パーフェクト黛冬優子

シャニマス世界では、難しいダンスを完璧に踊る芹沢あさひが称賛される。ストイックにトレーニングに勤しむ夏葉の姿も、様々なコミュで目にするだろう。冬優子は多分スキルとしては突出していなくて、アイドルというものに対する理解度とファンへの対応の良さが強みになっている、ちょっと場外戦闘に寄ったアイドルだ。

だけど、そうじゃなきゃ担当じゃなかったかもしれないとも思う。

冬優子はあさひをこう称したが、正直に言えば283プロのアイドル全員がどこか自分とはかけ離れた存在に見えている。容姿が、とかそういうことじゃなくて。在り方があまりにも真面目で、全力で、キラキラしていて、正しくてーーそれが怖い。

自分はそうなれないから。凄いなと憧れる一方で、どうしても惨めになる。

勝手な事を言うのなら、冬優子は初めこちら側の人間だったのだと思っている。勿論冬優子は強い。可愛い。努力の人だ。人に好かれるための人格というのは、人を傷つけないための人格でもある。そんな優しい姿をずっと維持するというのは並大抵のことではない。

だけど、そんな彼女も高い壁を目にしたら逃げるのだ。何度も何度も、逃げてきたのだ。

私は冬優子が一度逃げたことに安心した。そして、そのあと帰ってきたことに感銘を受けた。ああ、彼女は生きているんだと思った。

何の話だったか。

冬優子は仕事には穴を開けていないから、ファンは彼女の葛藤を知らないだろう。外から見たらきっと、冬優子もまた正しいアイドルなのだ。

だけどプロデューサーの私は、冬優子が人間だと知っている。人間なのに、アイドルをやっている。凄い。私はまだまだ逃げている。ダメだなぁ。悲しくなってきた。早く逃げずに向き合えるようにならなくちゃと思う。頑張るね、冬優子。

でもまあ言いたいこととしては、冬優子は凄く共感しやすいキャラ設計をされていていいなってことだ。甜花ちゃんはちょっと極端過ぎる。一緒に頑張るって言うより応援するみたいになってしまう。

冬優子は一緒にゴールしようって言わない。だって、言ったら嘘になるから。冬優子は誰かと走らなくちゃいけないような体力に自信のない人間よりも早くゴール出来てしまうから。だからきっと、「ふゆも頑張るから一緒に頑張ろう」とだけ言うだろう。「それぞれ走りやすいペースがあると思うの」と困ったように付け足して。

分からん。私の妄想である。でも、冬優子のために頑張ろうかなと思える日が増えたので、シャニマスには感謝している。

日記なのに日付け変わってる。だめじゃん。おやすみなさい。