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気象一般過去問 問7温度風がやっとわかった 12/14


気象予報士一般試験第56回 問7
問7:温度風

図は地表面から高度 0.0001hPaまでの1月の平均気温(K)の緯度高度分布であり,経度方向に一様な東西風(地衡風)が吹いているものとする。南北温度傾度から温度風の関係を考慮して,図中のア~エで示す●の箇所における東西風の西風成分の鉛直方向の変化の組み合わせとして適切なものを,下記の①~⑤の中から1つ選べ。なお,西風成分の鉛直方向の変化は,高度が高くなるにつれて西風成分が大きくなる場合を正とする。


解く前に、

温度風とは?
いろいろ問題を解いたり気象学を読んでも、どうも意味がわからなかったのが温度風
問題の解き方はわかっても、なんのために必要なことなのかわからないので、すっと頭に入らず余計に疑問が残るばかりだった。

今日やっとわかりました。遅いかもしれない。

まず、なんのためにこの「温度風」という考えがあるか?のである。
ちゃんとした意味が分からなければ試験で出来てもつまらない。
と思い、色々な物を読むと、、

ある地点の上空の気温、風向風速を測るとその地点が寒くなるのか暑くなるのかがわかるのである(寒気移流や暖気移流という)。
ま、理由はそれだけであり、1地点の上空を測定だけで分かる。
では、なぜそうなのか?
気象予報士の勉強だから当然だったが、妙にこの温度風だけが頭に入らなかったのである。

で、例えを出すと分かりやすい。
ある地点の上空850hPa(約1500m)と700hPa(約3000m)の気温と風向風速を測ると、
700hPaでは気温0℃、風速10m/s、風向は南西
850hPaでは気温15℃、風速7m/s、風向は南南東
だったとする。
すると、
少し向きは違うが、下のようになる。
これは700hPaと850hPaの風(地衡風)の強さと向きををベクトルにして表したもの。
その850のベクトルの先から700のベクトルの先に温度風という緑のラインを入れたもの。ベクトルの向きは風向で長さは風速である。
これを温度風という、ただの名前。

晴れノートさんより

これでなんでその地点の気温の上がり下がりが予想できるのか?

左手で表現してみるとする。

小指が850hPaで、
人さし指が700hPaの地衡風

バカみたいだが、大気は立体なので下のノートが地上でその上空850hPa(1500m)に小指くらいの風が吹き、そのまた上空700hPa(3000m)で人差し指くらいの風がそれぞれの向きに吹いていることが観測されたとする。
温度風は下から上に吹く(気圧の高いほうから気圧の低い方へ吹く)ので、小指の先から人差し指の先に向かう。
すると、観測地点である手首から見ると温度風は時計回りである。
温度風が観測地点から見て時計回りならば暖気移流(温度風の右側が暖かい)である。
この地点は気温が時間とともに上昇する。
もし、反時計回りであれば、寒気移流(温度風の右側の温度が低い)で、この地点の気温は下がる。

北半球 は温度の高い方を右にして吹く。
こう言うと「なんで?」となるが、ま、高い方から低い方へ吹く風が(コリオリ力のせいで)右に曲がり高い方を右にして吹くのである。
だから、
右回りは暖気移流で、
左回りは寒気移流。
ただし、
南半球は逆で、風は温度の低い方を右にして吹く。
これは地球が丸く自転しているので決まり事である。

温度風とはその場の状態が変化していく状況をあらわすベクトルなのである。

ここで、もう一度問題の図をみると、、

この図は地球の北極と南極を通るように縦に割ってあるものを東から見たものです。

もう一度条件を整理する。
北半球の風は温度の高い方を右にして吹く。
南半球の風は温度の高い方を左にして吹く。

ア⇨こちらから見ると赤道側(右側)が高いのでアの風は奥(西)から吹いている。

イ⇨温度の高いのがこちらから見て左なので手前(東)から吹いている。

ウ⇨温度の高いのがこちらから見て右なので奥(西)から吹いている。

エ⇨温度が高いのがこちらから見て左なので奥(西)から吹いている。

問題文からすると西風を正とする、と書いてあるので、
アは正 イは誤 ウは正 エは正
となり、
答えは⓵


こんばんは、夜遅くなりました。
パソコンの調子が悪いのは困りものでした。

地球大気
暖められた空気は膨張する。
ですから、いつも赤道上空の大気はぶ厚いのです。
=同じ気圧300hPaでも赤道上空は高いところにあります。
この大気の厚さの違いでジェット気流が西から流れ、上空ほど風が強い。

ものすごくおおげさなことで表現すると
地上を鍋料理の表面とすれば、大気は鍋に蓋したように真ん中(赤道)が高い。取っ手部分は北極と南極である。極上空は低いのです。
鍋の真上から水を流すと周りにこぼれ落ちるように、大気も高いところから低いところに向かいます。

温度風も同じように温度の高いところから低い方へ風が動きますが…、
北半球の風が気圧の高い方を右にして吹くのは高気圧を考えれば理解できます。高気圧の風はいつも時計回りです。
これは地球自転によるコリオリ力なんです。
いや、簡単に言おうとしてたのに難しくなった。


明日は大雪をもたらすJPCZ(日本海寒帯気団収束帯)について調べて書こうと思います。

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