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にしかま酒場 11軒目 「大学生活からみる自衛隊体験」 イベントレポート

2022年3月12日(土)の20時00分から「大学生活からみる自衛隊体験」と題してオンライン酒場を開店しました。

店主:ひさよしさん(この4月から社会人になる大学4年生。大学時代は社会学、開発学、宗教学をかじる。2019年より予備自衛官補として訓練にも参加)
モデレーター:にゃへさん(西鎌倉CONNECTのオンラインサポーターを自負する西鎌人。はるか前だが、大学時代は社会人類学にハマる。)

どんなイベントだったか

大学卒業間際の店主が、自衛官補の5日間の合宿訓練に参加した経験と大学生活の中で考えてきたことを交えて紹介、人と人とのかかわり方、アイデンティティ等について、参加者が感想や思う所を伝えたイベントでした。

なぜこのテーマにしたか

大学生活を通して、自分たちの周りの規範や意識がリアリティから離れていることを感じていました。その中で、常にリアリティと対峙している自衛官の方々と接する経験が、深く私の印象に残ったので、今回お話させていただきました。(店主)

参加者の顔ぶれ

30~60代の以前大学生だった男女6~7名

こんな内容でした

乾杯のあと、店主が予備自衛官補とは何かを説明、実際の5日間の合宿の様子やそこで出会った人々について語る。次に店主の大学生活で学んだ視点(社会学)についての解説。その後で質疑応答しながら店主の話を深めていく内容となりました。
 
○予備自衛官補について
有事の時に活躍できる予備自衛官の制度が数年前にできた。その候補となるための研修(5日の合宿を十回行う)をうけた人。
店主は、その一回目に参加。朝6時に起床、15分には着替えて整列点呼、敷地内は常に行進、食事は10分以内に素早く済ませる。服はシワなく、靴はピカピカ、掃除は少しのホコリも許されず厳しくチェックされる...など軍隊式の生活を送る。64式小銃の分解組立なども行う。真夏なので厚い隊服や重い銃を扱うのは大変だったとのこと。
 
○店主の自衛隊についての所感
訓練に参加した動機は、(ウクライナなど)世界では色々なことが起こっているのに、のんびりいきている自分を感じており、それらを見てみぬふりはできないという感覚があったため。
同じ班の参加者は全員年下で、子供じみたバカ話などもする。一方で、彼らの目線はリアルなものを見ていると感じた。良い学校・良い大学・良い職場というコースを選んだ人々と違い、危険な場所に派遣されるかもしれない、という腹が座っている人たち。自衛官は「現実をみている」「地に足がついている」感じがした。体験して、より応援したい気持ちになった。
 
○店主の視点(大学生活で学んだこと)
社会学者 見田宗介の論にある「虚構の時代」。例はディズニーランドという完全な虚構の世界。日常でも他者の視線により評価されてしまい、「きれい」じゃないとダメというプレッシャーがある。
その中でリアルな関係からかけはなれてしまっている気がする。高校までは評価が明確だったが、大学生になると求めても求めても埋まらない...リアリティが感じられないという葛藤があった。そんな人々の「実存的な不安を温めたい」というのが生涯を通してやりたいことである。具体的に、「どうやって温めるのか」という解決策を見出しているわけではないが、予備自衛官補を一緒に頑張った仲間の目の輝きになにかヒントがあるのではないかと感じている。
 
1時間以上にわたって、自分の経験や学んだこと、考えていることを語る店主に対して、参加者も真剣に耳を傾けていました。第一声の感想で「大学生のとき、そんなに色々考えていなかった!」という驚きの声に頷く人多数。
そして質疑応答をしながら、色々なキーワードがでてきました。例えば
 
 ・インディアンの語る WarriorとSoldierの違い。命令で動くか、自分で動くか。
 ・”やさしい”関係 相手を傷つけない関係性。あたりさわりはないが「あたたかさ」がなく、いざとなったら切られる関係。そういった表面的な承認欲求を満たす関係性ではなく、リアルで互いに成長していける関係性をみつけていきたい...(店主)
 ・「切る」側の立場を考えてみることも大事→組織の管理者が「首を切る」時の気持ち。自衛隊の上官なら「死んで来い」といわねばならない。
 ・実際に家を建てる建築士の方。まさに地に足をつけて建てる。浮ついてない感じ。
 ・鈍感力も大事。すべて覚えていたら生きていけない、死んでしまう。←店主激しく同意!
 
などなど。
 
素晴らしいと思ったのは、参加者の皆さんの立ち位置がとてもフラットであったこと!
上から目線になりがちな年齢差でしたが、まったくそんな感じがなく、親しい友人の真剣な話を真剣に受け止めているような雰囲気。
そんな素晴らしいひと時でした。

まとめ

社会に出る際にあたって虚構の場所ではない、「あたたかい場所」を店主は見つけることができた..のかもしれない??

店主ひさよしさんから一言

まずは、参加してくださった方々ありがとうございました。社会人の皆さまからすれば、未熟でまとまりの薄い私の話を最後まで熱心に聞いてくださり、コメントをいただき、大変貴重な時間を過ごすことができました。
 
私は4月から社会人になります。社会人になってからも、学生時代に考えた学術的な問いと、現実で対峙するアクチュアルな問題とをどちらも偏ることなく、向き合っていきたいと考えています。
 
改めて、学生時代最後に、このような貴重な経験をさせていただいたことに感謝申し上げます。

*にしかま酒場って?

西鎌倉CONNECTのメンバーやまわりの人々が交代で店長として登場するオンライン酒場です。
お好きなドリンク(お酒やもちろんノンアルコールでも!)とその時々のトークテーマを肴に楽しむ2時間のひととき。
西鎌倉のお近くの方はもとより、そうでなくても全国津々浦々のみなさま、気になったらお気軽にご参加ください!
また、店長をやってみたい方やこんな話をしてほしいなどのリクエストなどもあればご連絡お待ちしております。

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