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町田浩樹の変化

今や鹿島のディフェンスリーダー的存在となった町田。特に五輪後の彼の安定感は目を見張るものがある。そこで今回は彼の「変化」について考えていく。

■比較方法

Football LABのチャンスビルディングポイント(CBP)を参考にする。

>CBPとは、「選手(またはチーム)が試合を通じてどれだけチャンス機会を構築することができたか」を独自のロジックにより数値化した指標です。選手(またはチーム)に対する評価方法が様々ある中で、「シュート機会への貢献」という観点での評価に軸足を置いています。
>フィールド上で発生するプレーを「プレー項目(パス、ドリブル、クロスなど)」と「エリア」で定義し、①そのプレーがどの程度シュートに結びつくか、②そのプレーがどの程度難しいか、という2つの視点に則った算出式を用いてスコア化します。すなわち、フィールド上で発生する全てのプレーにポイントを与えます

そのプレーがどの程度シュートに結びつくか
=該当プレー×エリア別シュート到達率(当該エリアでのプレーが、最終的にシュートに到達する確率)

そのプレーがどの程度難しいか
=該当エリアにおけるプレーの難易度(当該エリアでのプレーが成功する難易度を独自ロジックでスコア化)

データについては、2021シーズン、2020シーズンのデータをピックアップ。前提として、このデータはあくまで参考的なものなので、やっているサッカーや相手によって当然内容は異なるのでこの結果ひとつで一概に比較できるものではない。そこらへんはご理解いただきたい。

■守備

>相手のプレーの成功(味方へつなぐ、もしくはゴール)を阻止した場合に、成功していれば攻撃側に付与されていたポイントがそのまま守備側に与えられます。よって味方ゴールに近い方が高いポイントが付きます。奪取と違いマイボールにならなかったとしてもポイントとなりますので、クロスボールをクリアして相手にコーナーキックを与えたとしてもクロスを阻止したポイントが加算されます。

2020シーズン:2.49

2021シーズン:2.90

やはり今シーズンの町田は守備が大幅に改善された。この指標は奪取と違いマイボールにならなかったとしてもポイントとなるので、いかに相手の攻撃を摘んで跳ね返したかがわかる。また、五輪後で言うと後ろからのアプローチが劇的に上手くなった。これまでは追突ばかりしていたのが、最近は後ろからノーファウルで足を伸ばしたりと賢さが増した印象。

■奪取

>相手のパス、クロス、ドリブルなどのアクションからボールを奪い自チームの攻撃につなげたプレーに対してポイントが付与されます。ポイントは相手のパス、クロス、ドリブルなどのアクションの失敗確率から算出されるため、相手チームがパスを通しやすいはずの高い位置でボールを奪うと高いポイントがつきやすくなります。

2020シーズン:2.49

2021シーズン:2.90

相手のパス、クロス、ドリブルなどのアクションからボールを奪い自チームの攻撃につなげたプレーに対してポイントが付与される奪取。これも劇的に改善された。特に今年はカウンターでの対応に強さを見せており、かつての昌子を彷彿させるプレーぶりだ。

■パス

>味方にボールをつなぐことを意図したプレーをパスとしています。クロスは別途ポイント化しているためこちらには含めません。セットプレーは除かれます。

2020シーズン:2.49

2021シーズン:2.90

次にパス。この値も大きく伸ばした。これまではわりかし安全なパスを出すことが多かったが、今年は荒木など中間ポジションにいる味方に「刺す」パスが増えた。東京五輪でスペイン代表として大活躍したパウ・トーレスが得意とするプレーだ。※サムネはコラ画像

■ゴール

2020シーズン:無得点

2021シーズン:5得点

極め付けはゴール数ここまで5得点と鹿島の貴重なターゲットマンになっている。数字で評価されるこの世界においては価値を大きくあげる特別なものだ。


■余談

余談になるが、プレー以外に町田は2つの変化がある。
1つ目は着用スパイクを夏からプーマに変えたこと。

2つ目は両手のテーピングを巻くようになったこと。

どれだけプレーに影響しているかは分からないが、本人も色々試行錯誤しながら取り組んでいるのは確かだろう。

■まとめ

間違いなく、今年の町田はバージョンアップしてる。もしかしたら、鹿島で見れるのも今年で最後かもしれない。それほどのレベルまで確実に到達しているし、次のステップはA代表のセンターバックなどの対世界。吉田や冨安の壁は高いが、鹿島で育ったマチなら必ず超えられる。これからも応援しているぞ!!

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