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J1 第12節 鹿島アントラーズ×ガンバ大阪 【Danke Uchida】


今節限りで現役引退をした内田篤人。僕が初めて憧れたプロサッカー選手だ。そんな特別な選手の現役最後の試合を今回は、僕の個人的な思いとともに振り返る。本来は個人の特別な感情をいれないよう「客観性」を考慮している本noteだが、今回ばかりは思いのまま書こうと思う。


■内田篤人への思い

僕にとって「プロサッカー選手 内田篤人」は特別な存在だ。小学校の時、クラブチームでサッカーをやっていた(DF)僕は彼のことをルーキーイヤーからずっと注目していた。もちろんグッズも買った。「内田は日本代表になる!」と子供ながらに予想していたこともあった。そんな彼が鹿島でのキャリアをスタートさせ日本代表になり、シャルケでCLにでた姿はプロサッカー選手を目指していた僕に夢を与えてくれた。そうしていつしか、自分も「鹿島のSBになりたい」と思わせてくれた。結果、僕の夢は叶うことはなかったが、おかげでサッカーを一生愛することができそうだ。本当に感謝しかない。

(グッズ)

(過去記事)


■引退の発表

正直、ここ数年の彼の稼働率などを考えても、引退はそう遠くはないと思っていた。ひとりのファンとして覚悟も持っていたつもりだった。しかし、いざ引退の発表を知った時にはとても寂しくなった。「心に穴が空くとはこういうことか、、」と感じ、内田篤人は僕にとって特別な存在だと再認識した。


■現役最後の試合

現役最後の試合。内田のコンディションやチーム状況的にも、リードして最後に出場くらいが理想だと思っていた。しかし、広瀬の負傷により急遽出番が回ってきた。最後までずるい。いい意味で。


■内田のプレー

約75分のプレーで彼は「これが俺のプレーだ」と言わんばかりに全てを出し切った。本当にかっこよかった。現役ラストのプレーは彼がキャリアの中で磨いたものが凝縮された試合になった。

18:40~

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このシーンでは、ボールを受けてからのプレー選択に内田らしさがでていた。まずボールを受けた時の内田の目線は明らかに対角線上の逆サイドに向いていた。(DAZNの映像では左サイドの状況が把握できなかった。)まずは遠くをみる「目」が彼の武器でもある。

21:30

倉田に対して、スライディングタックルをしたシーン。ボールをロストした瞬間にすかさず刈り取りに行く。なんだかドイツっぽいなと思った。Jリーグでも、ロスト選手がタックルすることはよく見かけるが、ニュアンスが違うように見える。この内田のタックルは「諦めずに取り返す」ではなく「潰しにいく」タックルだ。涼しい顔でタックルするぐらい体に染み付いたものだ。

46:40

三竿のパスに対して、自らスルーしてクロスを送ったシーン。内田の凄さの一つにクロス精度がある。厳密に言えばふかさないクロスだ。よく、クロスをあげる選手が体勢に負けてクロスを明後日の方向に飛ばしてしまうのを見る。僕もサッカーをやっていたのでわかる。ふかさないようにすればニアにひっかけるし、ニアを越えさせようとすればどっか行っちゃうみたいな。内田の場合はこの微調整が抜群に上手い。体勢が崩れながらも合わせてくる。長友などは体幹で補ってるように見えるが、内田は感覚的なところに長けている。

45:30(後半)

エヴェラウドへのスローイン。現代サッカーにおいて重要視されているスローインのテクニック。飛ばすことも必要であるが、いかに考えて前に供給できるかも必要な要素だと考える。ただ預ければいいというものではない。内田はキャリアの中で、ロングスローを使うこともあった。飛距離は平均以上というところだが、このシーンのようにスペースに上手く落としながら距離を稼ぐ。また、彼のスローインにかける時間は長い。よく考えながら投げようとしているし、考えているフリをしてポイントをごまかすこともできる。

83:10

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これぞ内田の真骨頂、タイミング抜群の裏抜け。怪我の影響で1試合あたりのスプリント回数に限りはあったが、錆びていない。対峙する福田が内田の位置を確認したときには既に背後にいた。このプレーは内田がルーキーの頃から磨き続けたものであり、懐かしさを感じるものであった。

現役ラストキック

敗戦が現実味を帯びてきたロスタイム。内田は最後までずるかった。結果、現役ラストプレーとなるキックで得点を生み出した。パワープレーでロングボールが求められていた場面だったが、そのキックの強さ長さともに完璧で、ゴール前の後輩たちへ最後のメッセージを送ったのだ。これが内田篤人だ。


■最後に

この試合で引退した内田篤人。最後まで内田は内田だった。試合後のスピーチでは、思いのこもった熱い気持ちを伝えてくれた。華奢で若々しさがあふれていた選手がこうやって、大勢の前で堂々とスピーチをしている姿をみて鹿島アントラーズの強さを感じた。サッカーだけではない、ひとりの立派な人間を育てるクラブだ。こうやって鹿島の歴史はいつまでも続いていく。

内田篤人へ
最後まで夢を与えてくれてありがとう。そしてお疲れ様。これからも鹿島アントラーズをよろしく。


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