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伊那食品工業の「未来を見据えた経営」と「社員のやる気」

 コロナ禍の中で日本を元気にしようという思いを込めて、新しいセミナー「未来×幸せ経営フォーラム」を立ち上げ、4回シリーズの第1回目を先週の木曜日に開催させていただきました。たくさんの皆さまにオンラインで参加いただき、誠にありがとうございました。毎回、新しい挑戦はドキドキします。でも、その緊張こそ、生きている実感でもあり、挑戦することの大切さを感じる時間でもありました。

 未来×幸せ経営フォーラムは、毎回、経営者や専門家をゲストにお迎えし、私(西川)と鼎談をするという企画です。今回は、伊那食品工業の塚越社長と、経営品質やリーダーシップ教育で昔からお付き合いのある鬼澤慎人氏をお迎えし、「どんな時代にもぶれない年輪経営」というテーマを掘り下げていきました。


 創業から60年近く増収増益を続ける伊那食品工業さんをしても、このコロナ禍で業績が下がっているそうです。当初は経費削減という方向になっていたようですが、見通しが立ってからは、どんどん経費を使いなさいという元の方向に戻されたそうです。
 ご存じの通り、この会社の方針は「経営の目的は社員を幸せにすること。社員の幸せを通して地域や社会に貢献する」というものですから、経費を使うということは少しでも社員を快適にしてあげたいという理念を実現すること。塚越顧問は以前から「自社の経費は他社の売上」と仰っていますが、取引先に値段交渉をしたり、値切ることは一切されません。だからこそ、取引先からも信頼され、伊那食品工業を尊敬する人が増えていくのでしょう。経費に対する考え方から違っています。

 しかし、こうしたことができるのも、以前から、常に将来のことを考え、商品開発に力を入れたり、品不足による相場価格を解消するために海外に原材料の調達先を開発したり、寒天の需要創造のために新しい用途を開拓し続けるなど、未来へのタネをまき続けてこられたからこそ。「目先の利益に惑わされず、遠きをはかることが豊かになる」という二宮尊徳氏の思想をぶらされなかったからです。

 こうしたしっかりとした経営の基盤づくりと共に、伊那食品工業さんには、「社員同士が家族のように安心して働く土壌」があります。社員のことを「伊那食ファミリー」と呼んでおられます。この会社には、売上を上げるために社員を競わせる成果主義もなければ、上司と部下、部門間の壁もありません。新人さんも「ここでは何を言ってもいいんだ」という感覚を持ち、安心してお仕事をされています。
 成果主義もなく、昔からの年功序列の賃金制度で、どのように社員のモチベーションを高めているのでしょうか。気になって質問をさせていただきました。答えは社員が幸せを実感しているから。会社からのたくさんの思いやりを感じているからこそ、お返ししようという気持ちになっておられるようです。
 セミナーの途中で急にインタビューさせていただいた社員さんは、「あこがれる先輩がたくさんいます。その存在が私のモチベーションです」と言われていました。輝いて働く先輩の姿から、一生懸命に働くことで自分も成長できるというイメージがわいてくるのでしょう。感謝の心や成長の実感。外発的動機で生まれない、純粋で良質なモチベーションが生まれているようです。未来を見据えたしっかりとした経営(ビジネス)と安心して働ける職場から生まれる社員のやる気。いい会社に共通するキーワードですね。

 次回のゲストはバグジーの久保社長と西精工の西社長。そうした「安心して働ける職場」をどう実現していくのか、リーダーは何をすればいいのかをテーマに開催する予定です。また、皆さまとお会いできることを楽しみにしております。

「未来×幸せ経営フォーラム」
※シリーズ開催ですが、各回ごとのお申し込みも可能です

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