見出し画像

やる気スイッチ

時々、塾などのCMで「やる気スイッチ」という言葉を聞くことがあります。
「やる気スイッチ」というのはどんなことなのでしょうか。
褒められてやる気になる、叱られてやる気になる。確かにスイッチのようなものがあるのかもしれません。
やる気スイッチを「押してあげる」という代表的なものは「褒める」こと。子どもは(大人も)人から褒められると嬉しいので「褒める」とやる気になります。その上、ご褒美などをもらうとさらに嬉しいので、また褒められようともっと頑張る。ただ、こうした外からのやる気の付け方は気を付けないと依存症のようになることもあるそうです。
先生や親にもっとよく褒められたいと、人の顔色を見るようになる。いつも褒められていた人が、「出来て当たり前」とみられるようになり褒められなくなると、今度は不安になる。褒めてほしい、認めてほしいと他人の評価が気になる。「褒める」ということは確かにやる気を高めることですが、扱いに気を付けなければ却って不安な人を増やすことになりかねません。
 
そもそもやる気は自分の中のもの。人に押されなくても、自分で勝手にやる気が高まることもあります。
例えば、仕事の全体像が見えず、言われた仕事をやるだけ、一部分の仕事をやっている感覚の若手の時にはやる気がわかなったのに、年数が経ち全体を任されるようになると、責任と共に仕事の本来の目的や意義がわかってくるようになる。
「自分の仕事はこんなにもたくさんの人に影響を与えているのか。こんなにも喜んでくれる人がいるのか。」仕事の意義、仕事の面白さがわかってきた時に「やる気スイッチ」が入ります。誰かに押された訳でなく、意義がわかった、面白さに気づいたという時に、自分の中で勝手に入るスイッチです。若い人をみていると「最近、目つきや顔つきが変わってきたな」と感じる時がありますが、やる気スイッチが入った人は雰囲気や行動が変わってきます。こちら側のやる気は、他人の評価などを気にしない、良質なモチベーションです。
 
そもそも、人に押されて「やる気」になる、ならなったかりするのは自分の人生を他人に委ねているようなもの。本当は自分がやりたいからやる、自分が面白いと思うからやるという「やる気」が本物のやる気。人に左右されるやる気より、ずっと続く持続的なやる気こそが、本来大事にすべきやる気だと思います。
 
褒めるにしろ、叱るにしろ、そのことで、その人が仕事の意義や面白さにいかに気づいてもらえるように仕向けるか。他人には押せない自分の内部のスイッチは、そのような環境をつくってあげることしかできないのかもしれません。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?