウドがキム・ミンテに抑えらることで苦しい展開となってしまった。こうなると鹿島の攻撃は悪循環だ。
パスコースがない→バックパス→陣地奪回のロングキック→回収できずにボールは札幌へ がひたすら続いてしまったのだ。
■主導権を握るサッカー
鹿島は今シーズン、これまで以上に主導権を握るサッカーを目指している。それに反して、今節は主導権をひたすら握られてしまった。もちろん、札幌の戦いぶりは称賛に値する。リスクも承知で勇敢に戦ってきたのだから。今回の敗戦で改めて主導権を握るサッカーを考えると、決してボールを持つことや自らハイプレスを仕掛けることだけではないなと再確認させられた。個人的には今節のように相手から仕掛けられた時に、あえてお付き合いをしないことが主導権を握ることに入るのではないかと思う。例えば、ポジションを入れ替えてくる相手に対して、あえて放置して自陣に城壁を組むことで無効化したり、マンツーマンならCBがオーバーラップ仕掛けてみたりと。後出しジャンケンを続けることで戦いの幅も広がり、もはやどの相手にも主導権が握れるのではないだろうか。
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